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台湾ごはん、何食べる?旅ができる、その日のために

2021.02.06 更新 ツイート

『農家メシ!』パウロタスクさん×『台湾ごはん何食べる?』AKRUさん対談〈前篇〉

台湾人の味覚も揺さぶる、垂涎の農家メシが満載! 竹中式子

メシテロなコミックエッセイ、日本発『農家メシ!』(パウロタスク著)、台湾発『台湾ごはん何食べる? 台湾人・阿米と日本人・美菜の食楽記』(AKRU著)。岩手県と台湾と、遠く離れた場所に住む作者のおふたりがお互いの作品を読んでみたら、興味深い食文化の発見もあったようで!? そんなパウロタスクさんとAKRU(アクル)さんの質問交換によるインタビューをお届けします。

今回は、パウロタスクさんの『農家メシ!』編。岩手の田んぼに囲まれた田舎町にある奥さんの実家へ、東京から移住したパウロタスクさん。『農家メシ!』では初めての農家暮らしの日々を、採れたて作物でつくられた滋味深く「旨そ~!」なごはんを通してゆったりと描いています。

*   *   *

アレンジ自由の野菜たっぷりレシピで、台湾のおうちでも農家メシ!?

AKRU『農家メシ!』には農家生活での驚きとともに、毎回レシピも丁寧に描かれていますよね。パウロさんは料理はされるんですか?

パウロタスク(以下、パウロ)自分でつくったことはないんです。教えてもらったり、調べながら描いてました。ひとり暮らしをしていたころは簡単な料理はしていたので、基本的な部分は理解できるかなと。

AKRU『農家メシ!』で描かれている24本のエピソードのなかで、台湾人の私が特に「これは美味しいに違いない!」と思わされたのは、「しいたけと鶏肉の煮物」「炊き込みご飯」「ひっつみ」でした。どれも私の好きな食材が使われていたので(笑)。

パウロ 僕自身が好きな味は、青椒肉絲や回鍋肉など、ごはんに合う中華料理系なんです。塩辛系も好きですね。

AKRU「しいたけと鶏肉の煮物」もごはんが進みそうですね!

パウロ これはしいたけや鶏肉の旨みが強い料理です。本編にも描きましたが、まさに「旨みの大洪水や~」。我が家は基本的に味つけ自体はそこまで濃くなく、薄味で物足りないときは各自で調整するスタンスです。

AKRU にんじん、ごぼう、きのこに鶏肉の「炊き込みご飯」は、自分でもつくってみたくなりました。炊き込みご飯はよく食卓に上るんですか?

パウロ やはり一番多いのは白ごはんですね。炊き込みご飯は秋に食べたくなるものなのか、その時期は食卓に上る頻度があがります。ほかにも玄米や五穀米のごはんが出るときもあります。

AKRU「ひっつみ」は寒い冬に温まりそう。台北の冬は意外と寒いんです。

パウロ 台湾も寒いんですね! 位置的にかなり暖かいのかと思っていたので意外です!

AKRU たくさんの種類の野菜(大根、ごぼう、セリ、にんじん)が入っているのが、私がよくつくる野菜のスープに似ている感じで、親近感がわきました。

パウロ 小麦粉を水で練った団子が特徴のひっつみは、かつて寒さが厳しく米の栽培が難しかった東北地方で、自然的に発展した粉物文化の名残という説もあります。これはAKRUさんにぜひおすすめしたいひと品ですね。ひっつみに限らず郷土料理は地域、もしくは各家庭によって独自の味つけがあったりするんです。AKRUさんは料理をされるので、基本を踏襲しつつ、AKRUさんが一番美味しいと思う味付けを探して楽しんでもらえたら嬉しいです。

農家メシに触れると芽生える、野菜やお米を丁寧に楽しむ気持ち

AKRU 作中でかなり共感したのが、大皿料理を家族で取りわけるエピソードです。パウロさんは「ウチの実家はひとりずつ小鉢で出てくる」と驚かれてましたよね。それに対する奥さまの「大皿料理のほうが洗い物も少なくすんで合理的でしょ」という台詞はまさにそのとおり(笑)。台湾の食事も大皿料理をシェアするのが一般的です。パウロさんはこの食べ方にもう慣れましたか?

パウロ 最初こそ驚きましたが、妻の意見が納得できたこともあり、すぐに慣れることができました。台湾料理や中華料理を見ても、大皿から取る文化は一般的なので、アジアのなかでは個別に料理が提供される日本のほうが珍しいのかもしれませんね。

AKRU 農家暮らしをはじめられただけでなく、『農家メシ!』を執筆されることでも、食への意識に変化はありましたか?

パウロ 執筆にあたり、改めて野菜や米のことを調べることで、素材の一つひとつを楽しもうという気持ちが芽生えてきて、以前より丁寧に食に向き合えるようになったと思います。

AKRU 周囲の方々は『農家メシ!』を読んでどんな感想をお持ちでしたか?

パウロ 近所の方々からは「わかるわかる!」と農家あるあるを楽しんでいただけているようです。逆に農家に馴染みのない僕の実家や、東京に住む友人たちからは「とれたて野菜がうらやましい」や「週末の更新(※)を見て、その日の自分の晩ごはんを決めた」「知らないことがたくさんあった」などさまざまな感想をもらえました。

※『農家メシ!』は幻冬舎plusで連載されていました

AKRU 執筆中に印象的な出来事はありましたか? 農作業をされながらの執筆ですよね。

パウロ 日中は急に農作業などの手伝いを頼まれることも考慮すると、執筆時間は必然的に夜中になってきます。アイデアの面では妻に「最近食べて美味しかった料理あった?」と相談することもありました。作中でもちょっと触れたのですが、一度に採れる野菜の量が多いので、同じ野菜が何日も食卓に出続けることがよくあります。同じ野菜を何週も続けてネタにすることはできないので、前に食べたものを思い出そうと苦労をしたのが印象深いです。

日本料理のイメージが変わる、台湾料理にも似た農家メシに興味津々

AKRU これは個人的な興味なんですけど……。作中ではパウロさんも奥さまも、おばあさんを「マツさん」、おかあさんを「すずよさん」と呼んでいらっしゃいますが、実際もそうされているのですか? 下のお名前で呼ぶのは農家の特色なのでしょうか?

パウロ 農家の特色、ということはないと思います。妻がふたりを名前で呼ぶので、僕もそれに倣っています。僕も自分の母親を名前呼びしていたので、特に違和感なく受け入れられました。

AKRU 私はこれまで台湾でも農家のごはんに触れたことがなかったんです。日本料理のイメージは緻密できれいにお皿に盛りつけられている姿でした。でも『農家メシ!』を読んで、こんなに温かみや、台湾料理にも似た素朴さがあって、食材の味を大事にしているんだなと。それに、大皿料理をシェアすることもあるんだということも知りました。農家の朝昼晩の三食は生活と密着していて、自然と共生している姿勢が素敵です。『農家メシ!』のおかげで気づきがたくさんあって、台湾の農家メシがどんなものかにも興味を持ちました。ぜひ、日本と台湾の農家メシを食べてみたいですね。

関連書籍

AKRU『台湾ごはん何食べる?台湾人・阿米と日本人・美菜の食楽記』

いつか、台湾に行けるその日のために。 水餃子、ワンタン、牛肉ラーメン、肉そぼろごはん、火鍋、海鮮、夜市、クレープ、揚げパン、かき氷……台湾人が本当に好きな台湾美食の旅にご案内! 台湾人の漫画家が日本人に指南する、台湾グルメコミックエッセイ。

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竹中式子

台北在住編集者。美味しいものとお酒が大好き。コミックエッセイ『台湾ごはん何食べる?』で取材したお店を写真つきで紹介するTwitter@taiwangohan1 、Instagram@taiwangohan 、Facebook@taiwangohan が始まりました。個人的に訪れた台湾美食は Instagram@shishizizi で公開中。

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