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結局だらしな日記

2020.06.28 更新 ツイート

牛丼よりお高いクッキーって!? 悩ましき幸せの価値!(6月16日~25日)藤田香織

6月16日(火)

本日締切の原稿を、7時に起きてガリガリ書く。昨日中に書こうと思っていたのに、読み始めた本が面白くてやめられず、今日になってしまったのだ。
起きて5分で机に向かい、アイスコーヒーを飲みながら働く。カチャカチャ、ごくごく、むむむむむと繰り返しながら11時に完成。4時間で原稿1本仕上がれば上出来じゃないか、と思われるやもしれないけど、書いたのは800字程度と短い原稿なので、自分としては「それでも4時間かー」とすっきりしない。読むのには5時間ぐらいかかってるし。

 

原稿を送信して、途中から「この原稿書き終わったら食べる!」と鼻先にぶら下げていたエシレのサブレグラッセを、いそいそと缶から出す。
自分で見ているわけじゃないけど、そりゃもう絵に描いたような「いそいそ」に違いない。ウキウキでルンルン(久しぶりに使った! おうちにいるけど!)でいそいそ。

実は先週、仕事で必要になった本が、近所の書店にもいつも使ってるネット書店にもなくて、これはいよいよ都心に電車で出かけて行く時が来たな! と覚悟して新宿の紀伊國屋書店に行ったのだ。本当は池袋のジュンク堂でも良かったのに、新宿にしたのは、伊勢丹が営業再開した5月30日以来、頭の片隅にずーーーっと「エシレのサブレグラッセが食べたい」と頭にあったからに他ならない。

御存知でしょうか。エシレのサブレグラッセ。お高いバターでお馴染みのエシレの、そのお高いバターをたっぷり使って焼き上げたサブレに、さらにシュガー&お高いバター液をかけた、もうそりゃお高くなるのも無理からぬ焼き菓子(平たく言えばバタークッキーみたいなもの)。

バタークッキーは、私の好きな食べ物ランキングに、この数年で急上昇ランクインしてきた、それだけにまだまだ未知なる世界のものであるのだけれど、その浅い経験のなかで知り得る限り、とにかくこのサブレグラッセが今のところ断然、私の好みなのである。

しかーし、何しろお高い。他がどうだか知らないが、新宿伊勢丹のエシレには10枚入りの缶でしか売ってなくて、お値段が税込3888円なのだ。ちょっとした洋菓子の値段としては、まぁ目玉が飛び出るほどではないと思わなくもないけど、贈り物でも土産物でもなく。ひとりで毎日むしゃむしゃ食べるクッキー1枚400円! となると、さすがに何か自分に言い訳しないと買い難い。この1枚で牛丼食べられる! とか、丸亀製麺のぶっかけに天ぷらつけられる! とか、考えだすとものすごーい罪悪感も沸いてくる。

でも、買ったのだ。すべてを振り切って、自分言い訳にしたのは、「これがあれば10日も機嫌よく過ごせるんだよ! ハッピー10日間! 素敵!」で、実際、今日も抜群の人参効果を発揮してくれた。
そんなこんなの「いそいそ」なのだ。そりゃもう「いそいそ」だろうよ! アイスコーヒーを入れ替えて、さくさくと噛みしめると、今日もしっかりバターが香って幸福感が体中にひろがっていく。ほんと美味しいって幸せだ!
それにしても、5日前に買ったのに、もう残り1枚なのは、なぜなのか。幸せは10日続くんじゃないかったのか。おかしいなぁ。

<最近の読書>
『女帝 小池百合子』(石井妙子/文藝春秋¥1650)……話題沸騰中のノンフィクション。
都民でもないし、必要に迫られないので、ちみちみとしか読めずようやく読了。現・東京都知事、小池百合子とはいかなる人物であるのか、その半生が綴られていて、そうだったのか! と、なるほど、ですよねぇ! が満載で大変面白い。面白いのだけれど、それはもうフィクションとしての面白さのようで、これがノンフィクションであることが次第に恐ろしくなってくる。関係ないけど、あの都知事の毎日変わる布マスクは、きっと全国から山のように「使って下さい!」と送られてくるんだろうなぁ。
『草むらにハイヒール 内から外への欲求』(小倉千加子/いそっぷ社¥1870)……週刊誌でコラムを読むことはあっても、今まで著書を読んだことはなかったのだけれど、ふむふむ頷ける&腑に落ちることが山のように書いてあり、とても興味深くこれまたちみちみ読み進めて読了。晩年の佐野洋子が麻雀のメンツを集めるのに、「山田詠美。男っ気がないと来ないわ。角田光代。仕事が忙しすぎて来ないわ」と言っていた、などと書かれている。ちあきなおみは解釈のプロ、という考察にも唸る。中島梓の本を2冊ポチる。

この2枚で約777円!
高い!マジで高い!でも幸せ!
「価値観」ってやっばりそうそう同じ人なんていないなりよ。

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関連書籍

杉江松恋/藤田香織『東海道でしょう!』

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藤田香織

1968年三重県生まれ。書評家。著書に『だらしな日記 食事と読書と体脂肪の因果関係を考察する』『やっぱりだらしな日記+だらしなマンション購入記』『ホンのお楽しみ』。近著は書評家の杉江松恋氏と1年半かけて東海道を踏破した汗と涙の記録(!?)『東海道でしょう』。

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