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ルポ シニア婚活

2019.10.02 更新 ツイート

金銭問題、やり逃げ、ニセ身上書…シニア婚活のトラブル回避策篠藤ゆり

還暦を過ぎてなお、人生最高の伴侶を求めるシニア層のリアルな姿を追った、幻冬舎新書『ルポ シニア婚活』(篠藤ゆり・著)。

9月末に発売されたばかりの本書から一部を公開。

シニア婚活で気をつけるべきトラブルは、金銭的なもの、性的なもの、感情的なものなどさまざまだ。

申告されている年収や資産は正しい額か? いつから男女の仲になるか? 交際のじょうずな断り方は?

余計なトラブルに巻き込まれないために気をつけるべき点を、実際の事例から考えてゆく。

*   *   *

(写真:iStock.com/paylessimages)

女性からお金をだましとられる男性は多い

シニア婚活、およびシニア婚にともない、なんらかのトラブルに巻きこまれる人は少なくない

具体的なトラブル例をあげつつ、どうすればトラブルを避けられるかを考えていきたい。

 

まず婚活中に多いのが、男性が女性からお金をだましとられるケースだ。

母親が入院した、子どもがケガをしたなどいろいろな理由をつけては5万、10万とお金を無心され、ある日突然、連絡がとれなくなる。

なかには100万円以上の大金をだましとられる人もいる。

こうしたトラブルになるのは男女の関係になってからかというと、そうでもない。まだ手もにぎっていないのに、何度もお金をわたしてしまうケースもある

相手の期待にこたえたら、自分のものになってくれるに違いない。そう思って、つい財布のひもをゆるめてしまうようだ。

(写真:iStock.com/high-number)

中高年向けの結婚相談をおこなう太陽の会では、会員の男性に、「つきあっている段階でお金のはなしが出たり高価なプレゼントを要求されたりした場合は、スタッフに相談するように」とアドバイスしている。

太陽の会代表の斎藤尚正さんによると、「自分はだまされるはずがない。60代、70代のいい大人なんだから、勝手にさせてくれ、という人もいます。でも残念ながら、何年に一度か、だまされる人がいます」とのことだ。

たとえば、過去にはこんなこともあった。50代の女性が70代の男性に積極的にアプローチして結婚。女性は男性の家に引っ越してきたが、なぜか荷物をほどこうとしない

そして2ヶ月たつかたたないかのうちに、「私が思っていたような人ではなかったから離婚したい」と言いだし、ついては慰謝料をもらいたいとせまったという。

「女性のアプローチで男性はすっかり舞いあがり、すぐに入籍しました。でもたぶんその女性は、最初から慰謝料目的だったのでしょう」

 

収入欄は自己申告制の場合もある

女性のなかには、男性の経済力に重点をおいて婚活をする人が少なくない。

男性の収入に関しては、結婚相談所によって、確定申告の写しや収入証明書など、収入を証明できる書類を提出しなくてはいけないところもあれば、自己申告制のところもある

自己申告制はいわば「性善説」にのっとっているわけだが、必ずしも正確な数字が書かれるとはかぎらない。

なかには誇大広告よろしく、実際よりかなり水増しした数字を書く人も現実にいる

(写真:iStock.com/BernardaSv)

相手の経済力を重視する場合は、収入欄の裏づけはとれているのか、スタッフ側に確認したほうがよさそうだ。

一方、年収が高かったり資産をもっていたりする男性のなかには、財産めあての女性が寄ってくるのではないかという疑心暗鬼から、正確な収入を知られたくないという人もいる。

そのため、あえて収入の金額を下げて記載したり、不動産収入や土地などの資産に関しては表にださないでほしいと婚活アドバイザーに釘をさすなど、「逆サバよみ」するケースもある。このあたり、男女の思惑とかけひきが渦まく世界といえそうだ。

 

“やり逃げ”から身を守るために

性的な問題もトラブルになりがちだ。シニアの場合、性的な関係をどこまで重視するかは、若い世代以上に個人差がある

複数の婚活アドバイザーの話をまとめると、男性はほぼまちがいなく、性的な関係をのぞんでいるという。

もちろん年齢や体調によって、また個人によって、どこまでの行為が可能かはちがってくるだろう。

ただ多くの男性は、女性とつきあう、あるいは結婚するということは、なんらかのかたちでの性的関係をもつことだと考えている。

一方女性の場合は、ある程度年代があがると、性的関係はできればさけたいという人もいる。

なかにはプロフィールに「同衾(どうきん)はいたしません」と書いてほしいと申し出る女性もいるそうだ。

「ただし最初から条件として提示してしまうと、相手が見つからない可能性が大きいので、『条件に入れるのは、やめたほうがいいですよ』とアドバイスするようにしています」と、中高年専門の結婚相談所・茜会の立松清江さん。

「同衾はいたしません」と言っている女性も、相手との信頼関係ができたら、受け入れるようになることもあるそうだ。

(写真:iStock.com/TongSur)

また、いつから性的関係をもつのか、往々にしてそのスピード感覚が男女でズレがちだ。男性のなかには、相手も自分に好感をもっていると思ったら、すぐホテルに誘う人もいる。

女性もその気になっていれば問題はないが、まだ気持ちが固まっていない場合や性的な関係をもつことに不安をもっている場合、そこで焦ってしまうとせっかくうまくいきかけていた関係がこわれかねない。

女性は閉経すると、性交痛を感じるなど、身体的な変化があらわれる場合がある

そのため、うまく男性を受け入れられないのではないかと、セックスそのものに不安や躊躇(ちゅうちょ)を感じる人もいる。

そういった女性の心理を理解せず、先をいそぐと、女性は心を閉ざしてしまう。

 

ただ、男性が急ぐのはシニアであるからこそ、ともいえる。歳を重ねれば重ねるほど、一日一日が貴重になってくる。

もしかしたら次のデートの際は元気に歩けないかもしれないし、男性機能もダメになっているかもしれないといった不安が、心の奥底にあることは容易に想像できる。

先がかぎられているからこそ、今ここでなんとしても相手の女性をゲットしたい。そう思うあまり、つい気持ちがはやってしまうのだろう。

 

気をつけなくてはならないのは、下品な言い方だが女性が“やり逃げ”されるケースである。

自分は結婚するつもりで男性からのセックスの求めに応じたのに、男女の関係になってしばらくしたら、電話をしても出ないし、LINEやメールを送っても返信が来なくなる。

そうしたトラブルを避けるため、結婚相談所によっては、登録規約に「性交渉は成婚対価である」、つまり性交渉をしたら結婚同様にみなすと書かれているところもある。

なにかトラブルがあった場合は慰謝料などの支払いも発生する可能性があるので、性交渉をもつのならそういった覚悟をしてくださいと明文化することで、抑止力を期待しているのだろう。

とはいえ、規約を無視してせまってくる人もいるのが現実だ。性にまつわるトラブルは、やはり自己責任だと肝に銘じておくしかなさそうだ。

 

断るときは明るく、はっきりと

男性に多いそうだが、婚活パーティなどで知りあい、連絡先を交換すると、それだけでもう交際OKだと思いこんでしまう人がいる。

連絡先交換は、あくまで入り口にすぎない。そこからおたがいの意向や価値観を確認しつつ、交際に進むかどうかを考えるわけだが、それを飛ばしてしまいショートメールを日に何本も送ったりする人もいる

(写真:iStock.com/natasaadzic)

「男性と女性では気持ちの高まるスピードがちがい、男性はつい先走りしがちな方が多いようです。

そういう相手の場合、こちらに交際する意向がないのなら、はっきり断ったほうがいいと思います。

『ちょっと今はいそがしくて』みたいな言い方では伝わりません。必ず、『だったら、いつになったらヒマになりますか』という返事がかえってきますから」と茜会の立松さんは言う。

交際を断わっても、どこかのパーティで再会する可能性はある。そのようなとき、なるべく気まずくならないためには、どのように断ればいいのだろうか

「『お話ししてみたけれど、やはりご縁がなかったと思います。どこかでまたお会いするかもしれませんが、おたがいにがんばりましょうね』といった感じで、明るく流してくださいとご案内しています。

男性は、ていねいに言ってさしあげたらたいてい理解してくれます。

一方、男性が女性に対して断るときのよくない例ですが、『プロフィールに載せている額より年収が下がったんだ』など、『こちらの条件が悪くなった』と女性に告げて、女性の方から断ってもらうようにしむけるという、ちょっとまわりくどい方法をとる方がいらっしゃいます。

これでは断る意思が相手に伝わりづらいし、会に『プロフィールの情報はウソだったのですか』とクレームが入ってしまうこともあります。やはり単刀直入に、明るく断っていただきたいですね」

篠藤ゆり『ルポ シニア婚活』

暦を過ぎて子どもがほしくなり31歳スリランカ人と成婚した61歳男性。ピースボートの船上で72歳男性にプロポーズされた80歳女性。人生の酸いも甘いも噛み分けた世代の婚活には、複雑多岐なしがらみがあり、ゆえに結婚の暁には極上の喜びに変わる。本書では多くのインタビューから見えてきたシニア婚活の実態と成婚への道筋を紹介。恋愛感情は必要か? 子どもをどう納得させる? 「後妻業」への防衛策は? 幸せな老後、幸せな最期を求める人々の愛の記録。

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ルポ シニア婚活

2019年9月26日発売の幻冬舎新書『ルポ シニア婚活』(篠藤ゆり・著)について、最新情報をお知らせします。

還暦を過ぎて子どもがほしくなり31歳スリランカ人と成婚した61歳男性。

ピースボートの船上で72歳男性にプロポーズされた80歳女性。

65歳以上の独居人口は620万人を超え、伴侶を求めるシニアも増加の一途。

だが人生の酸いも甘いも噛み分けた世代の婚活には、複雑多岐なしがらみがあり、

ゆえに結婚の暁には極上の喜びに変わる。

 

本書では多くのインタビューから見えてきたシニア婚活の実態と成婚への道筋を紹介。

恋愛感情は必要か? 子どもをどう納得させる?「後妻業」への防衛策は?

幸せな老後、幸せな最期を求める人々の愛の記録。

 

●毎晩のLINEで愛を育んだ70代&60代カップル

●相続から性生活まで、具体的希望をすりあわせ

●「貯金を相手の家族のために使われるのが怖い」63歳男性

●国際結婚に期待を寄せる女性不信の外科医

●「子どもがほしい」裕福なシニア男性たち

●パートナーがいる幸福感はほかでは埋められない

●シニア婚活が招いた親子の亀裂

●どちらかが逝った後まで想定しておく

●お墓をどうするか ……など

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篠藤ゆり ライター

福岡県生まれ。国際基督教大学教養学部で美術史を学び、卒業後コピーライターとして広告代理店に勤務。退社後、世界各地を旅する生活をへて、1991年「ガンジーの空」で海燕新人文学賞受賞。「婦人公論」のグラビアなど女性誌を中心に人物インタビューを多数手がける。著書に最新刊『ルポ シニア婚活』のほか、『旅する胃袋』(幻冬舎文庫)、『食卓の迷宮』『音よ、自由の使者よ。―イムジン河への前奏曲』、また聞き手として携わった『岡本太郎  岡本敏子が語るはじめての太郎伝記』(いずれもアートン新社)がある。

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