1. Home
  2. 生き方
  3. 山田マチの山だの街だの
  4. 第47回 東京大盆踊り大会 - 駒沢・ケ...

山田マチの山だの街だの

2019.09.04 更新 ツイート

第47回 東京大盆踊り大会 - 駒沢・ケイジャン・エグザイル -山田マチ

気づけば8月が終わろうとしていました。
海水浴も、ラジオ体操も、祭りも、帰省も、ご先祖様のオモテナシも。なにもしてなくて、夏。
ご先祖様については、そういうのが見える人から「山田家の先祖は誰ひとりあなたを守っていない」と断言されたので、まあいいとしても。何かひとつくらいはと思っていたある日、1枚のチラシが目にとまりました。

 

TOKYO Big Bon Odori FESTIVAL。日本名、東京大盆踊り大会。
8/31、9/1の2日間、駒沢オリンピック公園で開催。

盆踊り。大人になってから踊った記憶がありません。ラインナップをみると、炭坑節、東京音頭、東京五輪音頭2020、明治チョコレート効果音頭、NEO ZIPANG UTAGE、NEO ZIPANG BREAKS……。
EXILE  USAさんが盆踊りをプロデュースされているようなので、アルファベットのはヤング向けのネオなオリジナル盆ダンスでしょうか。
USAさんのUの字の上にはチョンチョンと2つの点がつくのが正式表記なのですが、出し方がわからなくてごめんない。いつからチョンチョンどうしてチョンチョン。藤岡弘、さんの「、」みたいなものかしら。

会場には各国料理のキッチンカーが集結し、アルコールやかき氷やタピオカもあるとのこと。この夏日本を席巻したタピオカも、まだ一口も、一粒も口に含んでいません。よし、駒沢にいって食べて飲んで踊ろう。

8月最終日、ちっちゃなナスが無数にプリントされた浴衣を着て、帯の中に小銭入れとスマホをつっこんで家を出ました。いっぱい食べたいから帯はゆるめに、踊る気まんまんなので手ぶらです。

バスでたどりついた駒沢オリンピック公園は、1964年、東京オリンピックの第2会場としてレスリングやバレーボールの競技が行われた場所。来年のオリンピックではサッカーの練習会場になっているそうです。盆踊り会場は、巨大ジェンガみたいなオリンピック記念塔のある中央広場。

公園の木々を抜けて広場に入ると、やぐらが建ち、まわりをたくさんのキッチンカーが取り囲んでいました。やぐらは、赤い骨組みにポップな提灯が飾られ、三角の旗がはためき、ふつう紅白の幕が垂らされているところが全面スクリーンになっていて、きらびやか。
バリ島の田舎でたまたま出くわした村の祭りを思い出しました。タイのデコトラのようにも見えます。ネオなのね。

到着した18時ごろはレクチャータイムで、東京音頭の練習中。あれ、なんかこれ、踊れそう。こどものころ、神社の境内で一心不乱に踊った記憶がぶわっと蘇りました。
輪に飛び込みたいところですが、のどカラカラ。タピオカ……今じゃない。
生ビールを飲みながら、会場をぐるりとめぐります。タイ料理、ケバブ、焼小龍包、富士宮やきそば、ピザなど、どの店もなかなかの行列。かわいい小さなトラックのケイジャン料理に並ぶことにしました。

並びながらレクチャーを見物。
DJ風の英語混じりの男性司会者がステージを盛り上げます。
毛色のちがうポップな曲がかかりました。女性ボーカルの、夢や希望あるっぽい歌にあわせ、お手本の踊り子さんたちがアグレッシヴな動きを見せています。これが例のエグザイルさんの。「明治チョコレート効果音頭」は踊れそうだったけれど、これはついていけるでしょうか……。

ケイジャンの行列に並んでいる間に提灯が灯り、記念塔もカラフルにライトアップ。いよいよ本番です。
行列はじりじりとしか進みません。トラックのなかではおじさんがひとりで奮闘中。がんばれおじさん。炭坑節がおわってしまう。がんばってくれおじさん。
やっとケイジャンチキンとソーセージを手に入れ、テーブルに座ることができました。「♪あ~ポリフェノ~ル~」というチョコレート音頭を聞きながらいただきます。おいしいよおじさん! 本格的だよおじさん!
食べ終わり、腰をあげようとしたそのとき、司会者がスペシャルゲストの名を告げました。

EXILE  USA(Uにウムラウト付が正式表記)さんの登場です。どよめきが起こり、一斉にステージにかけよる群衆。無数のスマホの光がきらめきます。「NEO ZIPANG UTAGE」がはじまりました。女性ボーカルの多幸感溢れる歌声と、ハイテンポなやぐら太鼓が響きあいます。

♪盛り上がろう一緒にtogether!
♪YEAH YO! Here we go!
♪声あげてアガろう
♪オ・ド・ン・ナ・キャ・モッタイナイ!

提灯の明かりがチカチカと変化し、輪の外にいる小さなこどもたちも自然に体を動かしてノリノリです。ヘイ! ホウ! フウ! と飛び跳ねる群衆。これがグルーヴというやつでしょうか。
EXILEすごい。USA(Uにウムラウト付が正式表記)さんすごい。

しかし私には強すぎる。まぶしすぎる。ネオがすぎる。口をあけて遠まきに眺めているうちに、大団円となりました。
英語混じりのDJ風司会者が、ゲストや踊り子さんや来場者に感謝を伝えます。
「ご先祖様にも熱い想い届いたんじゃないでしょうか。先祖フォーッ!」みたいなことをおっしゃって、盆ダンスは締めくくられました。

家に帰り、公式サイトでレクチャービデオを見てみました。
NEO ZIPANG~は、「リズムに合わせて体を揺らしましょう」「体をホップ」「手をシェイク」「その場で自由にジャンプ」など、私にはどうしていいかわからない指示多数。
対する東京音頭や炭坑節は、「右手かざしてちょん」「左手かざしてちょん」「ちょちょんがちょんで手拍子3回」。うん、これならいけそう。

来年の夏はどこかの町内会の祭りにおじゃまして、ちょちょんがちょん、と踊りたいです。
タピオカも、あるうちに飲んでおこうと思います。

*きょうの昭和*帰りのタクシーで運転手さんがチェルシーくれました。3つも。
*きょうのごはん*盆踊りでケイジャン料理。テーブルと椅子がたくさん用意されていて、みなさんUTAGEを楽しんでました。

関連キーワード

関連書籍

山田マチ『ひとり暮しの手帖』

実家をはなれて、およそ20年。 これまでも、きっとこれからも、ひとり暮し。 ここには、ひとり暮しのいろいろなことを書きつけます。 このなかのどれかひとつくらいは、あなたの心に届くかもしれない。 いや、ぜんぜん届かないかもしれない。 そんなふうな、 これは、ひとり暮しの山田の手帖です。

{ この記事をシェアする }

この記事を読んだ人へのおすすめ

幻冬舎plusでできること

  • 日々更新する多彩な連載が読める!

    日々更新する
    多彩な連載が読める!

  • 専用アプリなしで電子書籍が読める!

    専用アプリなしで
    電子書籍が読める!

  • おトクなポイントが貯まる・使える!

    おトクなポイントが
    貯まる・使える!

  • 会員限定イベントに参加できる!

    会員限定イベントに
    参加できる!

  • プレゼント抽選に応募できる!

    プレゼント抽選に
    応募できる!

無料!
会員登録はこちらから
無料会員特典について詳しくはこちら
PAGETOP