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山田マチの山だの街だの

2019.06.12 更新

第41回 府中 - デイキャンプ・あじさい・祭り三昧 -山田マチ

メルカリで不用品を売りさばき、こつこつ貯めたキャンプ貯金でテントとタープを購入した私と友人の通称カッパ。お互いに結婚歴ゼロのひとり暮し。40をすぎてからキャンプに興味を持ったものの、経験はゼロ、キャンパーの知人もゼロ。私たちはまず埼玉の公園に出かけ、説明書とYouTubeを交互ににらみながら、なんとか立てることができました。

次は宿泊しようね言いながら、あっというまに数ヶ月。昨日の晩飯の記憶も曖昧なのに、テントの立て方など覚えているはずがありません。再び練習のために、日帰りキャンプにいくことにしました。

向かったのは、府中市の郷土の森公園バーベキュー場。利用料はなんと無料。管理棟や売店などはなく、決まったスペース内であれば、好きなとこでテントでもタープでも立ててバーベキューおやりなさい、というおおらかなシステム。簡単な水場とトイレはあります。

 

くもり空の平日。多摩川沿いの広場では、みなさんおのおの、のびのびと楽しんでらっしゃいました。
自転車で乗りつけて一日中レジャーシートに寝っ転がっているおじさん、ハンモックにゆられる人、ひとりで大きなテントを立てて中から一切出てこない男性、日常のお昼ご飯といったふうにささっとバーベキューして去っていったファミリー、小さなテントを立ててひとりで炭をおこす修行僧のような若者、10人くらい入れそうなタープを立てて立派なリビングを完成させたと思ったら、すみやかに撤収して去っていった人。

そして、おぼろげな記憶をたぐりよせながらペグを打ちつけるふたりのおばさん。
ぶかっこうながらもなんとか立てることができ、隣接する「郷土の森観光物産館」で地元の野菜を調達し、炭をおこし、ラム肉でバーベキューとすき焼きをして帰ってきました。

それから数日後、ふと「はて?」と思ったのでした。
せっかく府中にいったのに府中らしいところにいっていません。府中といえば競馬場、刑務所……くらいしか知らないけれど、何かあるでしょう、きっと。ちょっと散歩にいってみることにしました。

まずはバーベキュー場の近くにあった「郷土の森博物館」へ。
ここでは5月下旬から7月上旬まで、「あじさい祭り」を開催中とのこと。あっじさいあっじさい、わっしょいわっしょい。
博物館は、深い緑の森のなかにぽつぽつと昔の民家や商家や洋館などが復元され、小川が流れ、童話のなかに迷い込んだよう。いたるところにあじさいが植わっていますが、6月初旬のこの日は、まだ2分咲きといったところ。まつるにはまだ早い。

しかし博物館を出たところで別の祭りに遭遇。「青木屋菓子祭り」開催中!……青木屋? どうやら府中の老舗菓子店のよう。おまんじゅうやバームクーヘンやみたらし団子などが並び、たくさんの人々がお菓子を取り囲んでいます。太鼓の演奏などもあり、こちらは一転祭りのムード。まんじゅうわっしょい、青木屋わっしょい。

祭りを抜けて「ふるさと通り」を競馬場方面へ歩いていくと、のぼりがたくさん立っています。祭りか!?
いえいえそこは「大東京綜合卸売センター」でした。多摩地区最大級の卸売市場で、この日は「土曜真っ昼間市」開催中。
倉庫のような建物のなかに入ってみると、業務用の肉、魚、野菜、調味料、菓子、調理器具、包装用品などがわんさかと。NHK「世界ふれあい街歩き」で市場シーンを食い入るように見る私にとってはパラダイス。全通路くまなく回り尽くしました。生まれ変わって大家族や寮母や相撲部屋のおかみさんになったら、ここで大量の買い物をしたいものです。

市場を出てテクテク歩いていくと、競馬場が見えてきました。
今日はここでレースはないようで、一帯は、しーん。門の近くに、確実に50年くらいは時が止まっている屋台のような飲み屋さんが6、7軒並んでいます。お昼どきだったので、なんとなく入りやすかった「南里」で小腹を満たすことにしました。
テーブルの上には調味料といっしょに、馬券を購入するマークシートが置いてあります。テレビ中継と競馬新聞を交互にみやり一喜一憂するおじさんたちに囲まれて、瓶ビールと唐揚げとお漬物をおいしくいただきました。

そこからさらに府中駅方面へ歩くと、大きな神社がありました。
「大國魂(おおくにたま)神社」は、武蔵国の総社で「くらやみ祭り」が盛大にとりおこなわれるそう。まっくらやみの、祭り……?
画像検索してみると、山車に神輿に馬に大太鼓にと、なかなかの規模のよう。孔雀のような派手な飾りをぐるぐると振り回しているのですが、それが何を表しているのかイマイチわかりません。
これは一度見にくるしかあるまい。祭りの期間は4/30~5/6。GWのあいだ、府中の人はみんな寝不足なのでしょうか。

おしゃれなビルが立ち並ぶ駅周辺をくるくる歩き、「刑務所作業製品展示即売会」で買い物を楽しんだりしていたら、おなかがすいてきましたよ。
目に入ったのは、格安中華チェーンの「日高屋」。私はときどき自宅近くの日高屋で、お昼に「野菜たっぷりタンメン(麺少なめ)」を食べているのですが、となりでビールを飲んでるおじさんたちを、うらやましいなぁと思っていました。ここ府中でチャンス到来。
きれいなビルの1階にある日高屋に入ってメニューを開くと、「生ビール祭り」開催中! 一番搾り生中330円が、なんと290円だぞ、わっしょい。
メンマ&キムチ&やきとり盛り合わせ300円、銀杏オリーブオイル漬け190円、とうもろこし香り揚げ190円。これだけ頼んでも1000円未満。日高屋で昼飲み、ハマりそう。

府中では、たくさんのお祭りに出会えました。
7月には「すもも祭」、9月には「くり祭」もあるみたいです。すももやくりのお神輿をかついだり、すももやくりを街じゅうで投げ合ったりするのでしょうか。期待が高まります。

*きょうの昭和*
府中刑務所製のコインケース。猫がボクシングしてます。仕切りもあってとても便利です。
*きょうのごはん*
府中競馬場の西門近くに立ち並ぶ呑み屋にて、お昼ごはんにビールとからあげ。オケラ街道というそうです。

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山田マチ『ひとり暮しの手帖』

実家をはなれて、およそ20年。 これまでも、きっとこれからも、ひとり暮し。 ここには、ひとり暮しのいろいろなことを書きつけます。 このなかのどれかひとつくらいは、あなたの心に届くかもしれない。 いや、ぜんぜん届かないかもしれない。 そんなふうな、 これは、ひとり暮しの山田の手帖です。

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