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ほかに誰がいる

2019.07.17 更新 ツイート

#5 おとうさん…破滅へ向かう少女の恋朝倉かすみ

ほかに誰がいる? わたしの心をこんなにも強くしめつける存在が。憧れのひと、玲子への想いを貫くあまり、人生を少しずつ狂わせていく16歳のえり。玲子――こっそりつけた愛称は天鵞絨(びろうど)――への恋心が暴走する衝撃の物語を、冒頭から抜粋してお届けします。ヤミツキ必至!大注目作家の話題作。

*   *   *

5


齧(かじ)りかけの林檎(りんご)のマーク。机の上に、ノートパソコンがのっている。

「おとうさんがね、もう、いらないからって」

天鵞絨がいった。

「ポラロイドもそうだったよね」

林檎のマークに触れながら、わたしがいった。

「新しいもの好きなんだよ、あのひと。メカっぽいの、好きでね。子どものおもちゃとおんなじ。すぐ、飽きちゃうんだ」

「おとうさん、なにやってるひと?」

「病院関係」

「医者?」

「そんなとこかな」

 

(写真:iStock.com/Ales_Utovko)

朝倉かすみ『ほかに誰がいる』

ほかに誰がいる? わたしの心をこんなにも強くしめつける存在が……。憧れの“あのひと”への想いを貫くあまり、人生を少しずつ狂わせていく16歳のえり。淡い恋心が暴走する衝撃の恋愛サスペンス。

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ほかに誰がいる

女友達への愛が暴走し狂気に変わる……衝撃のサスペンス

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朝倉かすみ

北海道生まれ。北海道武蔵女子短期大学卒業。二〇〇三年「コマドリさんのこと」で第三七回北海道新聞文学賞、〇四年「肝、焼ける」で第七二回小説現代新人賞を受賞。著書に、『田村はまだか』(第三〇回吉川英治文学新人賞、光文社)、『満潮』(光文社)、『てらさふ』(文藝春秋)、『植物たち』(徳間書店)、『平場の月』(第三二回山本周五郎賞、光文社)などがある。

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