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北極かえるのコモンロー日誌

2019.06.12 更新

やっとカナダの永住権が取れました吉村静

2019年1月、カナダ議会は、今後3年間で100万人以上の移民を受け入れる計画を発表しました。20年には36万人、21年には37万人の永住者を新規に受け入れる計画だそうです。(CNN.co.jp「移民歓迎のカナダ、3年間で100万人超の受け入れ表明」)。そんな移民大国カナダのユニークな制度「コモンロー」を利用し、今年永住権を取得したひとりの日本人女性がいます。「自然に囲まれた土地で、自分らしく生きたい」と日本を飛び出し世界中を旅したすえに、彼女はなぜカナダを選んだのか? 「知られざるカナダ」をお届けする連載、スタートです!

幻冬舎plus読者のみなさまはじめまして!北極かえること吉村静と申します。新潟生まれのランナーで、走歴は約25年です。いつも大きな口で微笑んでいることから「かえる」を基調としたあだ名で呼ばれています。2014年にカナダへ渡り、そこで現在の「コモンロー・パートナー」、アメリカ人でありエストニア人であるルイスに出会いました。その後一緒に世界を旅する中で、ふたりが自分らしく生きていける場所としてカナダを選びました。はるかカナダでの暮らし、またコモンローって何? 等々を私たちのズッコケ具合とともにお届けします。どうぞよろしくお願いします!

* * *

2019年1月、私とルイスはようやくカナダへ戻ってきた。

意外にあっさり帰ってきたような気もする。けれど振り返ってみれば、永住権取得までの道のりは楽ではなかったし時間もかかった。世界を旅しながら申請していたから書類をそろえるのは一苦労だったし、提出もエアメール。小さな図書館のパソコンに何日もへばりついていた日もあった。

ただ、すごいドラマだったか? と言われるとそうでもないし、提出するものを提出した後は「これにて心配とはおさらばっ!」と、インドをぷらぷら旅しながら結果をのんびり待っていた。

遡ること2014年。私は4年間勤めたランニング関係の出版社を辞め、ワーキングホリデーのビザでカナダの地に足を踏み入れた。雪があって、大きな自然がそばにあるところで暮らしてみたい。そんな思いで選んだ都市、バンクーバーがその後の私の人生をぐわんぐわんに揺さぶり、こうしてカナダに永住することになるとは思いもしなかった。

カナダで住んだシェアハウス。そこで出会ったのが、現パートナーのアメリカ人・ルイスだ。

会ってすぐに意気投合し……と言いたいところだが、パートナーと呼び合うまでには実は時間がかかっている。

というのも、日本のようにまずは「好きだ」と告白してから「彼氏・彼女」になって付き合いが始まるのとは違い、「本当にいろんなことひっくるめてマジで好きなんか?」みたいな期間がこちらにはある。というか私とルイスの間にはあった。

一緒に出かけたり、生活を営んでいく上でお互いを認め合い、そこで初めて人生のパートナーとなった。正確な契りを交わすセレモニーもなかったため、5年一緒にいるという事実があるだけで、私たちに正確な「付き合って何年」みたいな記念日はない

渡航してから2年、カナダに滞在したけれど、さすがにもうビザを延長するのはまずいと思い(南米旅行から帰ってきた時に、カナダ国境で職務質問されたのだ!)、2人でニュージーランドにワーキングホリデーに行くことにした。

この時すでに、ルイスは先にカナダの永住権を申請していた。彼はアメリカ人だけどカナダの大学を卒業していて、就労歴も十分あり、カナダ公用語の英語とフランス語もペ~ラペラ。ということで申請条件を満たしていたのだ。

「そんじゃ、あたしゃ一体どうすりゃキャナダに帰れるんじゃ~い!」

出口が見つからず悶々としながら情報収集をしていたところ「コモンロー・パートナー」という制度があるのを思い出した。昔、友人がちらっとそのことについて話してくれたのだ。それは簡単にいえば、永住権保持者となったルイスに、私のスポンサーになってもらって移民するという方法。

そうだ、その手がある。ズバリだ、と思った。

「コモンローって何?」という話を進めていく前に、「っていうかそもそも永住権ってなんぞ?」という話をしたい。

永住権とは、滞在している国に永続的に住んだり、働いたりすることができる権利のこと。カナダの永住権は5年ごとに更新が求められていて、今の制度では永住権の所得後5年のうち、730日以上(つまりだいたい2年)カナダに住んでいることが証明できれば、更新していくことができる。

私が永住権を申請しようと動き始めた2017年時点では、5年のうち3年間の滞在が更新のルールだったので、現在は1年短くなっている。ということはさらに移民しやすくなっているのかなと考えた(実際そんなことはなかったんだけども!涙)。

それじゃ何が「市民権」と違うの? というと、市民権は、

・カナダのパスポートを取得できる。
・選挙権が与えられる。
・政府官僚系の職に就くことができる。

という違いがある。つまり、永住権には「選挙権」がない。逆にそれ以外はカナダ人と同じ制度が適用されるということ。国民健康保険や年金制度も受けられて、公立の学校にも行けるし、就労や就学もカナダ全土でできるのだ! 

では、市民権をとったらいいのでは? と思われるかもしれない。しかし残念ながら今の日本の法律では、日本人は多重国籍が認められておらず、2つ以上の国の市民権が持てないのだ。カナダの市民権を取得することは同時に日本国籍を放棄することになる。そんなのできるかーーーい! 私の生まれたジャポンでっせ! と。

しかしお隣の国、アメリカは多重国籍が認められている。だからルイスは、今後カナダの市民権も取得する予定だ。実は彼、バルト三国のエストニアの市民権も持っているので、カナダの市民権が取れたらパスポート3つ持つことになる。って、どういうこっちゃねん。なんかフェアじゃないなぁ。

ルイス。多言語を操る英語教師

そんなわけでわたしは、日本国民のまま「コモンロー」としてカナダの永住権を取得しカナダで暮らす! というのが今現在のベストという考えに至ったのであります。

でも何かやっぱりひっかかる。そもそも「国境」ってなんなんじゃい、と……地球みんな友達じゃないんかい……そんな気持ちが拭えないわけでもない。国籍も性別も暮らし方もみんな違うけれど、そもそもみんな地球人である。何でこんなにややこしいんだろう? 鳥たちは国境をあっさりと越えていけるのに。不思議である。

ということで前置きが長くなりましたが、現在は無事にカナダの西側、バンクーバーで生活しています。時差は日本と比べて16時間(遅く)、気温は20度です。

つい先日、永住権カードも手元に到着しました! ジャジャーン!

次回からは、具体的に「コモンローってどんな制度?」ということについてお話ししていきたいと思います! 

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コメント

荒木 敦久  RT @gentoshap: 新連載始まりました。「自然に囲まれた土地で、自分らしく生きたい」と日本を飛び出し、カナダへ… リアルな情報満載。〔相〕 やっとカナダの永住権が取れました|北極かえるのコモンロー日誌|吉村静 - 幻冬舎plus https://t.co/wqFqB… 3日前 replyretweetfavorite

幻冬舎plus  \昨日の急上昇連載3位/ やっとカナダの永住権が取れました|北極かえるのコモンロー日誌|吉村静 https://t.co/wqFqBUysiB 4日前 replyretweetfavorite

山本将也  やっとカナダの永住権が取れました|北極かえるのコモンロー日誌|吉村静 - 幻冬舎plus https://t.co/EzVhAtGm4A 5日前 replyretweetfavorite

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あいあい  やっとカナダの永住権が取れました|北極かえるのコモンロー日誌|吉村静 - 幻冬舎plus https://t.co/TSO4cTXl7w おめでとうございます。ここでひっかかるのは、日本の「許さない、多重国籍」。 5日前 replyretweetfavorite

幻冬舎plus  [NEW] やっとカナダの永住権が取れました 吉村静 https://t.co/GhZ3HdA2WG 5日前 replyretweetfavorite

幻冬舎plus  RT @beberiberibari: 「バンクーバーのヌーディストビーチで開催される裸のランニング大会Bare Buns Run2014年大会女子の部優勝」という経歴の迫力よ! やっとカナダの永住権が取れました|北極かえるのコモンロー日誌|吉村静 - 幻冬舎plus htt… 5日前 replyretweetfavorite

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林けいこ  やっとカナダの永住権が取れました|北極かえるのコモンロー日誌|吉村静 - 幻冬舎plus https://t.co/BI7D1VPJTa 6日前 replyretweetfavorite

新潟発!! 地域情報サイト「ミンツ」  やっとカナダの永住権が取れました|北極かえるのコモンロー日誌 https://t.co/MyyOfUREFn ※新潟県長岡市生まれのランナー... 6日前 replyretweetfavorite

北極かえるのコモンロー日誌

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吉村静

1987年、新潟県長岡市生まれのランナー。走歴25年。ランニング雑誌の出版社に勤めた後にカナダへ渡り、トレイルランニングやハイキング、日々のお散歩に没頭する。カナダで2年過ごしたのちに南米やニュージーランド、インドなど様々な国で写真を撮りながら旅をする。2019年からカナダの永住権を取得し、現在はバンクーバーで暮らす。トレイルランニング用品専門店Run Boys! Run girls!のウェブにてアウトドアスポーツのある生活を綴る「Tip of the iceberg Newspaper」という名のブログも更新中。バンクーバーのヌーディストビーチで開催される裸のランニング大会Bare Buns Run2014年大会女子の部優勝。

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