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笑えて、泣けて、するする頭に入る!超現代語訳 幕末物語

2018.08.09 公開 ツイート

幕末エピソード8

このとき時代を大きく動かしたのは「ある嘘のウワサ」だったって、知ってた!? 房野史典

知ってましたか?
なんと時代は、あるウワサ、それも”嘘のウワサ”で、動いてしまったんです!
……と、こんなときに、時代の真ん中にいるのが、あの男。
西郷隆盛。

幕末、どんどん面白くなっていきます。
面白さがとまりません!
もう、一気に読みたい~~~!!!

そんな人のために『笑えて、泣けて、するする頭に入る 超現代語訳 幕末物語』は、8月23日に発売です!

*   *   *

 スレ違い、カン違い、ウソ、ケンカ。
 コメディでもラブストーリーでも100点 


 幕末エピソード8、いきますよ。
 そしておさらいいきます。

 ズタボロ経済で、庶民にまで尊王攘夷広まる。
   ↓
 安藤さん《公武合体》頑張る。
   ↓
 家茂ちゃんと和宮さんの結婚決まる。
   ↓
 尊攘派からちょー反感買う。
   ↓
 うたさんの《航海遠略策》注目を集める。
   ↓
 安藤さん襲われる&"あるウワサ"のせいで《公武合体》ダメになる。

 "あるウワサ"の正体をお伝えするので、ちょっとだけ時計の針を戻しますね。
 幕府、朝廷、長州藩で、《公武合体》がまだトレンド入りしてる頃、

薩摩「長州に先越されてる場合じゃなくね!? オレたちなりの『公武合体』見せてやる!!」

 てことで、薩摩藩が動きます。
 その指揮をとったのは、藩主・島津忠義……じゃなくて、父親の
 島津久光。
 薩摩の実権は、忠義のパパ・久光が握っておりました。
 で、このパパ光がやろうとしたのも公武合体。その方法がこちら。
 兵を引き連れて京都行く。→ 朝廷から「おい幕府! 改革しろ!」っていう勅命(天皇の命令)もらう。→ 勅命と兵力でプレッシャーかけて、幕府を改革させる。→ あれ、これって朝廷がリードする形で2つが繋がってない? →めでたく公武合体じゃん!
 てな作戦なんですが、「兵を引き連れて京都行く……」っていうこの感じ、どこかで見た気がしませんか?
 そうです。パパ光の兄・斉彬さんが計画して、志半ばでぶっ倒れたあのクーデター、《率兵上京計画》です(エピソード5だよ)。
 パパ光は斉彬さんの遺志を受け継ぎ、天国の兄のために、どうしてもこの計画を実現させたかった……というわけじゃなく、

パパ光「これで国の政治に関わってやるからな! 《公武合体》成功させて、都会デビューだ!!」

 という、自分の野心のためだったんですけどね(この説強め)。
 パパ光は、とにかく公武合体をキメるため、家臣の小松帯刀(こまつたてわき。この人も有名よ)さんや、そばで仕えるようになった、大久保利通さんと、
 率兵上京計画の準備を頑張ります。そんな中、

大久保利通「この上京計画には、"朝廷と交渉した経験"を持つ人が必要だと思います!」
パパ光「今いるメンバーで大丈夫だろ」
大久保「西郷さんです! 彼には斉彬さんの上京計画のときの実績があります! 奄美大島から呼び戻しましょう!」
パパ光「……オレの言葉をスルーしたのはワザと? それとも天然?」

 大久保さんからモーレツなプッシュが入り、西郷さんが約3年ぶりにカムバック。
 すぐ上京計画が伝えられるんですけど、ここでいきなり一波乱です。

パパ光「亡き兄の《率兵上京計画》を実行することとなった、よろしく頼む。まずは朝廷……」
西郷「やめた方がいい」
パパ光「……………え?」
西郷「斉彬公が上京しようとしていたときとは状況が違うし、今は公武合体が最善の策とも思えない。それに、大軍を連れて上京することによって"ヤバいこと"が起こる気がする……。ですので、計画は中止してください」
パパ光「……………まぁ、そんなこと言わず…」
西郷「お話を聞いた感じでは、準備も十分じゃない。甘すぎる」
パパ光「…………いや…」
西郷「それに、パパ光様は薩摩じゃエラいかしんねーけど、これといった地位や役職があるわけじゃない。藩を出たら、ただの"一人の武士"だ。他の大名との付き合いもねーから、改革なんてうまくいくはずがない」
パパ光「………でも…」
西郷「パパ光様は田舎者なんで、京都行こうが江戸行こうが、何にもできない」
パパ光「……」
西郷「あんたは斉彬公に比べて人望がねーし、器が小っちゃすぎんだよ」
パパ光「……(あーキレるタイミング逃してるわー。とりあえず……なんじゃコイツ! )」

「あんたは人望がねーし、器が小っちゃすぎんだよ!」
(写真:iStock:tverkhovinets

 2人のムードは最高潮。
 もちろん、険悪な方で、です(諸説ありますが、西郷さん、ガチでこんなようなこと言ったらしいす)。
 しかし、なんっとか大久保さんが2人を説得。どうにかこうにか西郷さんのプロジェクト参加が決定します。
 光の速さで仲の悪くなった2人ですが、これ、プロローグです。
 見といてください、このあと犬猿レベルがマックスになる事件が起こるんで。
 もっと言えば、その事件を引き起こしたのが"あるウワサ"の正体です。
 事の発端は、パパ光が西郷さんに出した命令から。

パパ光「西郷! 薩摩以外の九州が今どんな感じか、先に行って見てこい。そのあと"下関"で、オレらの到着待ってろ!」

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笑えて、泣けて、するする頭に入る!超現代語訳 幕末物語

歴史大好き芸人・ブロードキャスト!!の房野史典さんの初めての本『笑って泣いてドラマチックに学ぶ 超現代語訳 戦国時代』は、面白すぎてヤバイ!ととても話題になりました。発売になると、有名な歴史の先生方も「こんなに面白く読ませるなんて!」と大絶賛でした。
その房野さんが、今回「幕末」を面白く書いた!
幕末は、戦国時代以上に、日本中で”怒涛の人間ドラマ”だらけ。その分、ややこしくもあるのですが、房野さんに任せれば、とても楽しい面白読み物に!

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房野史典

1980年、岡山県生まれ。名古屋学院大学卒業。お笑いコンビ「ブロードキャスト!!」のツッコミ担当。無類の戦国武将好きで、歴史好き芸人ユニット「ロクモンジャー」を結成し、歴史活動にも意欲的。子どもたちに歴史の面白さを教える授業も好評。初の著書『笑って泣いてドラマチックに学ぶ 超現代語訳 戦国時代』でブレイク。その他の著書に、『笑えて、泣けて、するする頭に入る 超現代語訳 幕末物語』『時空を超えて面白い! 戦国武将の超絶カッコいい話』など。

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