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笑えて、泣けて、するする頭に入る!超現代語訳 幕末物語

2018.08.19 公開 ツイート

幕末エピソード13

坂本龍馬=イケメンってイメージが強いのって、どうして? 房野史典

やっぱり坂本龍馬が出てくるとあがる~!ドラマ「西郷どん」で、小栗旬さんの龍馬に毎週、目がハートです(by担当編集者)。
幕末のダントツの人気者といえば、坂本龍馬。
薩長同盟、結ばれるよー。
龍馬、見せ場中の見せ場だよー。
実際、龍馬さん、どんなことしてたの?
やってること、めっちゃ、現代風!
しかし、福山雅治さんが龍馬役だったこともあるし、今回は小栗旬さんだし、ほかにもたくさんいましたが、坂本龍馬=イケメンってイメージが強いですよねえ。なんででしょう。

 勇者と魔王が手を組んだ


 幕末エピソード13はこんな感じでございます。
 の前におさらい!

 幕府が長州ボコボコにしようとする。《第一次長州征討》
   ↓
 西郷さん、攻撃したくないから条件出す。
   ↓
 長州のゾクロン派はちゃんと従う。
   ↓
「ざけんな!」って晋作大暴れ。で勝つ。《功山寺挙兵》

 第一次長州征討がムチャクチャ不発に終わった幕府は、

幕府「ぬるい!! 長州をもっとバチバチにシバかないと。もう一回攻めるぞ!」

 てなテンションで、“第二次”を起こそうとします。
 しかし、この行為にみんな(いろんな藩)ドン引き。
「えー……長州謝ったじゃん……。戦うってなに? 幕府スベってねーか?」
 こんな声がチラホラ聞こえてくるようになります。
 そんな状況でセツジツに望まれたのが、
 《雄藩連合(強ぇー藩と強ぇー藩のドッキング)》。
 あちこちで「雄藩が手を結んで、幕府を倒しちゃった方がいい!」という話題で持ちきりになるわけです。
 そして、手を結んで欲しいランキング第1位はやっぱり、
 薩摩✖️長州。

 ・どちらも中央政治をリードした経験がある藩だから、これ以上の組み合わせはないと思います(男性/30代/藩士)
 ・人材も豊富だし、関ヶ原のとき西軍だったって共通点もあるし、最高です!(男性/20代/志士)
 ・アガる(男性/50代/家老)

 こんな意見がわんさか(想像す)。
 しかし、全員最後には、「でもな……」というつぶやきのあと、一拍置いて共通の言葉が続きます……。
「仲悪ぃんだよなーーー!!」
 そう、仲悪いんです。 

薩摩くんと長州ちゃん。「仲悪ぃんだよなーーー!!」
(写真:iStock/Sjale)

 何度も薩摩と会津に行く手を阻まれ、仲間も志も八つ裂きにされた長州。
 薩摩・会津に対する長州の強烈な憎悪は、そんじょそこらのもんじゃありません。
 長州藩士は履物に、
『薩賊会奸(さつぞくあいかん。「薩摩も会津も最低最悪なヤツら」って感じのディスり)』
 って書いて、それを踏みつけながら歩いてたほど……。
 で、薩摩も長州のことをそれなりに嫌ってます。
 薩摩と長州が手を結ぶ……漫画なら、昨日まで敵だったアイツが主人公に力を貸して、新たな敵に立ち向かうという読者全員トリハダシーン。
 しかし、現実は甘くなかった。
 2つの藩の遺恨は、それほど根深かった。
 そんなもの、誰もが夢物語だと思った。
 それでも薩摩と長州の同盟を心の底から願い、本気で実現しようとした男たちがいた(プロジェクトえーっくす)。
 中岡慎太郎(なかおかしんたろう)
 土方久元(ひじかたひさもと)

 そして、
 坂本龍馬(さかもとりょうま)。
「やっと出てきた!!」って感じの大人気幕末志士ですね。

 では、龍馬が薩摩と長州に絡んでくるまでを、ことさら雑に紹介しときます。
 坂本龍馬。
 天保6年(1835年)土佐藩(高知ね)生まれで、姉“乙女”のスパルタ教育ですくすく育つ。
 育ったら、親友の(遠い親戚でもある)武市半平太が結成した《土佐勤王党》に参加して、尊王攘夷バリバリの若者に成長するけど、

坂本龍馬「なーんか、チゲーな……」

 土佐勤のやり方に違和感バリバリになり、土佐にいたんじゃ「自分のやりたいこともできねー」ってことで、仲間と一緒に脱藩(完ペキな理由はわかってないよー)。
 土佐出て、当時一流と呼ばれた、松平春嶽、横井小楠、大久保一翁とかと、どんどん交流を重ねていく龍馬に、センセーショナルな出会いが到来します。その人物が
 勝海舟。

龍馬「あんたが勝海舟か?」
勝海舟「なんだ殺気立ってんな。オレを斬るのは、話を聞いてからでも遅くねぇだろ」

 攘夷派の龍馬は、勝さんを斬るつもりだったけど、外国がいかにすごいかを説明され、

勝「だから貿易をして、資金力を作って、その金で“日本の海軍”をつくるべきなんだ」
龍馬「先生ーーーーー!!」

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笑えて、泣けて、するする頭に入る!超現代語訳 幕末物語

歴史大好き芸人・ブロードキャスト!!の房野史典さんの初めての本『笑って泣いてドラマチックに学ぶ 超現代語訳 戦国時代』は、面白すぎてヤバイ!ととても話題になりました。発売になると、有名な歴史の先生方も「こんなに面白く読ませるなんて!」と大絶賛でした。
その房野さんが、今回「幕末」を面白く書いた!
幕末は、戦国時代以上に、日本中で”怒涛の人間ドラマ”だらけ。その分、ややこしくもあるのですが、房野さんに任せれば、とても楽しい面白読み物に!

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房野史典

1980年、岡山県生まれ。名古屋学院大学卒業。お笑いコンビ「ブロードキャスト!!」のツッコミ担当。無類の戦国武将好きで、歴史好き芸人ユニット「ロクモンジャー」を結成し、歴史活動にも意欲的。子どもたちに歴史の面白さを教える授業も好評。初の著書『笑って泣いてドラマチックに学ぶ 超現代語訳 戦国時代』でブレイク。その他の著書に、『笑えて、泣けて、するする頭に入る 超現代語訳 幕末物語』『時空を超えて面白い! 戦国武将の超絶カッコいい話』など。

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