一日一冊読んでいるという“本読み”のアルパカ内田さんが、幻冬舎の刊行作品の中から「今売りたい本」を選んでレビュー。さらに“POP職人”としての腕を振るって、手描きPOPも作るコーナー。
今月のオススメはこちらです!
また、幻冬舎営業部の人気者・コグマ部長が新刊の中からセレクトする、アルパカ内田さんへの「オススメ返し」もあわせてお楽しみください!
【元カリスマ書店員でPOP職人のブックジャーナリスト
アルパカ内田さんが今、売りたい本】
第61回 カツセマサヒコ『憂鬱な恋の忘れ方』
皆さん、こんにちは。いまだカツセない読書が好きなアルパカ内田です。
なんと鮮烈な物語なのだろう。バーチャルな推し活、マッチングアプリ。人間関係が希薄になっている今、恋愛事情にも大きな変化が訪れている。そんな時代に登場した本書は、あまりにも狂おしく、目が覚めるような高揚感を与えてくれ、全身が焦がれるようなヒリついた小説世界を体感できる。
どうしても会いたい。分かりあいたい。人間が潜在的に持つもっともシンプルな気持ちは、誰かを愛し、愛されたいという、切なる思いではないだろうか。理屈ではない、動物的本能のような剝き出しの感情の発露である。言葉の呪縛に囚われて本音が言えない現代だからこそ、こうした生々しい血の通った物語が新鮮に感じるのだ。
一生に一度の恋模様、その凄まじい道行きに胸を激しく締めつけられる。運命的な邂逅に戸惑うココロとカラダ。一筋縄ではいかないからこそ、真実の愛は燃えあがる。交錯する希望と絶望。圧倒的な懊悩と葛藤、そして混乱。不器用でも、ただ一途に貫かれる情熱。これが人間臭くてたまらない。
透明感溢れる心象風景の描写も映像的であり、実に見事で唸らされる。「人でも殺しそうなほど鋭く尖った三日月」のような印象的なセリフやシーンも豊富で、読後いつまでも強烈な刺激が消えない。全編読みどころだらけだが、とりわけラスト二ページは白眉。こぼれ落ちる涙をぬぐいながら何度も繰り返し読んだ。この一冊は間違いなく読む者の血肉となるはず。恋愛小説の極致がここにある。

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アルパカ通信 幻冬舎部

元カリスマ書店員で、POP職人でもある、ブックジャーナリストのアルパカ内田さんが、幻冬舎の新刊の中から、「ぜひ売りたい!」作品をピックアップ。
書評とともに、自作の手描きPOPも公開。
幻冬舎営業部のコグマ部長からの「オススメ返し」もお楽しみください!
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