一日一冊読んでいるという“本読み”のアルパカ内田さんが、幻冬舎の刊行作品の中から「今売りたい本」を選んでレビュー。さらに“POP職人”としての腕を振るって、手描きPOPも作るコーナー。
今月のオススメはこちらです!
また、幻冬舎営業部の人気者・コグマ部長が新刊の中からセレクトする、アルパカ内田さんへの「オススメ返し」もあわせてお楽しみください!
【元カリスマ書店員でPOP職人のブックジャーナリスト
アルパカ内田さんが今、売りたい本】
第60回 今村翔吾『未だ本能寺にあり』
みなさん、こんにちは。小五(翔吾)の時から歴史好きのアルパカ内田です。
「本能寺の変」、絶頂期にあった織田信長が、まさか重臣・明智光秀の裏切りによって天下統一の道を閉ざされるとは。日本史上における最もショッキングな出来事なのだが、その実態は未だに藪の中である。
火焔に包まれた現場から、信長の亡骸は見つからない。いったい何処に消えてしまったのか? 生きているという噂も流れている。仇を討ちながらも、主君の行方を誰よりも早く知りたい羽柴秀吉。その命を受けた駒井八右衛門が、得意の記憶力を駆使し、並々ならぬ執念で信長の消息を追いかける。
あの日、本能寺で何が起きていたのか? 謎解き役である八右衛門は、訳ありの武者、女房衆、黒い肌の異人武士といった関係者たち八人を順番に訪れ、新たな証言を得ていく。膨らむ疑惑、次第に浮き彫りになる事件の核心。さらに人生最大のピンチと対峙した信長の、大胆にして繊細な思惑も見えてくる。これは手に汗握る第一級の群像劇にして、時代を読み解く醍醐味を味わえる圧巻の歴史ミステリーだ。
とりわけ衝撃のラストは鳥肌もの。スリリングな展開に胸の鼓動が高まり、ついに解き明かされた事件の真相に涙が止まらなかった。「本能寺の変」はこれまで数多の作家たちが挑んできたが、本書が決定版なのではないか。信長もきっと成仏できたと思う。長きにわたって人々を惑わせ続けてきた禁断の扉をこじ開け、歴史小説の新たな頂に登りつめた今村翔吾という作家は凄みさえも感じさせる。恐るべし。

アルパカ通信 幻冬舎部

元カリスマ書店員で、POP職人でもある、ブックジャーナリストのアルパカ内田さんが、幻冬舎の新刊の中から、「ぜひ売りたい!」作品をピックアップ。
書評とともに、自作の手描きPOPも公開。
幻冬舎営業部のコグマ部長からの「オススメ返し」もお楽しみください!
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