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あなたとわたしの生存確認日記

2026.10.04 公開 ポスト

二度と経験したくない懐かしさ(9月14日)―「いかに山をつくらないか」燃え殻

2026年9月14日

最近、仕事がはかどるカフェを、虎ノ門に見つけた。近くにはエリックサウスもある。カフェで原稿を書き、ランチはエリックサウスへ移動する。

五箇さんから、エリックサウスを作った人が通っている居酒屋が、大塚にあると聞いたのに忘れてしまった。今度聞かなければいけない。エリックサウスのビリヤニは、コンビニで見つけたら買うようにしている。

銀座線の虎ノ門駅にあるちょっと怖い壁画。
 

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先ほど打ち合わせが終わり、諸々のスケジュールを確認したところ、来年は六、七冊の本を刊行する可能性があることが判明。本当によくないと思っている。

一冊ずつ、ちゃんと間隔をあけて出したい。宣伝もしたいし、イベントもしっかりやりたい。ちょうどいま読んでいる、元TBSラジオプロデューサー、橋本Pの本にも、「いかに山をつくらないか」ということが書かれていた。本当にそのとおりだと思う。だというのに、来年のスケジュールには、すでに山脈ができつつある。「危ない」とわかっていながら、その山に突っ込んでいこうとしている。悩み中。

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昨日、寝る前にNetflixで、なんの気なしに東出昌大さん主演のドラマを観ていたら、極悪非道な役で山中崇さんが登場した。思わず、上体を起こした。「おお……」と。

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池尻大橋で、担当編集者と打ち合わせをしながら、目の前で原稿を書き、読んでもらう、というスクランブル態勢に入った。

「できました」と言って、目の前の担当編集者へ、メールで原稿を送る。しばし、先方が読む時間になる。そのあいだ、こちらは、ズズズとウーロン茶を飲んだりする。

「んんっと、はい……。はいはい」なんとも煮え切らない返事を受けて、「あれ、ちょっと違うかな……」などと言いつつ、直してまた送る。さらに直してまた送る。その繰り返しで、日が暮れる。

***
小説『ボクたちはみんな大人になれなかった』の、最後の詰めの詰め作業は、渋谷のサイゼリヤでやった。朝一番で店に入り、朝食を食べながら原稿を直し、目の前にいる編集者へメールで送る。

「うーん。なぜ、こうしました?」そう訊かれ、「あれ、違います?」と聞き返すと、「いや、なぜかって聞いただけです」などと言われたりした。

サイゼリヤでランチを食べ、ディナーを食べ、原稿を直した。最後の詰めの詰め作業は、それを三日間つづけた。

懐かしい。二度と経験したくない懐かしさ、というものがあるんだな、としみじみ思う。

どれもこれも、なかなか終わらず。ただただがんばるしかない。

 

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(アイコンイラスト:大橋裕之)

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燃え殻

1973年生まれ。2017年『ボクたちはみんな大人になれなかった』で小説家デビュー。同作はNetflixで映画化、エッセイ集『すべて忘れてしまうから』はDisney+でドラマ化、『湯布院奇行』が朗読劇化(原作)、『あなたに聴かせたい歌があるんだ』がコミック化とHuluでドラマ化(原作と脚本)された。著書に小説『これはただの夏』、エッセイ集『それでも日々はつづくから』『ブルー ハワイ』『愛と忘却の日々』ほか多数。

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