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次元上昇日記

2026.09.15 公開 ポスト

2026年9月14日 現代アートの力辛酸なめ子

現代アートに特化した国際アートフェア、Tokyo Gendaiに金曜夜に行ってきました。あいにくの天気ですが、こういう日こそ屋内でアートと向き合いたいです。こちらはシャンパンの会社ペリエ ジュエと提携しているので会場内でシャンパンを買って飲みながら優雅にアート鑑賞できます。1杯約2000円だそうで、私はまだ買う勇気がないですが……。気が大きくなってアート作品を買いたくなるかもしれません。

 

世界中のギャラリーから来た方々のこなれファッションを拝見するのも楽しみです。フランスのギャラリーは黒い服が多い印象で、ニューヨークはスーツでフォーマル感が。ロンドンの人は黒いワンピースにシャツを羽織っていました。台湾のギャラリーの女性がドレッシーなワンピースだったのも印象的でした。オランダの男性のギャラリストは2人ともすごい高身長で目立っていました。海外では上流階級の人が働くイメージで、憧れの仕事の一つです。
今回、抽象画が結構多かったように思います。世の人々は常にAIが作った画像に疲れて、コンピューターによる法則性から離れたくなって、真逆の人間の筆跡が残る抽象画に惹かれるのでしょうか。美術館の企画展だと社会問題に絡めた小難しい作品が多くて理解できないと焦燥感にかられますが、このTokyo Gendaiに出ている作品は、大金持ちが家に飾りたくなるような高揚感や、映え、癒しをもたらしてくれる作品が多いです。
もし経済的に余裕があって買えるとしたら、観て癒されて運気が上がる作品が買いたいです。

 

LAのギャラリーに出ていた、海と空の色のグラデーションが美しい写真などに心が惹かれました。グレン・ウェクスラーの作品です。

モンゴルの大草原で育ったサルチョード・イルの、木彫りの馬や狼の彫刻も、動物への素直な愛を感じました。オオカミは天国に連れて行ってくれると言い伝えられているそうです。それを聞いて、エジプトのアヌビスを連想しました。
ミヅマアートギャラリーの大理石を磨いたパワーストーンの作品や城をモチーフにした細密画、カイカイキキギャラリーの癒し系の絵画など日本のギャラリーもバラエティー豊かです。
今年はやはり中国人が少なくて、いい作品がひしめいているので購入して経済を回してほしかったです。

ロンドンのギャラリーのブースに、マリーナ・アブラモヴィッチの作品があって、カリスマの作品をここで拝見できるとは感慨深いです。かつて血液を使った「スピリット クッキング」などで物議を醸したお方。グロテスクな作品は時には悪魔崇拝と言われることも。DSアート的な作風にゾクゾクします。
今回は、動画をいくつかモニターに映し出していて、それが蛇やサソリ、タコがアブラモヴィッチさんの顔や首を這いずり回るというもの。やはり一貫していますね。本人は肝が据わっているので無表情です。そして今年80歳とは思えないほど若い見た目で、やはり何かの儀式で……と陰謀脳で考察したくなります。
隣のモニターで人々が彼女に手を差し伸べている救世主風動画が流れていて、手のひらをこちらに向けていたので、手相を見たら、素人でも異様な手相に感じられました。頭脳線の起点が3つくらい枝分かれしていたり、手のひらの下半分に白い隆起したものが複数ボコボコと出ていたのも気になりました。動いている映像なのではっきりは見えなかったので、機会があったら静止画で五芒星がないかチェックしたいです。

TAEXギャラリーのスペースにて。マリーナ・アブラモヴィッチの映像作品。世界的な芸術家の作品も間近で見られるのがこのイベントの醍醐味です。

陰謀論をアートで超越していたのは、虎ノ門ヒルズの東京ノードギャラリーで今月27日まで開催されている「トニー・アウスラー:技術と霊知のはざま~魔術、メディア、アート~」でした。観ていたら脳が刺激されて視野が広くなったようです。やはり過酷な地球を生き抜くにはアートの力が必要です。

トニー・アウスラー展で、ミャクミャクを連想させられた、不気味なエクトプラズム風のオブジェで映像のパーツが投影。

 

関連書籍

辛酸なめ子『この人生、前世のせいってことにしていいですか』

心豊かな来世のために、辛酸なめ子は今日も静かに徳を積む。イルカ、天狗、龍の逸話を求め、能力者たちに会いに行く。周波数で健康をチェックし、パワーストーン店で前世診断。癒しを求めて京都、沖縄、出雲を巡り、都市伝説の会にも参加する……。スピリチュアルの最前線を追い続けたその先で彼女が見たものは。クスッと笑える試行錯誤の記録。

辛酸なめ子『次元上昇日記 ベストセレクション50』

「次元上昇」とは? それは「アセンション」のこと。 では、「アセンション」とは何か――? 辛酸なめ子さんにとっては、日々、功徳を積んで善行マイレージを貯め、それがある閾値に達すると得られる高い次元のこと。 本書は、そんな次元上昇をめざす一人の女性が、イベント、パーティ、買い物、仕事……と毎日足を運び、霊的な何かが見えたり、癒されたり、反省したり、試行錯誤する抱腹絶倒の記録です。 この世界の次元は一つじゃない――。 よりすぐりのベスト50をお楽しみください。

辛酸なめ子『次元上昇日記』

毎日のようにセレブやスピリチュアルな現場を取材し続け、どうやったら「次元上昇=アセンション」できるのかを考え続け、「小難しい本を読むより、猫を5分間撫でている方が真理に近付ける」と認識、善行というマイレージを貯めることこそが、個人の次元上昇を達成する方法だと気づく。そのおそるべき試行錯誤、抱腹絶倒の日常記録です。

辛酸なめ子『辛酸なめ子の現代社会学』

辛酸なめ子のフィールドワークは、犯人の足取りを追う老獪な刑事のごとし。正体を突き止められまいと足掻く「現代社会」を、軽やかな妄想と味わい深い漫画を駆使して追い詰めていく。モテ、純愛至上主義、スローライフ、KY、萌え……「ブーム」の名で艶やかに仮装した現代の素顔とは? 前人未到の分析でニッポンを丸裸にした圧巻の孤軍奮闘。

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次元上昇日記

「次元上昇」とは? それは「アセンション」のこと。では、「アセンション」とは何か……。いろいろな意味があるので、ネットを検索してみて下さい。しかし、辛酸なめ子さんにとって、それは日々、功徳を積んで善行マイレージを貯め、それがある閾値に達すると得られる高い次元のこと。この連載は、その善行マイレージを貯め次元上昇をめざす一人の女性の抱腹絶倒、試行錯誤の記録です。

バックナンバー

辛酸なめ子

近著に「スピリチュアル系のトリセツ」(平凡社)、「電車のおじさん」(小学館)、「無心セラピー」(双葉社)、「新・人間関係のルール」(光文社新書)、「女子校礼讃」「辛酸なめ子の独断! 流行大全」(中公新書ラクレ)など。

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