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次元上昇日記

2026.08.28 公開 ポスト

2026年8月27日 蝋燭ヒーリング辛酸なめ子

猛暑の日、駅から遠いところに行くのは想像するだけで気が引けます。良い展示をやっている渋谷区立松濤美術館。「没後50年 髙島野十郎展」が開催されていて9月6日までなので行かなければと思っていました。 髙島野十郎(1890-1975)は、福岡県出身の洋画家。東京帝国大の農学部水産学科出身のエリートなのに画家の道に転向。40歳でヨーロッパに行き、そこでも絵の腕を磨きました。知的で緻密な写実的な油彩画は、見る人を引き込むような吸引力があります。 彫刻家の叔父が生きていた頃、髙島野十郎の代表作である蝋燭の作品のことを教えてくれてから、気になっていました。覚悟を持って渋谷駅からバスに乗り、バス停からしばらく歩いて美術館へ。歩くと15分はかかりますがバスのおかげで体力的に楽でした。ただコミュニティバスで一方向に回るので帰りは歩くしかなさそうです。その現実をしばらく忘れて絵に没頭しました。平日の昼間なのに結構人がいたのに驚きました。グッズも多数展開していて、実は密かに人気のようです。 風景画や人物画などを見ていき、奥の部屋には蝋燭の絵が多数並んでいて、その部屋はありがたいことに撮影可能でした。見ていると心の奥が暖かくなって、本当に蝋燭が灯されたかのようです。 並んでいる蝋燭の絵の年代が表記されていて、やはり若い時に描いた蝋燭は炎が明るい気がします。この蝋燭シリーズは画廊などで売ることはなく、親しい人への贈り物として描かれたそうです。炎を見つめていると、そのゆらぎでイエス・ノーなどがわかるなど、ちょっとした占いもできると言われます。長く伸びた炎は、髙島野十郎にとって自分の才能を確信させるサインになっていたのかもしれません。

 
年代もさまざまな蝋燭の絵。個人蔵と書かれていて、髙島野十郎と親交がある人々が大事に保管していたのでしょう。

見ていると本当に炎の輝きを感じ、胸が熱くなってきます。可燃性の画材などがある中、炎を描くのはチャレンジャーでもあります。

ストイックな髙島野十郎とは正反対ですが、先日知り合った若い美女に、芸能人のナンパの手口を聞きました。芸能人はインスタのDMでかわいい女性を探しているようで……。おそらく同じような手口でナンパしている人は多いのでは、とのこと。 あるとき彼女の写真30枚くらいに「いいね」を連続で押してきた芸能人がいて、彼女もお返しに「いいね」を押したら、DMでメッセージが来たそうです。PRの仕事をしている彼女は何かビジネスに役立てられればと、ビジネスモードでメッセージを送っていたとか。 すると芸能人男性が急にインスタのDMを「消えるメッセージモード」にしてきたそうです。まるでこれからやましい、人に見られたらまずいことを送りますよ、というように。そして「いつ会える?」みたいなメッセージを送ってきたとか。その女性が消えるモードを解除しても、また消えるモードにしてきて、この攻防がおもしろかったので女性はスクショを撮影。すると「○○さんがスクショを撮影しました」と出てしまったのです。男性は、急いで証拠隠滅を図り、メッセージを次々と消去。音信不通になってしまったそうです。このご時世、どこから流出するかわからないので、警戒するのはわかりますが……。 女性は「結局体目的だったのか。軽んじられたようで悲しい」と語っていました。相手が消えるモードにしてきたら、女性は警戒した方が良さそうですね。以来彼女はiPadでスマホのスクショを撮るようにしているそうです。 こんな話を聞いたあと、蝋燭の絵の写真を見返し、心を浄化しました。

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次元上昇日記

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バックナンバー

辛酸なめ子

近著に「スピリチュアル系のトリセツ」(平凡社)、「電車のおじさん」(小学館)、「無心セラピー」(双葉社)、「新・人間関係のルール」(光文社新書)、「女子校礼讃」「辛酸なめ子の独断! 流行大全」(中公新書ラクレ)など。

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