先日、渋谷のLOFT9で「記憶と希望」をテーマにした朗読会がありました。詩を読んだり絶叫したりするのは、世界各地で朗読を続けている歌人の福島泰樹さんと、ミュージシャンで作家で詩人の大槻ケンヂさん、依存症や生きづらさの体験をもとに創作している月乃光司さんで、不肖私と映画監督松本卓也さんが司会として参加いたしました。
福島さんは1943年生まれとは思えない若さで、ふだんはお寺の住職さんをされているそうです。普段からお経や説法などで発声しているから声が明瞭でエネルギーが迸っていました。シャドウボクシングの動きから始まり、永畑さんのピアノの伴奏も素晴らしくて詩の風景が見えてくるようでした。あまりにも言霊パワーが強くて、陰嚢というワードが連発される詩は、脳内からそのビジョンを消すのに苦労しました。声にビブラートがかかっていて、美輪明宏さんの声のような癒しの力も感じました。渋谷の色情霊も成仏させられそうです。
大槻ケンヂさんの歌ではなくて詩の朗読ははじめて聴いたのですが、声の抑揚や間の取り方がさすがで、大槻さんの人生経験も感じさせるディープな世界観が繰り広げられました。即興で合わせるギタリストのタダさんのテクニックにも驚かされました。
月乃さんのご自分の経験に基づいた詩も圧巻でした。引きこもり、醜形恐怖、自殺未遂などを経験され、アルコールなどの依存症になって、自助グループに出会うまでは大変な日々だったそうです。また、自分以外に皆犯罪者という集まりに出たときは、ある人の「男たるもの一生に一度は刑務所に入るべき」という言葉に、思わずコンプレックスを抱いたこともあったとか。いろいろな価値観があるんですね。たしかに「ラヴ上等」を見ているとタトゥーが入っていない男性は意気地なしと思えてくるので恐ろしいです。
その月乃さんの娘さんに送った詩が感動的でした。自分の子どもだから社会に適応できず、引きこもったり、犯罪行為をして刑務所に入ることになるかもしれない。でも刑務所で模範囚になってくれたらそれでいい、というような内容でした。
世の中の親御さんは子どもにいい学校に行けとか大企業に就職をしろと言いがちですが、「刑務所で模範囚になればいい」とまで言われると、お子さん的にはプレッシャーとか一切感じなくなって、人生全て肯定してもらえた気持ちになります。もちろん犯罪者になるのはまずいですが、そこまでしても受け入れるよ、と言われると逆にまじめなしっかりした人生になるかもしれません。前にコントでヤクザの父親が息子も極道にしようとしたら親への反抗心で逆に優等生になった、というネタを見たのを思い出しました。
今回のイベントは、月乃さんのお母様が大往生された直後というのと、福島さんのステージではよく詩に登場する人の霊が会場に現れる、という話もあって、降霊会のような空気も漂っていました。詩と死は同音で、渋谷のあの会場付近はどこかこの世のものでない空気が漂っています。福島さんの詩に出てきた立原道造や中原中也の霊でも来てくださったらチケット代以上の豪華なイベントになっていそうです。また、あとでお客さんが会場内をカナブンが飛んでいた、と報告されていたそうで、それもまた霊の依代となっていたのかもしれません。
歌ったり発声することは健康に良くて長生きの秘訣でもあるので、そんな健康法をあらためて教えてもらったイベントでした。
次元上昇日記の記事をもっと読む
次元上昇日記

「次元上昇」とは? それは「アセンション」のこと。では、「アセンション」とは何か……。いろいろな意味があるので、ネットを検索してみて下さい。しかし、辛酸なめ子さんにとって、それは日々、功徳を積んで善行マイレージを貯め、それがある閾値に達すると得られる高い次元のこと。この連載は、その善行マイレージを貯め次元上昇をめざす一人の女性の抱腹絶倒、試行錯誤の記録です。
- バックナンバー
-
- 2026年9月7日 詩のイベント
- 2026年9月2日 Deep大阪
- 2026年9月1日 三河島のディープなイ...
- 2026年8月27日 蝋燭ヒーリング
- 2026年8月25日 皇居の亀
- 2026年8月19日 筋肉のヴァイブス
- 2026年8月17日 スピ系イベント
- 2026年8月13日 都内でお盆
- 2026年8月10日 台湾の神様ドキュメ...
- 2026年8月7日 ロイヤルへの憧れ
- 2026年8月5日 アントワネットの戯れ
- 2026年8月2日 アントワネットチャネ...
- 2026年7月30日 ゾウ活の展示
- 2026年7月28日 半導体ショック
- 2026年7月22日 神保町で謎解き
- 2026年7月19日 空海推し
- 2026年7月15日 兜神社に祈願
- 2026年7月14日 住職との攻防
- 2026年7月10日 日本の祭の再ブーム
- 2026年7月7日 インド視点の歴史
- もっと見る














