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ライムスター宇多丸のお悩み相談室

2022.08.12 公開 ポスト

LINEで飲みに誘った彼からの返信がスタンプだけの場合、脈はあるのかないのか問題宇多丸(ラッパー、ラジオパーソナリティ)/小林奈巳(女子部JAPAN)

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LINEで飲みに誘った彼からの返信はスタンプだけ……。この後、どうしよう?
(2014年1月25日)

高2の冬から彼氏がいません。最後に付き合った彼氏をずっと忘れられなかったわけではないと思っていたのですが(違う人を好きになったりした時期もあったので)、最近、高校の友達と一緒に飲む機会があって、その席に彼がいて、それから彼のことが気になって仕方ありません。悩んだ末、その飲み会から1ヶ月後に、自分から彼の連絡先を聞いて、また飲みに行こうねと挨拶的なLINEをしたら、文章ではなくスタンプだけ返ってきて、すっかり心が折れてしまっています。客観的にいってもたいしたことじゃないと感じますが、連絡先を聞くのも大きな決断だったので、どうしていいかわかりません。よければアドバイスをお願いします。(ねぐせ・24歳・熊本県)

宇多丸   ねぐせさんには申し訳ないけど、正直、希望的観測ができるような要素はあまりない、と言わざるをえないのが現状かと……。

これは僕の推測だけども、ねぐせさんがなぜこの彼に執着してしまうかというと……、このあいだに違う人を好きになった時期もあったと言うけれど、別にそれも、ちゃんと付き合ってはいないわけでしょ? ぶっちゃけ、軽い片想いどまりというか……。だから結局、昔の彼のことしか知らない。「他の選択肢を知らないだけ」なんじゃないのって感じがしちゃうんですよ。たとえていうなら、カードを1枚しか持ってない状況だから、そのカードで勝負するしかないと思い込んじゃってるだけであって、もうちょっといろんなカードを揃えてから勝負に挑んだほうがいいんじゃないかなって思っちゃいました。そのうえでまだ彼のことが気になって仕方がないっていうんだったら、じゃあどうしようかって話にもなるんだけど……。

こばなみ  それに7年経つと思い出も美化されますからねえ(遠い目)。いいことばかりが思い出されるから、すごく素敵に見えたり……。

宇多丸   僕もその感じ、よくわかるよ。中学、高校と男子校だったから「知っている女の子」といえば、小学生の頃の同級生しかいなかったんですよ。だから恥ずかしい話、その頃好きだった子のこととかを、けっこうあとになるまでずっと考えたりしてましたよ。ときどき卒業アルバム見ちゃったりさ。だってそれしか知らないんだもん!

こばなみ  私も中学、高校と女子校だったので、その頃といえば、小学校の同級生しか対象がいませんでした。確かに思い出したりしてたわ。

宇多丸   でもそれって、本当にその子のことが好きなんじゃなくて、あまりにも選択肢がとぼしすぎて、勝手に思いを膨らましちゃってるだけでしょ。小学校の頃のその子と、何年も経った今のその子が同じであるわけもないんだからさ。だから、実はその子本人のことは何も考えてない自分勝手な話なんだよ! ねぐせさんのケースにも、なんとなくその「勝手に膨らましてる感」があるんですよね。彼のことは、ひょっとしたら全然見てないっていうか……。だってさ、再会した飲み会のときには、連絡先を聞いてないわけでしょ。その席に彼がいて……っていうけど、つまり、そこでは実は、たいして話もしてないんじゃないの? で、1ヶ月後に意を決して連絡先を聞くって……。彼からすれば、「あのとき、とくに話もしてないのに、なんでこの時期に?」って、ちょっと怖く感じちゃっててもおかしくない。「連絡先を聞くのも大きな決断」って、そらそうだよ。1ヶ月後に聞くから大きな決断なんだよ。そんなのその場で軽いノリで聞かないとダメだよ!! 結局、その1ヶ月のあいだに、彼に対する幻想を膨らましてたってことでしょ。

こばなみ  ちょっと今、自分を振り返ってドキドキしてきました。私もまさにこのタイプで、大学生のときに付き合っていた元カレに社会人になってから3、4回アタックしたことがあるのですが、確かに会ってないあいだ、勝手に想像を膨らましちゃってましたよ。

宇多丸   もちろん男でもヤマほどそういうことはあるから、気持ちはわかるよ。それでトントン拍子にうまくいく場合もあるわけだから。アタック自体がダメとは一概に言えない。だけど、「スタンプだけ返ってきて」っていうのは。SNS時代の脈ナシ意思表示ですよ、わかりやすく! ただまぁ、LINEのスタンプが返ってきただけいいじゃないの。完全無視とか、強い口調で拒絶されるとかじゃないんだからさ。要するに、脈はないけどムゲに扱うほど嫌いってわけでもない。だからこれ以上、傷を深めるのはやめようよ!

こばなみ  質問! 飲みに行こうねってメールしてるのに、それには触れず、関係ない返信がくるっていうのは、脈ナシってことですか?

宇多丸   いや、そうとも限らないかも……。たとえばステディな彼女がいたりして、社交辞令でも「うん、飲みに行こう!」とは返せない立場かもしれないよね。とはいえ「彼女がいるから行けません」って断り方も、なんか逆に自意識過剰と取られかねない。で、とりあえずスタンプにしといた、とか。そういう可能性もゼロではないよね。

こばなみ  スタンプって都合よく使えますもんね。宇多丸さんはSNSやってないじゃないですか。だからメールとかになると思うんですけど、こういうお誘いがあって行く気がないときは、どういう返信をするんですか?

宇多丸   そういう対象として見ていない異性から「飲みに行きましょう」って誘いがきた場合ですよね? とはいえ、別に「セックスしよう」って誘われているわけじゃないんだから、いきなり強く断るのも逆に変かなぁとかもろもろ考慮して、「いずれぜひ~」でお茶を濁すとか、まぁそんなあたりですかねぇ。でもこれ、一概には言えないわ。僕は既婚者ですから、もちろんそういう明らかな異性としてのお誘いは論外として、普通の飲み会とかに関していえば、スケジュールを調整したりするのが面倒くさいというだけで「いずれぜひ~」になっちゃってる約束って、けっこうある。みなさん、本当にすみません! この場合は別に相手に対して好意がないとかじゃないから、僕みたいな「めんどくさい病」の人はね、誰かにぐいぐい設定してもらいさえすれば、行く確率が上がってくるんですよ……って、何様だ!

たとえば、事前に予定を合わせたりする面倒くささをすっとばして、「今みんなで集まってるけど、来る?」的に不意に誘ってくれるとよかったりするんだよね。何度かは「ごめん、仕事だから行けないわ、残念!」ってなっても、めげずに誘い続けてほしいんですって……、だから何様だよ!

こばなみ  その戦法、いいんじゃないですか? 高校の友達とまた飲んだりして、そこに「今飲んでるんだけど、どう?」って彼を誘う。

宇多丸   いやでもやっぱり、今回のケースに関しては、あんまり楽観視はしないほうがいいというか、文字どおり「ダメでもともと」とは本気で考えておいたほうがいいと思いますよ、客観的に見て。ちょっと厳しいこと言っちゃうと、片想いしがちな人って、やはり根本的なところで「相手のことを本当には考えてないこと」が多いんじゃないかなって気がします。経験が浅いと仕方ないんだけど、ちゃんと相手の気持ちを確かめながらコトを前に進める、という手順が踏めてないわけでしょ。そういう最低限のコミュニケーションすら取れてないのに、恋愛関係なんか成り立つわけないじゃん! この場合もさ、飲み会のとき彼の態度がどうだったか、よく思い出してみてよ。会話こそなかったけど、ねぐせさんに熱い視線を送ってたとかならいいけど、最悪、それすら勘違いの可能性もあるし……。それに、ねぐせさんにとっての7年前の彼の思い出と、彼にとっての7年前のねぐせさんとの思い出は、全然重みが違うのかもしれないってことも、想定内に入れておかないといけない。とにかく、一方的にこっちの気持ちを膨らませすぎる前に、ちゃんと相手の気持ちや立場も考えてみようよっていう。なぜならみんな「他者」なんだからという話でもありますよね。

こばなみ  今、グサリ、突き刺さってます。私が元カレにモーレツアタックしてたのは、まさに自分勝手で、しかも相手からすればなんで? とか、ちょっと怖い! とか、いいかげんにして! とか、かなり嫌だったのかも。あああ、この場を借りて、ごめんなさい。

宇多丸   もちろん、人を好きになるのは仕方がないことなんだけど、「好きになったんだから仕方ない!」が通用する年でもないと思うよ、と。

こばなみ  でも、それくらいキッパリ誰かに言われたほうが、次に行ける気がします。ねぐせさんも次行こう! 次にいいことあるはず!!

宇多丸   にしても、どんなスタンプだったんだろう……?

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宇多丸 ラッパー、ラジオパーソナリティ

1969年東京都生まれ。早稲田大学在学中にMummy-Dと出会いヒップホップ・グループ「RHYMESTER(ライムスター)」を結成。ジャパニーズ・ヒップホップシーンを開拓/牽引し、結成30年をこえた現在も、アーティストとして驚異的な活躍を続けている。2007年にはTBSラジオで『ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル』がスタート。09年に「ギャラクシー賞」ラジオ部門DJパーソナリティ賞を受賞するなど、ラジオパーソナリティとしても活躍。同番組内の映画批評コーナーなどが人気を博す。18年4月からは、同局で月~金曜日18~21時の生放送ワイド番組『アフター6ジャンクション』でメインパーソナリティをつとめている。著書に『ライムスター宇多丸の『ラップ史』入門』『森田芳光全映画』『ライムスター宇多丸の映画カウンセリング』などがある。

小林奈巳(女子部JAPAN)

愛称・こばなみ。株式会社都恋堂・代表取締役。出版物や広告コンテンツの編集業務を経て、2010年に「iPhone女子部」を結成。現在はコミュニティ・メディア「女子部JAPAN」として、全国2万3千人の30~40代女性を対象に、ココロとカラダを元気にするためのコンテンツ&イベントを企画・実施中。仕事は好きだが、PCのデスクトップと部屋がどうしても片付けられないのが長年の悩み。

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