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美しい暮らし

2021.10.05 更新 ツイート

天神下つれづれ日記#19

母の銅鍋 矢吹透

去年の12月に僕の母が亡くなって、独居となった父は郊外の一軒家を処分し、僕が同性パートナーのキヨテルくんと暮らす都内のマンションに別部屋を購入し、移り住むことになったという話はもう何度もこの連載に書いた。

父が実家を手放すに当たり、僕は廃棄業者に依頼して、母が溜め込んだ家財や衣類などを2トン車で5台分捨てた。

父は学問の研究・探究以外には執着のない人で、母の思い出が残るものでも端からどんどん捨てて構わない、自分は身軽に引っ越してコンパクトに暮らすと宣言したので、僕は思いきって大胆に何もかもを捨てた。

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関連書籍

矢吹透『美しい暮らし』

味覚の記憶は、いつも大切な人たちと結びつく——。 冬の午後に訪ねてきた後輩のために作る冬のほうれんそうの一品。苦味に春を感じる、ふきのとうのピッツア。少年の心細い気持ちを救った香港のキュウリのサンドイッチ。海の家のようなレストランで出会った白いサングリア。仕事と恋の思い出が詰まったベーカリーの閉店……。 人生の喜びも哀しみもたっぷり味わせてくれる、繊細で胸にしみいる文章とレシピ。

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美しい暮らし

 日々を丁寧に慈しみながら暮らすこと。食事がおいしくいただけること、友人と楽しく語らうこと、その貴重さ、ありがたさを見つめ直すために。

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矢吹透

東京生まれ。 慶應義塾大学在学中に第47回小説現代新人賞(講談社主催)を受賞。 大学を卒業後、テレビ局に勤務するが、早期退職制度に応募し、退社。 第二の人生を模索する日々。

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