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大人バレエの世界

2020.09.15 更新 ツイート

恋人を探すように先生を探す #大人バレエ入門の秋丸山裕子

季節の変わり目は生活リズムも変わってきますが、なにか新しいことを始めたい気持ちにもなるもの。幻冬舎plus連載陣による〈入門の秋〉特集、ジャンルも自由にスタートします。

トップバッターは大人のバレエです。素敵な衣装に、美しい姿に、私もあんなふうに踊れたら……で一念発起したときの心構えと、あると便利な道具とは? 「大人から始めた大人バレリーナ」の連載が共感を呼ぶ丸山裕子さんの入門のコツ。

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*   *   *

私がバレエを習い始めたのはアラフォーの頃、運動不足による体調不良が続いていたところに、近所にバレエスタジオができたのがきっかけです。習うつもりなんて全くなかったのに、すでに通い始めていた犬の散歩友だちに誘われて見学に行ったのです。

 

できたてピカピカの明るいスタジオでは、20代から上は60代と思われる人たちがレッスンを受けていました。初心者も多いようでした。バレリーナ然とした美しい先生のレッスンは丁寧で、それほど難しそうでもなく、私にもできそうに思えました。

しばらく見学していると、「よかったら一緒に入ってください」と先生が声をかけてくださいました。見学のつもりだったので何も用意していなかったのですが、Tシャツにジーンズで(ストレッチジーンズでよかった!)、シューズはスタジオのものをお借りして、言われるままにレッスンに参加しました。

楽しい!
音楽に合わせて身体を動かすって、なんて楽しい!
やりたい!
これをずっとやりたかったのかも!

先生は飛び入りの私にも親切に指導してくださって、できるかもという気にさせてくださいました。踊りを見るのは大好きだったけど、踊るなんてできないと長年思っていたのは、やりたいというのも気恥ずかしくて封印していたのかもしれません。先生は、そんな思い込みからも解き放ってくれました。

帰りには申し込みを済ませ、次のレッスンから熱心に参加するようになりました。結局、私を導いてくれた友人たちは間もなくやめてしまい、私だけが大ハマりして週3ペースで通うようになりました。

 

バレエを始めるのに必要な道具は何もありません。
身ひとつ、スタジオに運びさえすればOKです。

強いて言うならバレエシューズは一足あると良いでしょう。スタジオで貸してくれるところもありますが、一足持っていると良いと思います。通販で1500円~2000円でくらいですので、そこは大人の財力にものを言わせてください。

勇気も要りません。
気楽にフラリと見学したり、体験したりしてみてください。

一番大切なのは、習いたい先生に出会えることです。
私は今のスタジオに通うようになって14年になります。続いているのは、ひとえに先生が好きだから。先生のレッスンを受けたいからです。スタジオの全員が先生を大好きで、ときどき愛が溢れすぎてえらいことになっています。

どんな先生に習いたいかは人それぞれです。
細やかな指導を受けたい人もいれば、ある程度放っておいてほしい人もいるでしょう。美しい先生のお手本を見ているだけで幸せという人もいるかもしれません。習いたいと思える先生に出会うまで、根気よく体験レッスンや見学を続けてみることが、一番大切なことのように思います。

最初の3ヶ月は体験レッスンでしのぐくらいのつもりで、スタジオ巡りをしてもいいかもしれませんね。

実は私も、今のスタジオで習い始める5年ほど前にも、体験レッスンを受けて回ったことがあります。そのときはどのレッスンもしっくりこなくて、通うに至りませんでした。

そのとき受けたクラスの先生方は、20代前半の若い方ばかりでした。幼い頃からずっとバレエをやってきて、今一番身体の動く若い先生には、バレエを始める大人の心境は理解し難いようでした。
「この人たちはバレエ的なことをしたいのだろう」くらいの指導に思えました。いや、あるいは「このくらいにしておかないと危険(ケガをする)」という配慮だったのかもしれません。でも、厚かましくも、物足りなく感じたのです。

いや、できないんです。
できないんですけども、真剣に習いたいのです。
できるようになるという前提で。

今の先生は最初から「私は子どもも大人も同じように教えます!」と宣言されていて、全員がそれぞれに進歩していけるように、個々に合わせてとても丁寧に、未来を諦めることなく指導してくださいます。この先生に出会えて本当に幸せだと思っています。

 

先日、ある先生がこんなことを書いておられました。「習い事はプロになる人だけが習うのなら、職業訓練になってしまう。楽しんでできればそれが一番」と。

 

さ、バレエシューズ一足握りしめて、ちょっと体験レッスンに出かけましょう。
やってみたい気持ちに素直に、貪欲に。
大人の合言葉はいつだって「今やらないでいつやるの?」です。

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大人バレエの世界

いくつになっても憧れる華やかなバレエの世界。アラフォーからバレエを始めた著者による、楽しく、たくましく、哀しくもおかしい“大人バレリーナ”の日常。

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丸山裕子 イラストレーター

京都市出身。踊るイラストレーター。健康のために始めたバレエにはまり、寝る間を惜しんでレッスンに通う。『バレエ語辞典』の全イラストを担当。書籍や雑誌、広告にイラストを描いている。女性、育児、健康、犬と花に関するものが多い。イラストエッセイは『しあわせな犬生活を』(ドッグワールド)、『極楽いぬ生活』(ペピイ)。布花作家でもあり、『まんまるさん®︎』という古布を使ったオリジナルのアクセサリーを作っている。
Instagram  @yuko.illustrations

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