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大人バレエの世界

2020.07.30 更新 ツイート

#56

「チュチュは無理」と言いつつの女心丸山裕子

6月に中止になった発表会のかわりに、勉強会と称するプチ発表会が秋に催されることになりました。出演者も観客も身内だけという小さなものです。

よくある発表会の光景と言えば、次々に生徒さんがひとりで出てきて、何かしらのバリエーションを踊るというもの。でも、私たちのスタジオでは、これまでは大人たちは数人で踊るか皆で踊るかで、ソロという選択肢はありませんでした。

 

ところが、今は皆で踊るのも、皆で練習するのも難しい状況です。「今回は大人も全員ソロで!」と先生からお知らせがあったのは、先月のことでした。演目は自由で自己申告制。衣装も自分で選んでよいとのこと。

「ええー、ソロぉ?」と言いながら、若干浮き足立った感じがあったのはたしかです。子どもの頃から習っていた人や、他のスタジオから移ってきた人はソロは経験ずみですが、ここでバレエを始めた人には最初で最後かもしれないチャンス。チュチュを着てひとり舞台に出て踊る様子に、秘かに憧れていた人も多かったのではないでしょうか。

勉強会までは3ヶ月ほどしかないので、大急ぎで演目を決めて練習を始めなければなりません。以前から踊ってみたかったバリエーションを選ぶ人、好きな曲を選ぶ人、中止になった発表会の演目を踊る人、着たい衣装から演目を決める人。

意外と衣装から入る人も多いようです。「チュチュは無理」とあんなに言ってたのに、フタを開けてみればチュチュを選んでいる人も多くて。私たちの先生は、大人の衣装にクラシックチュチュを選ぶことも滅多にないので、この機会に着ておこうというのもあるのでしょう。

ポワントとチュチュはバレエの象徴的なものです。バレエを習っていると言うからには、一度はチュチュを着てみたい。いや、着ておきたい。そして、バレエをやっていた証拠写真として残しておきたいという気もちは、私もわかります。そして、着るならいちばん若い今年がいいというのも。

実際の年齢に関わらず、誰しも今日が、今がいちばん若いというのは事実なわけで。だから「今」やっておこうという意欲が、年々熱く強くなる気がします。それでガツガツしちゃう大人たち。よく言えば、超ポジティブかな。

私は今回は出演しないので、大人クラスのマダムたちがどんな衣装を着て、何を踊るのか、とても楽しみにしています。

クラシックチュチュを着る人は何人いるのかな?

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大人バレエの世界

いくつになっても憧れる華やかなバレエの世界。アラフォーからバレエを始めた著者による、楽しく、たくましく、哀しくもおかしい“大人バレリーナ”の日常。

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丸山裕子 イラストレーター

京都市出身。踊るイラストレーター。健康のために始めたバレエにはまり、寝る間を惜しんでレッスンに通う。『バレエ語辞典』の全イラストを担当。書籍や雑誌、広告にイラストを描いている。女性、育児、健康、犬と花に関するものが多い。イラストエッセイは『しあわせな犬生活を』(ドッグワールド)、『極楽いぬ生活』(ペピイ)。布花作家でもあり、『まんまるさん®︎』という古布を使ったオリジナルのアクセサリーを作っている。
Instagram  @yuko.illustrations

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