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トランプ時代の地政学

2019.09.30 公開 ツイート

9・11から18年。アメリカが続ける「標的殺害」という「影の戦争」 杉本宏

2001年9月11日、米中枢を襲い、約3000人が犠牲になった同時多発テロ(ナイン・イレブン)は、「影の戦争」というパンドラの箱を開けてしまった。あれから18年。大統領は変わっても、米国は危険人物を特定し、秘密裡に追跡・監視して殺害する「標的殺害」(targeted killing)を頻繁に行使している。そんな「暗殺まがい」の戦術を「対テロ戦争」に適用し、イスラム過激派のテロ・ネットワークを弱体化、壊滅しようとしているが、テロの勢いは衰えを見せない。

9・11の首謀者・ビンラーディンの息子を殺害

トランプ大統領は9月14日、9・11を首謀したイスラム過激派の国際テロ組織「アルカイダ」の指導者だったオサマ・ビンラーディンの息子、ハムザ容疑者がアフガニスタンとパキスタンの国境付近で「米国の対テロ作戦」によって殺害された、と発表した。

ハムザ・ビンラーディン容疑者の指名手配写真(米連邦捜査局〔FBI〕のHPより)

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杉本宏『ターゲテッド・キリング』

「対テロ戦争」という果てしない戦争が世界を覆う中、標的殺害(ターゲテッド・キリング)という非公然攻撃を米国は展開している。一種の「闇討ち」は、効率的ではあるが、米国政府に様々な法的・倫理的なジレンマを突きつける。米首脳たちの内紛と懊悩を通じ、21世紀の正義と戦争の行方を追う。

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トランプ時代の地政学

「世界の警察官を辞める」だけでは収まらず、いまや世界秩序の攪乱要因になりつつあるトランプ大統領のアメリカ。海外取材経験の豊富なジャーナリストであり、国際政治研究も続ける著者がトランプ大統領・アメリカの本音を読み解き、日本とのかかわりを考察する。

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杉本宏

ジャーナリスト。慶應義塾大学大学院修士課程修了。マサチューセッツ工科大(MIT)政治学部博士課程単位取得退学。防衛大学校非常勤講師を経て、朝日新聞社入社。政治部、外報部などを経て、ロサンゼルス、アトランタ、ワシントンに赴任。記者としての取材活動のかたわら、国際政治研究も続ける。著書に『ターゲテッド・キリング――標的殺害とアメリカの苦悩』(現代書館)がある。

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