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超現代語訳 戦国時代 笑って泣いてドラマチックに学ぶ

2019.06.11 更新

「目次を開いたとき、強い違和感を覚え、思わず手がとまってしまう」って、どんな本?房野史典〔ブロードキャスト!!〕

歴史大好き芸人の房野史典さんが書いた話題の本『超現代語訳 戦国時代』が、待望の文庫化です! 

そう!歴史のエライ先生方が褒めてくださったり、ピースの又吉直樹さんも激賞して帯にコメントをくださったりした、あの本です。

お手軽価格&コンパクトサイズで、お求めやすくなりました。しかもルビも増えて、お子さんにも読みやすくなりました!

こちらの文庫化にあたり、世界一受けたい授業でもおなじみの河合敦先生が、巻末に文庫解説をくださいました!
感激の文庫解説。何を書いてくださったのか気になりますね。
ということで、特別にこちらで公開します。
歴史の先生にベタ褒めされて、房野さんもニヤニヤしています。

河合先生の新刊『晩節の研究 偉人・賢人の「その後」 (幻冬舎新書)』も併せて読みくださいね!

*   *   *

文庫解説 ――河合敦(歴史作家・歴史研究家)

じつは私、多くの著書を出しているのに、本の解説は一度も書いたことがないのです! なのに、「房野史典サンがぜひ河合先生に解説をお願いしたいって言っているんです」と彼の編集者にくどかれて舞い上がり、経験済みのフリをして引き受けちゃいました。

房野サンとは、これから解説する『超現代語訳 戦国時代 笑って泣いてドラマチックに学ぶ』がご縁です。彼がこの単行本を出版するさい、WEB上での宣伝のため対談相手としてお招きいただいたのです。私も幻冬舎で何冊も本を出しており、歴史の専門家だったことから、担当編集者が呼んだようです。

房野サンの第一印象はよかったです。同じ黒縁眼鏡だったからだと思います。眼鏡を取ると、いったい誰なのかわからなくなるのも私と似ているなと感じました。

以後、何度も歴史関係者の飲み会で房野サンと同席するようになりました。酒の席でも私が恐縮するほど、敬語で丁寧に接してくれます。でもだんだん酒が回ると顔色がゆでだこのようになり、何がおかしいのかゲラゲラと笑います。笑い上戸なんですね。それでも最後まで私に対する扱いは変わりません。なので、好印象のまま今に至ります。

あっ、話が逸れてしまいましたね。戻ります。

とにかく解説は初体験。今、みなさんにこの本の面白さをどう理解してもらおうかと、パソコンの画面を見つめながら、頭を悩ませています。

とはいえ、あまり深刻に考えても仕方ないので、思いつくまま解説を始めてしまいましょう!

まず、今回文庫化される『超現代語訳 戦国時代 笑って泣いてドラマチックに学ぶ』は、タイトルから推測できるとおり、戦国時代を超わかりやすく描いた本です。

戦国の約一世紀は、日本人がもっとも躍動した時代だといえます。古い社会秩序が崩壊し、下剋上の世が到来。実力と運次第では、天下人までのぼりつめることも可能になりました。庶民にとって、自分の力を試す絶好の機会が訪れたわけです。このため魅力に富んだ多くの武将たちが登場し、野望のために己の生命を最大限に燃焼させていきます。結果、多くの名勝負が、駆け引きが、感動が生まれました。

そんな激動の時代なので、処世訓や人生訓の宝庫。私たちがここから学べることは非常に多いのです。だからこそ、戦国のファンは多いのでしょう。

もちろん房野サンもその一人。本書を読むと、彼の「戦国愛」がよくわかります。島左近や大谷吉継、細川ガラシャなど、戦国ファンが好みそうなところをしっかり押さえている。鳥居元忠が徳川家康とここまで関係が深かったってことは、私も知りませんでした。そしてなにより、この本からは自分の愛する時代を「めちゃくちゃ噛み砕いて」読者の方々に「あ、面白いんですね」と理解してもらおうという、著者の熱意がひしひしと伝わってきます。それが人びとのシンパシーを獲得し、多くの読者が本書を手にとることにつながったのだと確信しています。

ちなみにこの本は、房野史典サンの処女作です。

それまでの彼は、作家を生業にしていたわけではありません。本職はお笑い芸人(そこそこブレークしている)です。つまり、タダの歴史好きのど素人でした。

「ひまつぶしに、Facebookに歴史の与太話を書き連ねてみました。終わり。」……となるはずだったのが、たまたま、その文章がある編集者(袖山満一子氏)の目にとまり、幻冬舎plusでの連載となり、それをまとめて単行本として出版してみたらベストセラーに!

このまさかの展開に一番驚いたのは、たぶん、房野サンご本人でしょう。

人生というのはわからないもの。でも、彼の気持ちはよくわかります。

高校教師だった私も、処女作『早わかり日本史』(日本実業出版社)がベストセラーになり、結局、学校をやめて専業作家の道を選ぶことになったからです。きっと房野サンも、芸人をとるか作家をとるか、やがて人生の選択を迫られるときが来るはずです。

とはいえ、『超現代語訳 戦国時代 笑って泣いてドラマチックに学ぶ』は、彼がお笑い芸人だからこそ、書けた本であることは間違いありません。ふつうの歴史作家や歴史研究家には、思いもよらない型破りなものになっているからです。

そもそも、目次からして異常です。序章のあと、たった2章で終わっちゃってる。それに第一章(93頁)と第二章(159頁)の分量が超アンバランスなうえ、序章が「応仁の乱」、第一章が「関ヶ原の戦い」と、見出しに合戦名が続くのに、なぜか最後の第二章だけが「真田三代」。謎です。真田家の歴史を語るとしてもメインは信繁なんだから、ふつうは「大坂の役(陣)」とするでしょ。

だから、本好きが目次を開いたとき、強い違和感を覚え、思わず手がとまってしまうのです。単なる馬鹿なのか、狙っているのかわからないけど、意図的だとしたら、房野サンはスゴい人だと思います。さらに極めつきは、目次に並ぶヘンな小見出しの数々。

「私の思慕いをジョークにしないでって言ってやりたい。私はマジなんだから」

「けんかをやめて。3人をとめて。わかった、私も加わる」

「素敵なお城からレオンがコスプレして機関銃撃ってきた」

「ケンカのあとはほっぺにチュ。でもちょっと血の味がする」

何ですの、これ? こんな摩訶不思議なフレーズが並んでいたら、「もう本文読むしかないじゃん」って気持ちにさせる見事な誘い文句です。以前お会いしたとき、房野サンご本人に尋ねたら、すべてご自分で考案したというから、さすが芸人! つかみはお見事だ。

とはいえ、コントと読書はまったくの別物。漫才のネタは10分程度で完結するけれど、本は読破するまでまる1日はかかってしまいます。いくら面白そうな見出しが並んでいても、素人作家が読者を飽きさせずにページをめくらせていくのは至難の業。ところがこの『超現代語訳 戦国時代 笑って泣いてドラマチックに学ぶ』は、すらすらと読めてしまうのです!

なぜでしょうか?

それは、頻繁に偉人たちの会話が挿入され、そこに思わず吹き出してしまうギャグと、ちゃんとオチまでついているからです。つまり、一つの完結した漫才になっていて、一ネタ終わると、次の新しいネタが始まっていく。つまりはこの本、お笑い番組の形式になっているのです。次々とお笑い芸人が登場してくるやつですね。

それに、文章自体が漫才のネタだからひと言、ひと言のキレがいい。

例えば「はい、秀吉死にます」の一言で場面転換する。これってスゴイことですよ! その後の展開を計算し、切るべきところはスパッとそぎ落としているわけですからね。

また、直江兼続からの挑発的な直江状を読んだ家康が、ひと言「殺す!!」って言う。これなんかも、ずばりと事件の本質を突いていますね。

だから、まったく読んでいて飽きさせないし、次にどんな面白い話が出てくるのか、読めば読むほどワクワクしてくるんです。

残念ながら、私にはとても真似できない芸当です。もし私が自分の歴史書にギャグなんか入れたら、あきれた読者から袋だたきにあうでしょう。房野さんは、芸人だから許される特権をバンバン使って、自由奔放に書いている。それでいて、基本的には史実に則って、そこから離れていないのはたいしたものです。

それだけではありません。ときおり、彼独自の推論や最新の研究成果が挿入されているのに感心してしまう。例えば、関ヶ原の戦いで家康に敵対しながら、島津氏だけは一切減封されずに済んでいる。なぜなのか?

じつは、よくわかっていないのです。研究者や作家がさまざまな説をとなえています。これに関して本書では、家康と島津の使者との会話を用いて、房野サン本人が支持する論をたくみに展開していく。そして最後に「やり取りは妄想の塊です。ただ、本領安堵の理由はこんなようなことだと言われています」とまとめています。だから本書を読むと、最新の戦国史研究もわかるのです。本人がよく勉強していなければ書けないことですね。おそらく巻末にあげた参考文献以外にも、専門的な研究書を読んでいるはずです。

さて、最後になりました。

私が解説を引き受けたのは、房野史典さんに好印象を抱いたからです。それは、彼の人柄だけではなく、私と彼の歴史認識がまったく同じだからです。

なぜ歴史を学ぶのか。それは「自分の人生に役立てるため」だと私は思っています。過去に起こった出来事とまったく同じことは起こりません。でも、同じようなことは何度でも起こっている。だから歴史を学ぶことで、それを教訓として、自分の人生に役立てることができるのです。

奇しくも房野史典サンも、単行本のあとがきで「未来のために歴史がある」と断言しています。また、以前に対談したときも、

「歴史上の人物って何百年も前の人だから、現代人とはまったく別人種っていうようなイメージがあると思うんですけど、何か為そうとしたとき、物や事を動かすための『温度』ってのは、今と変わらないな、って思うんです。もちろん、生死を賭けてるので今とは違うところもあるわけですけど、仲間との連携だったり、人とのつながりだったりとかっていうことは学ぶことが多いですよね。別に歴史を好きにならなくてもいいから、とりあえず先人の知恵を踏まえとくだけでなんか違うと思いますね」

とおっしゃっていました。まったく同感だよ、房野サン!

だからぜひ、みなさんに本書を読んでいただき、戦国時代を「笑って泣いてドラマチックに学」んでいただき、そこから得た教訓を自分の未来に役立ててもらいたい。そう願ってやみません。

 

房野史典『超現代語訳 戦国時代 笑って泣いてドラマチックに学ぶ (幻冬舎文庫)』

欲、プライド、裏切り、友情、愛、別れ……。 戦国時代ほど、感動満載、人間関係ドロドロ、かつ超フクザツな時代はない。 「昼ドラみたいな応仁の乱」「超嫌われ者だけどマジメでいいやつ石田三成」「家康をビビらせまくった真田昌幸の最期」など、軽やかな語り口で時代の流れがみるみる頭に入る。 笑いあり涙あり、日本史愛が加速する戦国時代解説本。

 

河合敦『晩節の研究 偉人・賢人の「その後」(幻冬舎新書)』

歴史に名を残す偉業を成し遂げた人物も、ほとんどの場合、本当に活躍したのは、ある一時期に限られる。それどころか、リタイヤ後に意外な「その後」の人生を送った人物が少なくない。「祟り」に慄き死んでいった藤原道長。健康に気を使いすぎて逆に死期を早めた徳川家康。老人になってから計画殺人を実行した徳川光圀。勘違いで殺人を犯して獄死した平賀源内……。有能な成功者である彼らはなぜ"晩節を汚す"ことになったのか。その分岐点には何があったのか。30人の偉人たちの知られざる末路を繙き「人生の本質」を追求する、画期的な書。

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超現代語訳 戦国時代 笑って泣いてドラマチックに学ぶ

歴史大好き芸人・ブロードキャスト!!の房野史典さんが、戦国時代を、”超現代語訳”したら、こんなにおもしろい物語になった!
東大卒の某人物も「こんなに頭にすんなり入ったことがない」と大絶賛したという、驚愕のわかりやすさ&面白さ。
NHK大河ドラマ「真田丸」でも大人気の「真田三代」のほか、歴史好きにはたまらない人選と人物描写で、読ませます。
戦国時代ほど、人間ドラマの宝庫はない!連載開始直後から、大人気。教科書で見かける有名な武将たちも、思わず可愛く思えてくる。笑いあり、涙ありの、戦国ドラマを、ぜひ。
→→連載人気が沸騰に沸騰して、ついに書籍化!『笑って泣いてドラマチックに学ぶ 超現代語訳 戦国時代』は絶賛発売中です。

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房野史典〔ブロードキャスト!!〕

1980年岡山県生まれ。名古屋学院大学卒業。お笑いコンビ「ブロードキャスト!!」のツッコミ担当。 無類の戦国武将好きで、歴史好き芸人ユニット「六文ジャー」を結成し、歴史活動にも意欲的。 初の著書『笑って泣いてドラマチックに学ぶ 超現代語訳 戦国時代』が、ブレイク! 戦国に始まり、今は幕末も大好物!

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