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世界のトップ1%に育てる親の習慣ベスト45

2017.08.11 公開 ツイート

「宿題→解く→答え合わせ」はNG!「宿題→答えを見る→暗記」が正解! 廣津留真理

家でダラダラ過ごすくらいなら、わが子を塾の夏期講習に……とお考えの保護者のみなさま。ちょっと待ってください!学校や塾に外注しなくても、子どもの学力と可能性を広げる教育は、家庭でこそベストに行えるのです。独自の家庭教育で娘をハーバード合格に導いた廣津留真理さんの著書『世界のトップ1%に育てる親の習慣ベスト45』から、親の行動を少し変えるだけで、子どものやる気と才能をみるみる引き出す超実践的なメソッドを紹介。お子さんと一緒に過ごす時間が増える夏休みにこそ、ぜひお読みください。

 

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いまの子どもは授業でも宿題でも夏期講習でも5教科(英語、国語、数学、理科、社会)を学び、さらに学習塾で教科書以外の問題集を解いたりします。

現在でも十二分に無駄で子どもの時間がもったいないと思いますが、これから大学入試で前述の5教科以外の要素も重んじられるようになると、宿題に頭を悩ませたり、問題集を解いたりする時間はありません。

問題を解くためだけに、学習塾に行くのはまったく無益。問題集も宿題も解かず、答えを丸暗記してください。

答えがない問いを追求するのが、今後求められる本物の知性。宿題にも問題集にもちゃんと答えがあります。すでに答えが出ている問題を一人で解いて時間をロスするのは即刻ストップしましょう。

先生が出した宿題を一人で時間をかけて解き、翌日学校で答え合わせするなんてナンセンス。学校側が問題集に付いている解答集を回収する場合もありますが、そんなときは問題集をもう1冊取り寄せて解答集をゲットしてください。

私自身は丸暗記を強いるロート・ラーニングには反対ですが、テストされる内容が暗記を求めている以上、丸暗記は肯定するしかありません。

子どもは小学校から高校まで12年間、日々7~8時間ほど学校に通っています。問題と答えを丸ごと暗記すれば、もっとサクサクと学習が進むはず。暗記で学習を効率化して、余った時間を自分の得意を伸ばすことやボランティアなどの課外活動に使ってください。

先生の手助けがいるとしたら、何かの理由で不得手になっている科目です。そうした科目は放課後、先生に「わからないところがあるから、教えてください!」と声をかけて教えてもらってください。喜んでサポートしてくれるでしょう。娘も授業中は教科書と先生の解説の暗記に努めて、疑問点はその日の放課後、先生に直接確認してクリアにしていたそうです。

 

○丸暗記では学力が身につかないって本当?

日本人は長い時間をかけて難しい問題集を一人でウンウン唸(うな)りながら解くことだけが学習だと思っています。

でも、子ども時代は「光陰矢の如し」ですから、答えがわかっている問題を解くのにいちいち時間を費やす余裕はありません。

暗記は地味な作業です。覚えるべきところにマーカーを引いたり、答えを見て赤ペンで教科書や問題集に書き込んだりして、赤シートなどで答えを隠しながら繰り返し読んで覚えるのです。

英語なら、英文を何度も読み込み、怪しいところを重点的に反復して覚えます。文法の問題集を解くよりは、正解を書き写して英文をすべて音読します。初めから正解を頭に叩き込みます

丸暗記は、子どもたちに課せられた5教科の学力を一時的に身につけるための緊急措置的な手段にすぎません。

言い換えるとその場をやりすごすための方法であり、テストが終わったら復習などに貴重な時間を使わずに即忘れて大丈夫。忘れたとしても、一度脳にインプットした内容はまたすぐに取り戻せて覚えられます。

暗記に飽き足らず、子どもたちがどうしても数学が気になる、あるいは世界史が好きすぎるというなら、『フェルマーの最終定理』や『サピエンス全史』といった本を買ってあげてください。

そうすれば自分の興味のある分野により好奇心がかき立てられて、背景を理解しながら暗記できるので学習効果もアップします。

 

○5教科を使って何ができるか?というビジョンを示す

子どもたちの脳のスペースも時間も有限なのですから、暗記で勉強を省力化・時短化したら、5教科以外の活動に関心を向けるようにしてください。

学校で習う5教科は基礎的な学力を身につけるのが狙い。そこで身につけるのは学力という名前の「道具」の使い方にすぎません。

小学校から大学に入るまでの12年間、学校でも塾でも宿題でも必死になって道具を身につける方法を勉強しますが、その道具を使って何をするかを教わるチャンスはほとんどありません。

でも私は、道具を使って何ができるかを先に教えるべきだと思います。どんな活用法があるのかというビジョンを先に示すと、学習意欲は高まるからです。

英単語を暗記するときには、「単語の意味がいっぱいわかれば、もっと多くの絵本が楽しく読めるようになるよ」と教えてあげると、子どもたちは俄然(がぜん)やる気を出します。

英語に限らず、国語だって言葉の微妙なニュアンスの違いがわかるようになると読解力が上がり、同じ本を読んでももっと面白くなります。

数学が得意な大学生に話を聞いてみると、数学そのものが好きな人は少数派であり、数学という道具を使ってできることに面白さを感じているようです。

算数なら距離を時間で割ると速度が出るとわかると、時刻表と地図から新幹線の時速が計算できます。

私の元教え子の大学生に頼み、三角関数を小学生に教えてもらったときは音楽を使っていました。ピアノの鍵盤でドミソを指でバーンと押さえるとキレイな和音が鳴り響きます。それを三角関数で表わせると教えてあげると、算数が得意ではない子どもたちも「へぇ~」と驚いて興味を持っていました。

理科で植物や昆虫に関する宿題が出たら、図鑑を参照したり、庭やベランダの植物を観察したりしながら、そこで学んだ知識をベースに「最近アメリカでミツバチが激減しているらしいけど、なぜだろうね? 農作物にも悪い影響が出るらしいよ」などと話し合ったりすれば、ちょっとしたアクティブ・ラーニングにもなります。

道具を身につけるプロセスでは暗記が欠かせません。

「何の役に立つの?」と疑問に思いながらやると退屈なだけですが、「これを覚えたら、こんな面白いことができる」と思ったら意欲が出てくるもの。親御さんもぜひその手伝いをしてください。

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世界のトップ1%に育てる親の習慣ベスト45

独自の家庭教育で、一人娘を地方公立校からハーバード大学現役合格に導いた廣津留真理さん。学校や塾に「外注」しなくても、親の教育しだいで子どもの学力はいくらでも伸ばすことができるのです。著書『世界のトップ1%に育てる親の習慣ベスト45』より、今日からわが子に実践できるメソッドをご紹介します。お父さん、お母さんは必見!

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廣津留真理

大分県在住。早稲田大学第一文学部卒。ブルーマーブル英語教室代表、一般社団法人Summer in JAPAN(SIJ)設立者・代表理事・総合プロデューサー、株式会社ディリーゴ代表取締役。2012年、一人娘のすみれさんが18年間塾なし、留学なし、学費は小中高12年間でたった50万円で、地方公立からハーバード大学へ現役合格。「英語4技能(読む、聞く、書く、話す)」を伸ばし、本当に「使える英語力」を磨く独自のメソッドで、多数の小学生を大学入試レベルの英文が読めるように導く。ハーバード生が子どもたちにプレゼンや演劇などを英語で教えるサマースクール「Summer in JAPAN」を2013年から開催し、2014年に経済産業省の「キャリア教育アワード奨励賞」を受賞。著書に『世界に通用する一流の育て方 地方公立から<塾なしで>ハーバードに現役合格』(SBクリエイティブ)、『英語で一流を育てる 小学生でも大学入試レベルがスラスラ読める家庭学習法』(ダイヤモンド社)がある。

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