
暮らし術
宮田珠己さんの還暦エッセイ、後半です。
* * *
私がかつて六十歳なんて死ぬ寸前だとイメージしていたことからも推測できるように、六十という数字には寿命が近い印象があり過ぎるのである。実際の六十歳は、そこまで死に近くない。
昭和の中頃まで、定年は五十五歳だったというから、昔と今とでは年齢のイメージにズレがあるのだろう。老化を過度に恐れるあまり、私は気持ちの中で、五十代からじわじわと勝手に老け込んでいたのかもしれない。
旅好きで世界中、日本中をてくてく歩いてきた還暦前の中年(もと陸上部!)が、老いを感じ、なんだか悶々。まじめに老化と向き合おうと一念発起。……したものの、自分でやろうと決めた筋トレも、始めてみれば愚痴ばかり。
怠け者作家が、老化にささやかな反抗を続ける日々を綴るエッセイ。
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