 
						この連載は、とある事情にてお蔵入りとなった文章を、一部再編集のうえ公開できるようにし、掲載したものです。第8話の今回は、とある地方の秋祭りがテーマ。
2001年、地方の小さな町で「人を燃やす奇祭を見た」という大学生の証言が寄せられた。取材班は現地に向かったが、村人は誰もその祭を知らないという。録音テープ、無言電話、そして記事掲載の中止——封印された記事の記録が、いま再び開かれる。
* * *
「■■県 奇祭?」——2001年 お蔵入りになったオカルト雑誌記事の取材メモ
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2001.10.12 fri.
情報提供者インタビュー
黒木正治(仮名) 大学生 21才
- 9月中旬 ■■県 友だち5人と旅行
- ■■旅館に宿泊→要カクニン
- 深夜 外から太鼓の音→林の方
- 10数人の村人? 街灯なし、火を囲んでいる なんらかのギシキ?
- 逆さ吊りの男性 燃やされている!
- 掛け声と太鼓の音
- 怖くなって夜明け前に旅館を出た
 
 
 
追記:■■旅館 1982年開業 電話で聞き取りを行った限りでは、カルトやユーレイ話のウワサはなし
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2001.10.15 mon.
現地取材
■■旅館
■■県■■市■■町字■■1223

■■慶子(仮名) ■■旅館女将
- 黒木くんたち→日の出ないうちに帰ったからよく覚えている
- その日に太鼓の音→聞いていない
- 宗教などは知らない、ここらへんでそんな話は聞かない
- 秋祭りはあるが日付・時間がちがう
- 事件などはなかった→地元新聞カクニン 殺人や傷害事件なし
- 公民館に祭のキロクがあるかも
近隣 村人 聞き取り
- そんな祭は知らない→8人に聞き取り 全員知らない
 ※かたくなな印象の村人数人 祭のことを聞かれたくない?
- 10月下旬に秋祭りがある 豊作祈願 ふつうの祭
- イザナミノミコトが関係している? 祖父から聞いたことがある
- 変な祭については知らないが、ユーレイのウワサはたまに聞く
■■公民館
豊作祭について 館長聞き取り
- その年の豊作を祝う祭
- 館長が生まれたとき(昭和10年代)からやっていた
- 焚き火をし、その年にとれた野菜・コクモツを捧げる
- たいまつを持ち、ふんどし姿の男が踊る
- 屋台などは出ない 純粋にお礼と来年の豊作を祈るギシキのようなもの
 
■■町字■■駐在所
- 奇祭については聞いたことがない そんな祭は存在しない
- 豊作祭でけが人や死者が出たことはない
☆記録上、奇祭は確認できない
村ぐるみで隠している? or 黒木たちのカンちがい・イタズラ?
 
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2001.10.21 sun.
情報提供者 追加情報
黒木くんから連絡
- 友人が太鼓の音を録音していた
- 録音したテープを証拠に■■警察に相談した→返答待ち

カセットテープ 内容
- 太鼓の音、複数人の掛け声
- 「エイーヤ、エイーヤ」と聞こえる
- 背景にひぐらしの声
- 時折悲鳴らしきもの? 明確ではない
- おそらく男性 「ううう」というようなうめき声
- 猫の鳴き声? 赤ちゃんか?
→■■さんへ分析依頼
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2001.10.25 thu.
■■さんより、劣化ひどく音声分析不可との返事
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現地取材後、無言電話増える 関係あるか?
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2001.10.31 wed.
黒木くんへ連絡
その後■■警察からは返答なしとのこと
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本内容は某オカルト雑誌への掲載が検討され、取材が行われたが、記事化する前に没となってしまったメモの内容を再構成したものである。
没となった理由は現在記録に残されていないが、なんらかの圧力があった可能性がある。
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この連載では、とある事情にてお蔵入りとなった文章を、一部再編集のうえ公開できるようにし、掲載していきます。呪われたモノ・こと・人…あなたのまわりにも「それ」はあるかもしれません。





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