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美しい暮らし

2021.01.12 更新 ツイート

共振する人生相談 ~ぼくはアンプリファイア~

自己実現と家族を養う責任のはざまで揺れる24歳男性へ。あなたは頑張っている! 矢吹透

新しい年を迎え、自分のこれからの人生についてもう一度考え直さなければ、と思ってはいるのですが、自分自身と向き合う作業はなかなか困難です。

料理をしたり、掃除をしたり、原稿を書いたり、目の前にある片付けなければならないあれこれを言い訳にして、きちんと考えることから逃げている最近のぼくがいます。

なんとなく、やる気が出ないんだよなあ。

寒いし、緊急事態宣言下だし、なんかぱっとしないしなあ。

それでは、今回のご相談です。

 

*   *   *

家族4人、20代の会社員です。
今の仕事を続けるかやめるか悩んでいます。

今の職場では、努力を重ね、周囲より良い評価を頂いています。
給料も申し分なく、家族を養うことができています。
しかし、現在の評価を得るために多くのリソースを費やしてきました。
これからも同じだけの努力を継続していくのは精神的にきついです。

コロナ禍で改めて自分の仕事を見つめ直した時、仕事のやりがいがあまりなくこのまま同じ仕事を続けたくないという思いと、家族を養っていかなければならないという思いで揺らいでいます。

自己実現と家族を養うという現実のバランスはどのようにとっていけばよいのでしょうか?

(製造業・24歳・男性)

* * *

なんとなくあなたはきっと今の仕事を続けるだろうな、と思いました。

ご相談の文章から伝わって来るあなたは真面目で頭のいい方というイメージです。

そんなあなたは、自己実現という若干漠然とした希望のために、今、目の前にある、家族を守って行く生活を投げ捨てることはおそらくない。

あなたのご質問の「自己実現と現実のバランスをどのようにとっていけばよいか」ということについて、この二つのバランスを取ることはなかなか難しいと言わざるを得ません。

あなたがぼくの身近にいたら、ぼくはあなたにきっと言うでしょう。

あなたはとても頑張っている。大変だね。つらいよね。でも、偉いよ。あなたは家族のために、自分をすり減らし、こんなにも頑張っているのだから。

あなたに必要なのは、そんな評価や励ましの言葉だという気がしました。

あなたは多分、くたびれている。けれど目の前には、ハードな仕事と養って行かなければならない家族がある。

時々、夢を見たくなる。

自由にはばたく夢を見る。

けれど現実としては、あなたの翼は、支えて行かなければいけないものの重さに、既に耐えきれないほどに疲れ切っている。

多分、あなただけではありません。世の中の働くお父さんやお母さんたちの多くが、あなたと同じような負荷を抱え、毎日疲れた体や心に鞭打って生きているという気がします。

そして、それはまあ、家族のない人にとっても同じでしょう。

生活を支えて行くためには、いろいろなものを犠牲にし、自分をすり減らして、生きて行かなければならない。

つらいよねえ。

大変だよねえ。

偉いよねえ。

「エラいこっちゃ」という関西の方で使われる表現がありますが、「大変」と「偉い」はしばしば重なるものであると感じます。エラいことをするから、偉いのです。

 

「やり甲斐のある仕事」とよく言われます。

ぼくは30年近い会社員生活の中で「やり甲斐のある仕事」を見つけることが出来ませんでした。

そんなぼくは、この世の中に「やり甲斐のある仕事」というものが本当にあるのか、どこか疑問に抱きながら生きています。

手応えを感じるような仕事、打ち込める仕事には、時折り出会うことがあります。けれど、そういった仕事に向かう時、必ず困難や障害などが伴います。そのプラス・マイナスについて考えた時、果たしてそれをやり甲斐のある仕事と呼べるのだろうか? 、などとぼくは考えてしまいます。

楽しく熱中できて、ストレスのない仕事に出会ったことは、少なくともぼくに関しては人生で一回もありません。

 

あなたは今の仕事について、やり甲斐があまりない、と言う。

けれど、ぼくは思います。

周囲より良い評価を頂いている。給料も申し分ない。

あなたがお書きになっているそれらはおそらく「やり甲斐」の一部です。

 

あなたにはおそらく、そういったすべてが心の奥底で、頭の中で、なんとなくわかっている。

「自己実現と現実のバランス」をうまく取りながら、毎日を生きている。

ただ、時々、心が揺らぐことがある。

もう一度言いましょう。

あなたは頑張っている。

エラいこっちゃ。

あなたが正しいと考える道を進んで行けば、いつかあなたは、ご自分の人生のバランスや調和に到達するとぼくは信じます。

喪中の正月に紋付き羽織袴を着るのは、正しくないことでしょうか?
晴れ着と考えたらNGでしょうが、紋付き羽織袴って喪服としても着るしなあ…
よくわからず、とりあえず着ちゃったよね。

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将来の不安、現在の迷い、過去の後悔……自分で処理できない気持ちを矢吹さんがお答えいたします。

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関連書籍

矢吹透『美しい暮らし』

味覚の記憶は、いつも大切な人たちと結びつく——。 冬の午後に訪ねてきた後輩のために作る冬のほうれんそうの一品。苦味に春を感じる、ふきのとうのピッツア。少年の心細い気持ちを救った香港のキュウリのサンドイッチ。海の家のようなレストランで出会った白いサングリア。仕事と恋の思い出が詰まったベーカリーの閉店……。 人生の喜びも哀しみもたっぷり味わせてくれる、繊細で胸にしみいる文章とレシピ。

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