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編集部日記

2020.03.28 更新 ツイート

コロナの時代の愛竹村優子

今年の桜はとりわけ特別に思う。金曜日の渋谷にて

3月23日
3月30日に予定している町田康さんと奥泉光さんによる「しらふで生きる」刊行記念イベント開催をどうしたらいいかと週末からずっと悩んでいる。3月上旬に発せられたイベント自粛要請のときは、3月下旬には状況が改善しているかもしれないから中止・延期にはしないでおこうと思ったけれど、いざ近づいてみると、改善していない。会場のロフトプラスワン、町田さん、奥泉さんに連絡し、相談する。

 

3月24日
一晩考え、中止・延期にしようと決める。楽しみにしてくださっている方には申し訳ないと思いつつ、この不安な状況のなかで無理して行うこともないな、と。安心した気持ちでお酒について語り合いたいし、サイン会もやりたいし。ただ、いったん決めていたものをやめる決断をするというのは、心に大きな負荷がかかるものだな、と実感。あらためて再調整できるときまでしぶとく待ちたい。

チケット払い戻しについては、ロフトプラスワンのサイトをご確認ください。

午後、新宿歌舞伎町で打ち合わせ。歌舞伎町でお店をいくつも展開されている方と。出歩くなと言われても、家のなかにだけ大事なものがあるわけじゃないですよね、という話が印象深かった。そして原稿の執筆スピードを上げるために、打ち合わせ日を頻繁に設定して、その日までに書き進めてもらうことにする。

会社に戻り、三校ゲラを確認。明日夕方には、修正済みデータが必要というスケジュールなので、バイク便で戻す。

3月25日
深夜未明にオリンピックの延期が発表されていた。

自宅から駅に行く途中にある、ドラッグストアにトイレットペーパーが入荷している。入荷はしていたのかもしれないけれど、私の活動時間には全然目にすることができなかったので、12ロール入りをひとつ買って、いったん家に帰る。基本、買い置きしない生活なので、すべてがぎりぎりでまわっている。

社内の打ち合わせと原稿づくり。夜、表参道で用事。終わったら、小池知事の緊急記者会見で週末の外出自粛要請が発表されていた。帰り道のコンビニで冷凍食品(おかずになりそうなものと、果物と野菜)を購入。冷凍食品のハンバーグとかれんこんつくねとか、はじめて買った。

明日朝の定例plus会議は、中止にしましょう、と連絡する。

3月26日
実家からお米と梅干が送られてくることになった。味噌とだし昆布はあるので、昨日の冷凍食品とあわせれば、しばらく大丈夫。トイレットペーパーだけでなく缶詰やインスタント食品も買い置きしないし、多めに作って冷凍したりする習慣もなく、そのときどきの買い物しかしてこなかった。自分の生活基盤の脆弱さを感じる。

会社で津田大介さんの朝日新聞の論壇時評「コロナ禍と国家」を読み、グローバル経済と国民国家の関係は変わっていくのかな、と考えているところに、ダースレイダーさんの連載「礼はいらないよ」原稿が届く。コロナと国民国家とグラフィティライターたちの話。少し修正をお願いする。

今日は、映画「街の上で」の最終試写会に行けず、5月1日に公開されてから観ることにする。「ソン・ランの響き」も観に行きたいな。

3月27日
ダースレイダーさんの修正原稿が届く。鈴木綾さんのから外出禁止のロンドンから近況報告も届く。早く公開したほうがいいと思い、通常の更新日は気にせず、「礼はいらないよ」は土曜日朝、「月が綺麗ですね」は日曜日朝で設定する。

午後、阿佐ヶ谷で打ち合わせ。

夜、渋谷で髪を切る。厳しい外出規制になったらどうしよう、と思い、来週の予約を繰り上げてもらった。

帰り道、自宅近所のカフェに寄って、今だったら、映画「コレラの時代の愛」を見たいよね~、などという話をする。コレラ蔓延の時代にひとりの女性を待ち続ける男性の物語。その内容に興味があるというより、「コレラ」と「コロナ」が似ているだけのこと。でも、「コロナの時代の愛」と置き換えると、火曜日の歌舞伎町での、家のなかにだけ愛があるわけじゃないという話を思い出す。
 

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竹村優子

幻冬舎plus編集長と単行本、新書、文庫の編集に携わる。手がけた本は、『世界一の美女になるダイエット』(エリカ・アンギャル)、『青天の霹靂』(劇団ひとり)、『職業としてのAV女優』(中村淳彦)、『快楽上等!』(上野千鶴子・湯山玲子)、『大本営発表』(辻田真佐憲)、『弱いつながり』(東浩紀)、『赤い口紅があればいい』(野宮真貴)、『じっと手を見る』(窪美澄)、『銀河で一番静かな革命』(マヒトゥ・ザ・ピーポー)、『しらふで生きる』(町田康)など多数。

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