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北極かえるのコモンロー日誌

2019.11.08 更新 ツイート

10万人参加の気候変動ストライキに参加してきた

カナダの人々はなぜグレタに心を揺さぶられたのか吉村静

遡ること9月27日金曜日、バンクーバーのシティホールを出発地点に、多くの子どもや若者を含む約10万人が、「Global Climate Strike(グローバル気候ストライキ)」に参加した。カナダ東側のモントリオールではさらに多い50万人が参加したという。

スウェーデンの環境活動家、Greta Thunberg(グレタ・トゥーンベリ)さんの活動から始まったこのムーヴメントはバンクーバーでもよく話題になっている。私も初めてグレタさんのスピーチを見た時、おもいきりビンタを食らった感じがあったのを覚えている。

 

この日は従業員がストライキに行けるように店を休みにするところがあったり、バンクーバー市内のカレッジや大学でも多くのクラスが休講になった。また、ストライキ前日にアパレルショップやコミュニティセンターで「ストライキ用の看板作りワークショップ無料!」とかやってるのには驚いた。ダンボールとかペンとか全部向こうが用意しているから、何も持っていない人でも気軽に参加できるのがいい!

​​​​「アイ(私は)・スクリーム(叫ぶよ)・フォー・アクション(行動を起こしてもらうように)!」
「(絶滅した)恐竜たちも時間があるって思ってたと思うよ」

バンクーバーの人たちはもともと環境問題に関して意識が高く、普段から行政が環境問題に対してどんな取り組みをしているかよく見ているし、先日カナダの首相を決める選挙があったけれど、各党の環境問題への公約も重要な争点になっていた。

だから今回のストライキは、もう国籍とか関係なく、みんなで一緒になって団結する時がきているんだっていう感じがあった。10万人もの人がなぜ参加したかと考えると、コミュニティ全体で進むべき道を再度確認する意味もあったんじゃないかなと。みんなで「おかしい!」って叫ばなきゃなんだ! という熱意も感じられた。私も多くの同志がいることを目にして勇気が沸いたと同時に、初めて、ちゃんと政治に参加しなくては! と強く反省した。友人は「ここ20年くらいで、市民がこんなに団結した日はないよ。移民が集うこの町で、再度コミュニティを形成する機会になった。グレタには感謝だよ」とも。

もちろん賛否両論がある。歩いている途中に「解決策あるんかい!」って叫ばれたし、「グレタの背景には利益を狙った大人がいる」「なんで学校休んでまで……」など、様々な意見を目にした。

しかし、多くの人が彼女にインスピレーションを受けたことは間違いない。それに今地球で起きている危機は明らかなわけで、彼女を疑うことよりその解決に向けて行動すべきじゃない? という意見に私は賛成だ。

素敵な看板~!
結婚式で誓います! という意味での「I do!」から「I do want Climate Justice(気候変動に対する公平性を求む!)」。Climate Justiceとは、地球温暖化は政治的な問題であり、罪もないのに気候変動の影響を受けるのは途上国の人たちで、そこにある人権問題の不正義を正す必要がある! という考え方。

私が勤めるアウトドアショップでは、売り上げ目標の他に「サスティナブル目標」ってのもあったりする。ゴミを減らす工夫や、近隣のコミュニティと一緒になってできることはないかなど、職場でもオープンに気候変動について話し合われている。日本はどうなんだろう?

みんなお祭りみたいな感じで楽しそうだった

※実際の様子の動画もぜひ → https://twitter.com/cbcnewsbc/status/1177745575564980224?s=20

 

私が環境への負荷を減らすために実践していることと言えば、消費を抑え、食べ過ぎず、健康を維持するという草の根活動だ。なるべく地元の食材でご飯を作る、車に乗らずに歩く(私の場合は職場まで走るか自転車)、野菜を少しでもいいから育ててみる(いっぱい採れたら人にあげる、もしくは種をあげる)、穴の空いた靴下を捨てずに直す。そういう生活の基本的なことを怠らないように意識していると消費は自然と減る

それとカナダでは「流行先取り!」感がなくて、見た目より長く使えるものが選ばれるから、「いつもちゃんとした服装してなきゃ」と心配せず、無駄に新しいものを買わずに済むのもいいところ。まぁもちろん人にもよるけれど、そういう社会の雰囲気や教育も社会を変えていく大事な要素だ。

「人間のみなさ~ん、あなたも絶滅危惧種って気づいてるかしら……? by シャチとみつばちより」

包装紙やパッケージのないスーパーも出てきたし、シャンプーや調味料やらを自分が持っている瓶や使い終わったヨーグルトの容器などに入れてくれるショップもある。

野菜のケールを根ごと掲げる参加者。食べれる看板! これぞゼロ・ウェイスト!笑

「ない」ものの中で生活するには、知恵がいる。でもその知恵を絞り出すのが楽しいし、生活を豊かにしてくれる。もう一度小さなものに光をあてたり、愛でたりすることの喜びを実感できる。

「今まで先住民たちが言い続けてきたことを私たちがちゃんと聞いていれば、この危機は免れたのでは? 資本主義のせいである!」

もし、ものを買うときは、「これ本当に必要かな?」ともう一度考える。家にある「何か」が代わりにならないかなぁとか、人から借りれないかなとか。また買うとしても、そのかっこいい、かわいい、美味しい、が一体どこからどんな風にやってきて、どんな犠牲がはらわれているんだろうって考えるだけでも違ってくる。はたまたグレタのようにもう肉を食べないという選択肢もあるだろうし、動植物への命を尊敬しながら、特別な日に命を「いただく」選択肢だってあると思う。

私のメッセージは「We live together.」みんな一緒に生きている。
人間中心の社会を見直すべきだ~!

自然との信頼関係を回復するためにでやれることはまだあるはず。重箱の隅突きは終わりにして、できることから始めようぜ! えいえいオー!

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北極かえるのコモンロー日誌

移民大国カナダのユニークな制度「コモンロー」を利用し、2019年、永住権を取得したひとりの日本人女性がいます。「自然に囲まれた土地で、自分らしく生きたい」と日本を飛び出し世界中を旅したすえに、彼女はなぜカナダを選んだのか? カナダでの暮らし、コモンローって何? 生き方の選択肢を探る連載です。[アイコンデザイン / 永井あゆみ]

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吉村静

1987年、新潟県長岡市生まれのランナー。走歴25年。ランニング雑誌の出版社に勤めた後にカナダへ渡り、トレイルランニングやハイキング、日々のお散歩に没頭する。カナダで2年過ごしたのちに南米やニュージーランド、インドなど様々な国で写真を撮りながら旅をする。2019年からカナダの永住権を取得し、現在はバンクーバーで暮らす。トレイルランニング用品専門店Run Boys! Run girls!のウェブにてアウトドアスポーツのある生活を綴る「Tip of the iceberg Newspaper」という名のブログも更新中。バンクーバーのヌーディストビーチで開催される裸のランニング大会Bare Buns Run2014年大会女子の部優勝。

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