
今回のお悩み人「友達の愚痴に延々と付き合わされて困っています」
大学時代からの親友について相談させてください。彼女は数年前に転職をして、しばらくするとそこの職場で知り合った既婚男性と不倫関係になってしまいました。彼女は40代後半、その男性は50代半ば。正直、いい大人が何やってるんだと思います。
ほかに相談できる人がいないらしく、私のところに毎日のようにLINEで彼との関係について延々と心情を吐露してきます。「初めてこんなに人を好きになった。不倫だけど、お互い気持ちは本物」と、やたらとテンションの高いことを言う日もあれば、「彼は私のことをセフレにしているだけなのかな」と凹んでいる日もあり、かなり精神的に揺れている様子です。
友達だからちゃんと話を聞いてあげないとと、はじめは延々と来るLINEに応じていたのですが、夜のリラックスタイムが彼女の相手で終わってしまうことが度々あり、だんだんストレスになってきました。でも、ちょっと返信しないでいると、「こんな愚痴ばっかり言ってる私のこと見捨てて当然だよね。今までごめんなさい、ありがとう」みたいなLINEが来るので、なんかかわいそうになってまた相手をしてしまいます。
率直に言って困っています。もう少し頻度を減らしてもらえないかと思います。どうしたらいいでしょうか?(40代会社員)
あなたは、罪悪感チンピラにカツアゲされています

友達の愚痴、長話に延々付き合わされて困っているけれど、なんだか気の毒なので見捨てることもできない。こういったお悩みは結構よくあります。ただ、よくある悩みだからといって、それが簡単な悩みだとは限りません。
今回のお悩みを解決するポイントはふたつあります。
まずひとつめのポイントは、「この人は私をトイレにしていないだろうか?」と自問自答してみることです。
悩みを抱えているとき、信用できる人に悩みを打ち明けることには絶大な効用があります。それは、「話す」という行為そのものが持つ効果とも言えます。人に理解してもらえるように話すには、なぜその悩みを持つに至ったのか、話を組み立て、何を悩んでいるのか、はっきりさせる必要があります。
つまり、お悩みを持っている人は、話しているうちに「自分が何に悩んでいるのか」を整理できるのです。実際、精神科のカウンセリングでは、この「悩みを持つ人自らが自分の悩みを語る効用」をとても大事にしています。
相談相手に自分の悩みに共感してもらって気が済んでしまう場合もありますが、それが本気の悩みである場合は、自分の悩みを整理して把握する、という段階を踏むと、次のステップに進みたくなります。つまり、悩みを解決したくなるのです。
なので、次に愚痴を聞くときは、「ああこの人は、あれから試行錯誤をしたんだな」と分かるような発言が交ざってくるはずです。つまり相談→悩みの整理→解決のための試行錯誤→失敗→また相談という、らせん階段を上っていくような形になると思います。
ところが、中には、同じ愚痴をずっと言い続ける人がいます。
そういう人たちは悩みを相談したいのではなく、言ってみれば、相談相手(つまりあなたのこと)を「トイレ」にしちゃっているのかな、と疑ってみたほうがいいと思います。
生きていて何かの出来事に触れると、怒りを覚えたり、悲しくなったりします。
当然のことですよね。なぜなら、感情とは人間に備わっている「反射」だからです。感情とは生理現象です。お水を飲んでしばらくしたらオシッコをしたくなるし、ご飯を食べてしばらくしたらウンチをしたくなりますよね。それと同じです。
でも、オシッコをしたくなったりウンチをしたくなったりしたときに、どこでも垂れ流す人はいませんよね。必ず、してもかまわないところに行ってからするはずです。
感情もそれと同じ、生理現象なので、怒りや悲しみ、苦しみ、イライラを感じることがあっても、「どこで出すか」を決めることができます。にもかかわらず、感情に関しては、そう思っていない人が結構いるのです。TPOに関係なく感情的になっている人を見かけると、「垂れ流しているなあ」と思ったりします。
お友達が、もし同じ愚痴を延々と垂れ流し、解決する行動に出ている様子がないのだとすれば、やっぱりあなたを「トイレ」にしているのではないかと思います。
お友達は「セフレにされているのかな」と悩んでいるそうですね。「セフレ」とは、「性欲」という生理現象の排泄先にされていることの言いかえだと思います。お友達はそのことで苦しんでいるにもかかわらず、自分は友達をトイレにしてしまっているわけです。
このように人は、混乱していたりショック状態だったりすると、自分が何をしているのか、わからなくなってしまうときがあります。
そんなときにはやはり、「ちゃんと断る」ということが大事になってきます。
「ごめん、これから映画を見るから」
「ごめん今日はひとりで考えごとをしたいから、明日以降返事するね」
など、自分が対応できる時間を決め、対応できないときには断るしかないと思います。
でもあなたは同時に、「断ってしまうとなんだかかわいそう」とも感じているのですね。
そこがふたつめのポイントです。
「あなたしか聞いてくれる人がいない」
「私ほんとにダメな人間だよね」
「でもどうしたらいいかわからない」
「ごめんね、ほんとに。愚痴ばっかりで」
などなど、お友達の愚痴には、こういう言葉がふりかけのようにまぶされていませんか。
それは、あなたを気遣っているのではありません。もちろん、自分を責めているのでもありません。それは何かというと、あなたの罪悪感を刺激しているのです。
人は「罪悪感」を抱いてしまうと、相手を拒絶しにくくなります。お友達はそれを知ってそう仕向けています。あなたはまんまと、「なんだか気の毒だし、聞いてあげなきゃ」という気持ちにさせられているのです。
言ってみれば、「罪悪感チンピラ」が、あなたの貴重な時間を「カツアゲ」している。そうご理解いただきたいと思います。
ここまでの話をまとめますと……
ポイント(1)「この人は私をトイレにしているかどうか?」と自問自答してみる。
もしYESならば、「これ以上聞きたくない」とはっきり断るか、対応する時間を決めて伝える。「まっとうな相談」であっても自分の貴重な時間を削ってまで対応する必要はありません。
ポイント(2)「この人は私の罪悪感を刺激していないか?」と自問自答してみる。
もしYESならば、「私は罪悪感チンピラにカツアゲされてるんだ」と強く自覚し、できないことははっきり伝える。罪悪感に負けない。
ということになります。
さて、そこでおすすめなのは「叶稲荷尊天(かのういなりそんてん)」です。これは東京赤坂の豊川稲荷にある小さな祠(ほこら)にお祭りされているお稲荷様なのですが、縁切り、縁結びに絶大なご利益があるとされています。
私自身もご利益にあずかったことがあります。
お参りに行ったときに特に縁を切りたい人はいなかったのですが、お参り後、とある小さなトラブルをきっかけに、結果的には鮮やかなかたちで、ずっと腐れ縁だった人間関係が整理されたことがありました。お参り後に起きた出来事だったので、こんな風にご利益が形になるのだなと、後で気がついて大変に驚いた記憶があります。
必要なご縁だけを残してくれる「自動断捨離機能」のある叶稲荷尊天に、機会がありましたらお参りされてみてはいかがでしょうか。
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