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助けて!神様・仏様

2023.03.03 更新 ツイート

恋人がうつ病になり、どうしたらいいか分からないときに頼る仏様 岡映里

今回のお悩み人「恋人がうつ病になってしまった」

遠距離で付き合って7年目の彼のことで相談です。
もともとまじめな性格ですが、激務や実家の事情などでメンタルをやられてしまい、仕事に行けなくなり、メンタルクリニックを受診したところうつと診断されたそうです。診断後は、こちらから連絡しても、あまり返信が返ってこないのでやきもきしてしまいます。私のことを嫌いになったのか、それともうつで返せないのか、どっちなんだろうと思うとこっちまでメンタルがやられてしまいます。
会う回数も、2、3カ月に1回程度になってしまい、会っても楽しそうではなく、「自分と一緒にいても幸せになれないと思うから、別れよう」などと暗い顔で言われてしまい、その都度私の方が引き留めるような感じです。
彼とは一緒にいるのが当たり前のように感じているため、支えてあげたいですが、とても不安で自信がありません。現在、私自身も不安定になってきており、どうしたらいいかわかりません。いろいろなサイトを見て、いい方法を考えてみても、不安が消えないです。
どうしたらいいでしょうか。アドバイスよろしくお願いします。
(ゆうか 28歳)

 

焦らずじっと待ちながら祈りましょう

彼がうつ状態になってしまったとのこと、お見舞い申し上げます。

うつ状態は主にストレスや仕事のし過ぎからくる脳の過労状態(オーバーワーク)が引き金となって起きるので、本が読めなくなったり、メールやLINEのへ返信が遅くなったりできなくなったりします。会話をしていても、脳がうまく働いてくれずに意味をうまく理解できずに呆然としてしまったりもします。

そのような症状を改善するには、ゆっくり休んで脳疲労を取ることがまず大事ですが、休むことへの罪悪感や焦りからちゃんと休めない人も多いものです。そうして症状がぶり返して長引いたりしてしまいます。

彼は、連絡をしても返信があまり返ってこなくなったり、会う頻度が2、3カ月に1回になったりしているとのこと。これは「うつの人あるある」の行動です。あなたを嫌いになったのではなく、連絡をしたくても脳が疲れすぎていてキャパオーバーになってしまい文面が思い浮かばなかったり、あなたに会うにしても異常にだるく感じて出かけられなかったりしているのだと推測します。

こういうとき、どうしたらいいのか。

それは、「あなたのことを心配しているよ」と伝えつつ、「放っておく」。

連絡を取るのは主にLINEになるでしょうから、文例としてはこんな感じになるでしょうか。

「今度〇〇君と会いたいけど、どうかな? 会えそうだったら会わない? でも、当日だるくて出られなかったらドタキャンでもいいよ」
「最近どうしてる? 〇〇君のこと心配してるけど、返事はできるときでいいからね」

あくまでプレッシャーをかけないことを念頭に置くことが大事です。

逆にしない方がいいのは、焦らせてしまうことです。うつが長期化するのは、焦りから、しっかりと休み切らずに中途半端に活動を開始してしまうことがきっかけになります。焦りを生むような言葉がけは避けた方がよいでしょう。

例えば「〇〇君、運動するとうつが治るらしいから、一緒に運動しようよ」など、体調を度外視して自分の考えを押し付けてしまうなどです。また当然ですが「頑張って」と励ますことも焦りにつながるので避けた方が無難です。相手がじっくり療養することを第一に考えてあげるといいと思います。

ですが、その間、ついあなたも頭をよぎってしまったように、「自分のことはもう好きじゃないのか」という考えにとらわれることは多くなると思います。LINEの既読スルーが続けば「脈なし」に見えますし、デートが2、3カ月に1回なら、それも「本命の彼女」に対する扱いに見えない……そうついつい思ってしまうのも無理のないことだと思います。

実は私も、大事な恋人がうつ状態になったことがあります。毎日のように話す関係だったので、それは心配でしたが、「よく休んで」以外の言葉をかけることができなかった私は、とてももどかしく感じたものです。

兵庫県香美町にある長楽寺・但馬大仏の薬師如来像(写真:takapon/PIXTA)

そのころ私がしていたのは、恋人から関心を離し、毎日散歩をすることでした。散歩の途中に薬師如来を本尊とするお寺があったので、そこに必ず立ち寄って彼の快癒を祈っていました。薬師如来とは、人々を病苦から解放してくれる仏様です。ご利益があったのか、彼の体調はほどなくして回復しました。

こんな話があります。それは、精神保健福祉士の養成校で学んだのですが、「祈り」というのは実際に効力効果があるものなのだそうです。

アメリカでは祈りが病人の回復に対し効果があるのかどうかについての研究が盛んです。山川紘矢・亜希子ご夫妻はこんなふうに書いています。

祈りについて多くの著作のあるラリー・ドッシーが、医学専門誌に次のような実験例を発表しています。
カリフォルニア大学で行われた実験では、心臓病の患者393人を、192人と201人の2つのグループに分けました。そして、192人のグループにだけ毎日、他の人々から祈りを送ってもらいました。
すると、祈りを送ってもらったグループでは9人の病状が悪化したのに対して、送ってもらわなかったグループでは48人も悪化したそうです。
(ダイヤモンド・オンライン 2016/8/19)

ゆうかさんも、彼からいったん離れて散歩をしたり別の趣味を作ったりするなどして、彼の回復をゆっくり待ってみてはいかがでしょうか。そして時折、薬師如来のご加護をいただき、彼が健やかになることを祈るといいでしょう。

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岡映里

作家・占い師・精神保健福祉士。1977年埼玉県三郷市生まれ。慶應義塾大学文学部卒業後、2000年に新潮社に入社。週刊新潮記者として東日本大震災を取材、その時の体験を『境界の町で』(リトルモア)にまとめ、作家デビュー。2017年4月に独立した。現在は震災で得た双極性障害の闘病と克服の体験から、精神疾患に苦しむ人に向けたソーシャルワークとカウンセリングを活用した占い師として活動している。photo by Pascal Vossen

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