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2019.01.07 公開 ポスト

アメリカでアジア人であること佐久間裕美子

アメリカに来る前、アメリカ人には白人、黒人、アジア系、ヒスパニックがいる、くらいのことしか理解していなかった。初めてのアメリカは、北カリフォルニアのスタンフォード大学だった。私が大学2年のときに参加した、大学生のための夏季短期留学制度のプログラムには、留学生の世話係として現役学生のボランティアたちが「ホスト」として相手をしてくれた。インド系の双子、白人のラストネームを持つ韓国人学生(白人家庭の養子として育ったと言っていた)、台湾人、フィリピン系、そして白人……想像以上に多様だった。

今思うとずいぶんプログレッシブなプログラムだったと思う。フルタイムで働くお母さんに話を聞いたり、同性愛者を受け入れる教会を訪ね、レズビアンのカップルに話を聞いたりもした。会った人たちはかなり高い確率でアジア人だった。スープキッチン(ホームレスに食事を提供する場所)で、給仕のボランティアをして、ホームレスの多くが精神疾患を患っていることや、女性のホームレスの大多数は、虐待から逃げ出してきた人たちだと知った。米軍の基地を訪ね、レクチャーをしてくれた金髪の米軍の広報官を見て、ぼんやりと「今回会ったなかで、一番、自分が想像していたに近いアメリカ人のイメージに近いなあ」と思った。アメリカは想像していたほど白くなかった。

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佐久間裕美子『ピンヒールははかない』

NYブルックリンひとり暮らし。どこまでも走り続けたい。 ニューヨークで暮らすようになって、もうすぐ20年になる。 ここでは「シングル=不幸」と思わせるプレッシャーがない。 周りには、果敢に恋愛や別れを繰り返しながら、社会の中で生き生き と頑張っている女性が山ほどいる。一生懸命生きれば生きるほど、 人生は簡単ではないけれど、せっかくだったら、フルスロットルで めいっぱい生きたい。だから自分の足を減速させるピンヒールははかない。 大都会、シングルライフ、女と女と女の話。

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NYで暮らすようになって20年。ブルックリン在住のフリーライターが今、考えていること。きわめて個人的なダイバーシティについての考察。

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佐久間裕美子

1973年生まれ。ライター。慶應義塾大学を卒業後、イェール大学大学院で修士号を取得。98年からニューヨーク在住。新聞社のニューヨーク支局、出版社、通信社勤務を経て2003年に独立。アル・ゴア元アメリカ副大統領からウディ・アレン、ショーン・ペンまで、多数の有名人や知識人にインタビューした。翻訳書に『日本はこうしてオリンピックを勝ち取った! 世界を動かすプレゼン力』『テロリストの息子』、著書に『ヒップな生活革命』『ピンヒールははかない』がある。最新刊はトランプ時代のアメリカで書いた365日分の日記『My Little New York Times』。

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