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キョーレツがいっぱい

2015.03.10 更新 ツイート

第5回

痴漢とわたし 小野美由紀

田房永子さんの「男しか行けない場所に女が行って来ました」(イーストプレス・刊)を読む。
田房さんの、男の勝手な欲望に対する怒りはすさまじい。すさまじい怒りを、冷静に微分して、一枚の布の網の目のひとつひとつを数えるように丹念に描写される。多くの女性は、共感せずにはいられないのではないか。
特に秀逸なのは、田房さんの痴漢についての考察だ。ウェブの記事としても執筆されている。(www.lovepiececlub.com/lovecafe/mejirushi/2014/08/19/entry_005292.html

私は、なるほど、痴漢と言うのは、『膜』のような絶対的主観で自らを守っているからこそ、あんな大胆なことができるのか、と納得しながら読んだ。

わたしは痴漢にあったことがほとんどない。他の性犯罪もない。おそらくは容姿が理由だろうと思う。私は自分が男から「性の対象」にされにくい容姿をしている、と思う。顔の造作とか体型とかいうことではなく、雰囲気が。
ナンパ師の友達にも「小野さんは、一人で歩いている時は下を向いてものすごいスピードで歩いているから、怖い。僕がもし他人だとしたら、絶対に声をかけない案件だと思う」と言われたことがある。確かに私は四六時中考え事をしながらすごく早足で歩いている。本を読んでいることさえある。街中で一番声をかけづらい人種だろう。この前、リュックを背負いながら本を片手に歩く自分の姿をふとショーウィンドウで見たら、二宮金次郎にそっくりだった。

だから、痴漢にあった経験も、ほとんどない。
無いんだけど、思い出したら、2回あった。
これからその話をする。…

 

<本記事は公開を終了しました。続きは電子書籍でお楽しみください。>

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いつから世の中はこんなにカオスになったのか?!
共同体からはみ出した問題児たちの渦に巻き込まれていく、痛快エッセイ。
個性的な面子を笑っていたつもりが、
いつの間にか背中にナイフが刺さっている――?!
ブスとは何か、セックスとはなにか、女の友情とは何か。
日常で覚える違和感を克明に炙り出す。

 

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小野美由紀 ライター・コラムニスト

1985年東京都生まれ。慶應義塾大学文学部仏文学専攻卒業。2011年、震災を描いた絵本「ひかりのりゅう」の発売のためクラウドファンディングを立ち上げ、2014年に出版。著書に『傷口から人生。』(幻冬舎文庫)、『人生に疲れたらスペイン巡礼』(光文社新書)がある。

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