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13歳のきみと、日本の歴史を動かした事件の話をしよう。

2026.10.10 公開 ポスト

【平安時代】パート2

「大名」という呼び方の由来が、意外過ぎ!でも歴史の流れがよくわかる!房野史典

日本の歴史を面白く読ませる、房野史典さん。『13歳のきみと、戦国時代の「戦」の話をしよう。』は、いまだに増刷を続けるロングヒット作品ですが、今回の連載は「歴史を動かした”事件”」で歴史を読んでいこう!というもの。

今回、ようやく出てくるよ!道長に、紫式部に、清少納言!!さあどうぞ!

*   *   *

でも……褒めてやってください、それでも政府はギブらなかった(当たり前か)。

「どうにか税を……とる!!」

と、”国司改造計画”を絞り出すんですよ(国司)。

 

 

官職ってね、

4つのランク《長官(かみ)・次官(すけ)・判官(じょう)・主典(さかん)》にわかれていて、

国司にも《守(かみ)・介(すけ)・掾(じょう)・目(さかん)》のランクがあったんですね。

で、今まではこの4ランクからなる国司が、4~6人のチーム編成で現地に赴任していたんです。が、政府はトップの”守”1人に、政治、軍事、裁判などに関する強力な権限と全責任を与え、その代わり、

「とにかく税を徴収して! それさえ達成すりゃ後は好きにしていいから!」

という最重要ミッションを課したんですね。この、すんごい責任と権限を持った国司を

『受領(ずりょう)』

と言いまして、政府は彼らに地方支配の全てを託したんです。

 

そこから受領たちは頭を捻ります。そしてついに、

 

受領「調とか庸は、人にかかってる税だから、人がいなくなるとメチャ困る。———あ! じゃあ”動かないもの”をターゲットにすればよくない!?」

 

と、発想の転換をブチかまし、”土地に税をかける”ことを思いつく。「調や庸も”田んぼの面積に応じて回収”する!」ってことにしたわけです。

そこから、田んぼを「名(みょう)」という単位にエリア分けしていき、それぞれの「名」に、納税を請け”負”わせる「負名」という責任者を設定。

要は、各田んぼに”農業のプロ”を置いて、経営から税の支払いまでの全てをお任せしたんですね。これぞ名付けて、「負名体制(負名制)」……って言うんだけど、いやいや、そんな簡単に農業のプロが見つかるわけ———

 

受領「君たちのその才能、これからは納税というジャンルに活かしてみないか!」

富豪層「いっちょやってみっか!」

 

すぐ見つかります。なんと受領、「税なんて払うか!」と”国家に抵抗していた”富豪層の力に目をつけ、”国家サイドに取り込んで”負名にしちゃったんです(昨日の敵は今日の友)。

 

ちなみに負名は、農業経営者の面からは「田堵(たと)」と呼ばれました(ちとややこしいけど、「負名」も「田堵」も同じ人を指してます。僕を例にとると、職業面では「芸人」や「作家」と呼ばれるけど、家に帰ると「パパ」になる、みたいに単に呼び方の違いね)。

んで、いくつもの「名」を請負い、どデカい経営をした田堵を「大名田堵」と言ったんですが、これが「大名」の由来となったんですね。

 

このように、いろんな改革が行われた摂関期。だけど、

 

朝廷「反乱!!? 1ヵ月前に起こったばっかなのに!!?」

 

バラエティ豊かに反乱まで起こっちゃうのがこの期間。

坂東で(現在の関東)で「平将門の乱」。その1ヶ月後に瀬戸内海で「藤原純友の乱」。”武士”による大規模な反乱が、東西ほぼ同時に勃発するんです。

そして、この反乱を鎮めたのもまた、武士です(将門を藤原秀郷と平貞盛が、純友を橘遠保が討ちとる)。

 

そう、この頃にはすでに、

『武士』

が誕生していたんですね。彼らがどうやって生まれたのかは……次パートで触れましょう。

 

そうこうしていると、摂関政治は「藤原道長」と「藤原頼通」親子のときに全盛期を迎えます。

そんなイケイケの藤原氏、そして天皇家と密接に関わった「紫式部」と「清少納言」が、「源氏物語」と「枕草子」という、現代まで残る超大傑作を生み出したのもこの頃です。

ちなみに、関白は公卿の会議(「陣定(じんのさだめ)」)に出席しない決まりだったので、「直接政治をコントロールしてぇよ!」となった道長は、関白になったことがありません(関白のように文書をチェックする)「内覧」という地位には就きました)。

その上、摂政になった期間も、たったの約1年。なのに、道長のときに“摂関政治が全盛期“って、なんか変な感じですよね。

 

そんでも道長は、なんと娘を4人も天皇に嫁がせることに成功(やっぱ全盛期)。頼道に至っては関白を50年も務めたし、もちろん娘を天皇に嫁がせた———けど、男子が生まれなかった。

その結果、約170年ぶりに“藤原氏を外戚(母方の一族)としない“「後三条天皇」が誕生するんですね(ひいおじいちゃんは道長だけどね)。

 

後三条は「延久の荘園整理令」(あとで説明!)を発布するなど、バリバリ親政を行い、後三条のあとには、息子の「白河天皇」が即位します。

で、その次に白河の弟、その次もまた弟……でいきたかったそうです、後三条的には。しかし、

「弟じゃなくて、子どもに継がせたいよね」

と考えた白河が、我が子・堀河天皇に譲位して、自分の子孫への皇位継承を固めちゃうんですね。

 

ただ、即位したときの堀河は幼い。なので、セオリー通り摂政が代わりに政治を行ないました。んで、堀河が成人すると、関白とともに政治を行なっていた、

のだけれど

堀河が若くして亡くなってしまうんですね。すると、堀河の子が「鳥羽天皇」として即位するけど、このとき鳥羽は5歳。なので、また摂政がかわりに政治を、となるはずが——

(つづく)

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13歳のきみと、日本の歴史を動かした事件の話をしよう。

『笑って泣いてドラマチックに学ぶ 超現代語訳戦国時代』『笑えて、泣けて、するする頭に入る 超現代語訳 幕末物語』『13歳のきみと、戦国時代の「戦」の話をしよう』などなど、ロングな人気作の多い房野史典さん。

絵がうかび、笑いながら読んでいたら、気づけば頭に入ってた! という、驚異の歴史語りは、一度読んだら大人も子供もみんなハマる! 

歴史の大先生方からもお墨付きをいただいている房野さんの新連載は、「有名な事件を読み解くと、歴史の動きが見えてくるよ!」ということを教えてくれます。

歴史の面白さがグングン深まっていく、ゾクゾクする感覚をお楽しみください。

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房野史典

1980年、岡山県生まれ。名古屋学院大学卒業。お笑いコンビ「ブロードキャスト!!」のツッコミ担当。無類の戦国武将好きで、歴史好き芸人ユニット「ロクモンジャー」を結成し、歴史活動にも意欲的。子どもたちに歴史の面白さを教える授業も好評。

初の著書『笑って泣いてドラマチックに学ぶ 超現代語訳 戦国時代』でブレイク。その後、『笑えて、泣けて、するする頭に入る 超現代語訳 幕末物語』『13歳のきみと、戦国時代の「戦」の話をしよう。』『読んだらきっと推したくなる! がんばった15人の徳川将軍』など、続々刊行、いずれも人気作に!河井敦先生との共著に『面白すぎる! 日本史の授業――超現代語訳×最新歴史研究で学びなおす』も。

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