ロマンシング・サガ3の完全リメイクが発表されたそうだ。
ここで話は30年前に遡る、の一言で飲み込めるほど軽い月日ではないのだが、あの日から何も成し遂げないまま30年経ってしまったのだから仕方がない。

当時中学生だった私は当然のようにノーフレンドイエススーファミキッズであり、年に数回だけ購入できるゲームだけが唯一の楽しみだった。
そして私はVジャンプの新着ゲーム発売記事にて「ロマサガ3」の発売決定を知り、そこに描かれていた主人公キャラの1人「ハリード」に一目ぼれし、推定定価「10,094円」という、今思えば当時の小中学生のことを一切考慮していないゲームソフト購入のために半年計画を実行することとなった。
ちなみに30年たった今なら「10,094円」の数字列に平常心かというと、そうでもなく「特典として北里が3人ついてこない限りこの価格設定はおかしい」と思うので、当時よりゲームソフトの価格が若干下がっているのはありがたいことだ。
ロマサガ3は私にとって思い出のゲームであり、聞かれてもないのに各所で買うに至るまでの経緯を語っていたのだが、実はまだ語ってないこともある。
その部分に興味を持たれているとも思えないが、いつも通り勝手に語ることにする。
まず「ハリードのイラストを見て一目ぼれした」というと、ロマサガのキャラクターデザインをしていた小林智美先生の絵を思い浮かべるだろうし、それなら一目ぼれもやむなしと思うだろう。
もしロマサガのキャラデザがさいとう・たかをとかだったら「中一女子にしては渋い」という感想になるはずだ。
だが、実は私が最初に見たハリードのイラストは小林智美作画ではなく、別のイラストレーターが描いた、おそらくVジャンプ内のゲーム紹介記事用のためだけに描かれたイラストだったのである。
だから今現在、小林智美作画のハリードやそれに寄せてデザインされたハリードが好きかというとそうでもない、という変な状態になってしまっているのだが、トータルで好きなキャラなのは間違いない。
問題は、もらった小遣いをその日に溶かさなきゃ死ぬ生物だった私を半年の貯金に走らせたあの絵を描いたのは誰だったのかという話だ。
現在まで探し出すことができていなかったのだが、今は「AI」という新たな文明がある。
早速AIに探させたところ「Vジャンなら犬マユゲの石塚祐子じゃね」という雑な返答が返ってきた。
令和になって「犬マユゲ」という言葉を聞くとは思わなかったが、なんと犬マユゲは現在も続いているらしい、恐ろしい長寿連載であり、それを知れただけでも聞いてよかった。
確かに石塚さんはゲーム記事のイラストも描いていたのでその読みは正しい、だが私はAIに「すまないが犬マユゲじゃないことだけは覚えているんだ……」と伝えるしかなかった。
実際、同じ等身が低い画風ではあったのだが、当時も「犬マユゲの人が描いているわけじゃなさそうだ」と思ったのは覚えているし、気づけば記憶の中心が犬マユゲになってしまっている。
だからといって犬マユゲで終わるAIでもなく、30年前ごろのVジャンプの画像を拾ってきてくれたのである。
その中で確かに、私を一目ぼれさせたハリードのイラストが掲載されており、まずは私の存在しない記憶でないことが実証された。
しかし、調査は今のところそこまであり、誰が描いたかまではわからなかった。Vジャンプでしか見ない絵だったため、イラストレーターですらなく、絵が描ける編集部員が描いたコープのチラシ方式だった説すらあるが、さすがに雑誌の表紙までは描かせないだろう。
結局誰が描いたかはわからなかったが、リメイク発表の日に、当時購入を決意させたイラストに再会できたのは感慨深い。
そしてもう一つ語っていない話があるのだが、ゲームソフト発売前に私はこのゲームの「設定資料集」を購入していた。
ゲーム代捻出だけでも大変だったのに、私がどうやってこれを買ったかは覚えていないが、オタクは全員設定資料集が好きだし、少なくとも突然主語が巨大になってしまうぐらいには好きなので買わないわけにはいかないのだ。
ゲーム発売まで、その資料集は私の宝となったのだが、泥酔した父が何故か室内で放尿し、宝が聖水にまみれるという事件が起こった。
父の名誉のためにいうと、常習的にそういうことをしていたわけではなく、私が知る限りでは1回しかない、つまり私が設定資料集を買ったタイミングで、たまたま父が室内で放尿しただけである。
この件について他に語ることはない。ただそれをロマサガ3リメイク版発売発表の日に思い出しただけだ。
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