
かつて寺山修司は「書を捨てよ、町へ出よう」と題した作品を書いたが、「町」にはいったい何があるのだろうか。
町には他者がいる。そして、土地ごとに物語がある。人が集まる場所には必ず物語が生まれ、語り継がれていく。
それは、伝承や民話のようなわかりやすいストーリーではないかもしれない。むしろ、言語でない部分にこそ豊かな物語が眠っている。ある町に降り立った瞬間、空気や地面を通して町そのものが語りかけてくるようなことが、確かにある。
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文豪未満

デビューしてから4年経った2022年夏。私は10年勤めた会社を辞めて専業作家になっ(てしまっ)た。妻も子どももいる。死に物狂いで書き続けるしかない。
そんな一作家が、七転八倒の日々の中で(願わくば)成長していくさまをお届けできればと思う。