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台湾ごはん、何食べる?旅ができる、その日のために

2020.09.06 更新 ツイート

コロナ第二波に備え、ママたちはマスクに突進!?台湾カレーはおふくろの味 竹中式子

台湾人の阿米(左)と日本人の美菜(右)の、台湾ごはんを巡るコミックエッセイ「呷飽未? 阿米與美菜樂食記」が台湾で好評発売中。日本版「台湾ごはん何食べる?」は11月中旬刊行予定です

「カレーを作りたい!」と真夜中に突然思いたち、太陽が昇った途端、朝市へ駆けていったときのことです。野菜やお惣菜、洋服を売る出店がひしめくなかに人だかりの一角が。群がるご婦人の隙間をぬってのぞいてみたら、そこには箱詰めのマスクが山積みになっているではありませんか。

 

マスクは第2回でお話ししたように、保険証を持っていれば2週間に1回、9枚をコンビニで受け取れますが、6月からはドラッグストアやスーパーでも自由に手に入るようになりました。私は「2週間に1回、確実に買えるんだから」と、のんきにしていたのですが、どうやら台湾のみなさんはもっと先のことを考えているよう。

「今は夏で暑いけど、11月くらいから涼しくなってきたら、またコロナが流行るかもしれないでしょ。だから最近、主婦たちがマスクを買いだめしてるの。マスク売り切れのドラッグストアも多いから、見つけたら買っといたほうがいいよ」

台湾の姉貴分であるハルさんの言葉が脳裏によみがえり、台湾媽媽(ママ)たちに並んで私も思わずマスクの箱に手を伸ばしました。そうして予定外の50枚入りマスク3箱を、ナス、オクラ、インゲン、パプリカ、豚ミンチ、台湾製のカレールーとともにお持ち帰り。

「マスクと食材を朝市で買うなんて、台湾媽媽っぽいわぁ」なんて思いつつこの日、私が煮こんだのは夏野菜のカレー。カレーって、発作的に食べたいというより作りたくなっちゃうときがあるんです。

台湾にもカレー屋さんはあります。夜市の屋台で出ていることも。

「台湾でカレーを食べなくても」と思われるかもしれませんが、台湾のベーシックなカレーは、今や日本ではなかなか食べる機会のない、懐かしいおうちカレーなのです。

私を癒やしてくれた「和太咖哩屋」

黄色みが強くて、ひと口大のジャガイモとニンジンがコロコロ、玉ねぎはあめ色になんか炒めません。「小難しいスパイス配合、隠し味、何それ? カレーの味はカレー粉です!」といったシンプルな在り方は、アラフォー以上の方に子供時代に食べたお母さんのカレーを思い起こさせるでしょう。

台湾に住み始めたばかりのころは私も初々しく、初めての海外生活に緊張して食事がまったくのどを通らず。そのうえ風邪をひいてしまったものの、言葉も通じない病院へ行く勇気がなく、「このまま異国で朽ち果てるのか……」と、ゲストハウスの陽のささない薄暗い部屋のなかで咳を連発していました。

ほどなくして風邪が治ったとき、私が願ったのはただひとつ。

「カレー……カレーが食いたい……」

すぐにGoogle mapに「咖哩」と打ち込み、近所のカレー屋さん「和太咖哩屋(フータイカーリーウー)」に駆け込みました。正確には営業時間前に着いてしまったので、開店まで15分くらい待ちました。いったん家に帰るなんて余裕はありません。開店と同時にカレーを、すぐ! 一秒でも早く! 身体に流しこみたかったのです。

帰り際に外観を撮影。開店を待っている間は、時間はあるものの、カレー食べたさに写真を撮る心の余裕はありませんでした

はたして、口にしたカレーは病み上がりの私の身体にスーッと溶けてゆき、胃はポカポカと活動を始め、「ああ、私、生きてる」と命の喜びすら与えてくれたのでした。

そんな癒やしの台湾カレーですが、日常は人を貪欲にさせますね。ゲストハウスからシェアハウスに移り(ここも陽がささない部屋)、食欲も取り戻した私は「レトロカレーだけじゃなく、スパイスの効いたカレーはないのか」と思うように。

それから、いろいろなカレー屋さんを渡り歩きました。そして私が感じたのは、「台湾のカレーはまだ発展途上」だということです。

最近、日本的なスパイスカレーの店もチラホラ出てきましたが、どうもパンチが弱くスパイスが活かしきれていない。そして「お、これは」と思う店のオーナーはマレーシアやインドネシアなどスパイス使いの手練れの方々で、台湾人ではないことが多いのです。台湾の人は薄味嗜好だから、ということも関係しているかもしれません。

「正宗馬來西亞咖哩雞飯(ジェンジョンマーライシーヤーカーリージーファン)」のマレーシアチキンカレー。見事なスパイス使いです

そんななか、「家咖哩(ジャーカーリー)」は久々のヒットでした。

「家咖哩」のグリーンカレー

東部の花蓮からその味が広まり、台北に2店舗、台中に1店舗を出店。花蓮は原住民が多い街として知られています。原住民独自の黒コショウに似たスパイス「馬告(マーガオ)」を使った「邦查綠咖哩豬(バンチャーリュウカーリージュー。ポークグリーンカレー)」は、タイのグリーンカレーとは違ったまろやかさの向こうに馬告のさわやかな風味を感じます。その味に感激して、二日連続で足を運んでしまいました。

この店の写真をInstagramにあげたところ、かつてのルームメイトから「私も家咖哩、大好き」と2年ぶりのコメントが。台湾の人も、複雑な深みのある味に興味がないわけじゃないんです。


まだ軍配はレトロカレーに上がってはいますが、発展途上ということは進化が期待できるということ。おふくろの味の先を目指す台湾カレーの状況を、引き続き注視してゆく所存です。

最後に私が訪れたカレー店のいくつかを、一気にご紹介しますね。

東京・青山のライブハウス「⽉⾒ル君想フ」の台北支店へは、台湾在住のスパイスカレー難民(日本人)が訪れています
可愛い雑貨を販売する「蘑菇 MOGU」が手がけるカフェの人気カフェ飯はカレー
「佐藤咖哩」は埼玉県春日部市出身の日本人オーナーのおうちカレーがベースに
スープカレー専門店もあります。「銀兎湯咖哩」は、台北市内に6店舗展開する人気店です
1か月ほど滞在した台南でもカレー熱がたかまって、「O M HUT」に駆けこみました
「印度風咖哩茶坊」では、カレーピラフやカレー焼きそば、カレー鍋など、メニューはカレーづくし

■店舗情報(1)
和太咖哩屋(フータイカーリーウー)
住所 台北市大同區蘭州街107號
営業時間 11:30~14:00、17:30~20:00
休み 日曜
→FB

■店舗情報(2)
正宗馬來西亞咖哩雞飯(ジェンジョンマーライシーヤーカーリージーファン)
住所 台北市大安區泰順街26巷53號2樓
営業時間 12:00~23:00
休み なし

■店舗情報(3)
家咖哩(ジャーカーリー) 台北松菸店
住所 台北市忠孝東路四段553巷46弄4號
営業時間 月曜~金曜11:45~14:30、17:30~21:00 土曜・日曜11:30~21:00
休み なし
→公式サイト

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