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暮らしの中に終わりと始まりをつくる

2020.05.14 更新 ツイート

朝イチにお風呂を洗って、 意識をシャキッと覚醒させる一田憲子

「暮らしのおへそ」「大人になったら、着たい服」の編集ディレクターであり、『丁寧に暮らしている暇はないけれど。』『面倒くさい日も、おいしく食べたい!』『大人になってやめたこと』などの著者である一田憲子さんの最新作が『暮らしの中に終わりと始まりをつくる』です。

コロナウイルスの影響でたくさんの商業施設が休館となり、働き方も変わり、1日の大半を自宅で過ごすという人も増えている中、家事や掃除のやり方について改めて考えている方も多いのではないでしょうか。
また、移動がほとんどない毎日の中で、どう生活にリズムを付ければいいか、悩んでいる方もいるのではないかと思います。

本書では、数多の暮らし上手な人を取材し続けてきた一田さんが実践している、生活をリセットしていく小さな習慣をたくさんご紹介しています。

未曽有の状況で不安や焦りを抱える毎日ですが、本書で自宅時間を少しでも発見のあるものにして頂けたら幸いです。
 

 

朝起きて半身浴をした後に、まず取り掛かるのはお風呂掃除です。とは言っても、洗剤を使って丁寧に洗うわけではありません。右手にファイバークロス、左手にシャワーを持ち、お湯をかけながらこするだけ。ものの5分で終了です。ただし、ここからが本番! 昨夜使ったバスタオルで、バスタブや壁、床の水分を拭き取ります。もちろん壁全部を拭くのは大変なので、手が届くところだけ。さらに、お風呂のフタもサッと拭いて、バスルームに設置した強力突っ張り棒にかけておきます。これをしておくと、カビがほとんど発生しないので。

あ~、今日は忙しいし面倒だなあと、パスしたくなる日もあります。でも、そうすると胸のどこかに敗北感が押し寄せるので、「たった5分だし!」と自分に言い聞かせて、半身浴からの流れで掃除を開始。手を動かしている間に、後ろ向きの気持ちは消え去り、さっさか作業を進めます。何かをするのに腰が重たくなるのは、考えるから。「あ~、嫌だなあ~」と気が重たくなるのは、動かないから。考えるより前に、手と足を動かし始めると、自分のエンジンがかかります。

さっぱりと拭き上げて、窓を大きく開けて風を通したバスルームを後にする時、「は~、気持ちいい!」と毎回思います。頭と心と体が本当に目覚めたという感じ。
原稿に追われていて、切羽詰まっている日には、このお風呂掃除をサボることがあります。気ばかりが先へ先へと焦り、起きてすぐパソコンの前に座るのですが、時間がないはずなのに、ぼんやりとした頭で、フェイスブックをチェックしたり、ヤフーニュースを流し読みしたりと、ちっとも集中できません。どんなに時間がなくても、ちゃんとお風呂を掃除した方が、そのあとの効率がぐんとアップする、ということがわかってきました。私にとって、毎朝のお風呂掃除は、意識を目覚めさせるためのスイッチにもなっているよう。

「頑張って」何かをしようとしても、気分が乗らないと、さっぱり前へ進みません。ダラダラモードに突入した時には、いったい私の「やる気スイッチ」はどこにいってしまったんだろう? と呆然とします。以前はそんな自分を責めたり、「私ってなんて気分屋なんだろう」と落ち込んだり……。でも、歳を重ねると「やる気」というものは、意志の力で起こすものではない、ということがわかってきました。

若い頃は、自分の力以上のものを抱えることで、伸び代を広げてきました。常に、「もっといい仕事がしたい」「もっと豊かな人生にしたい」と足らないものを数えていた気がします。でも、いつまでも背伸びをしていると疲れてしまいます。50歳を過ぎた頃から「自分がすでに持っているものを、いかに効率的に使うか」を考えるようになりました。それは、つまり自分自身のパフォーマンスを上げる、ということ。私は、今の私以上にはなれないから、自分の「本領」をいかにうまく動かすかを考えよう。そのためには、体調を管理し、心を鎮め、自分を整えることが大事。こうして、暮らしの中に、自分のご機嫌をとるしかけをあれこれ作る工夫をするようになったというわけです。

なんだかやる気にならない。そんな時に有効なのが、「何か」とは、まったく別のことをすることです。仕事をしなくちゃ、夕飯の準備をしなくちゃと、イヤイヤながら取り掛かると効率が上がりません。そこで、「何か」から一歩離れて、回り道をしてみます。仕事の前にちょこっと掃除をしてみたり、夕飯の準備の前に自分が好きなお茶を入れて飲んでみたり。そうやって一直線に目的地へ向かわずに、回路を切ってから、もう一度立ち戻ると「イヤイヤモード」から集中モードへと自然に切り替えることができる気がします。

毎朝のお風呂掃除は、1日の始まりの意識をシャキッと覚醒させるための儀式。お風呂さえきれいになれば、きっといい日が始まる……。暮らしの中に、そんなスタートラインを作るのもなかなかいいものです。

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関連書籍

一田憲子『暮らしの中に終わりと始まりをつくる』

1日、月ごと、年ごと。自分をリセットしていく人生の習慣41。暮らしも人生も、「一段落」を取り入れると、みずみずしく動き始めていきます。

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暮らしの中に終わりと始まりをつくる

『丁寧に暮らしている暇はないけれど。』『面倒くさい日も、おいしく食べたい!』『大人になってやめたこと』著者・一田憲子さん最新作! 自分をリセットしてくれる「人生の習慣」41。

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一田憲子 編集者・ライター

OLを経て編集プロダクションに転職後、フリーライターとして女性誌、単行本の執筆などを行う。2006年、企画から編集、執筆までを手がける「暮らしのおへそ」、2011年に「大人になったら、着たい服」(共に主婦と生活社)を立ち上げる。自身のウェブサイト「外の音、内の香」(http://ichidanoriko.com/)も運営。著書に『丁寧に暮らしている暇はないけれど。』『面倒くさい日も、おいしく食べたい!』『大人になってやめたこと』『おしゃれの制服化』などがある。

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