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暮らしの中に終わりと始まりをつくる

2020.08.20 公開 ツイート

1日の終わりに「いいこと」を思い出すと、翌日気持ちよくスタートできる 一田憲子

「暮らしのおへそ」「大人になったら、着たい服」の編集ディレクターであり、『丁寧に暮らしている暇はないけれど。』『面倒くさい日も、おいしく食べたい!』『大人になってやめたこと』などの著者である一田憲子さんの最新作が『暮らしの中に終わりと始まりをつくる』です。

コロナウイルスの影響で生活スタイルが変わり、家事や掃除のやり方について改めて考えた方も多いのではないでしょうか。本書では、数多の暮らし上手な人を取材し続けてきた一田さんが実践している、生活をリセットしていく小さな習慣をたくさんご紹介しています。

未曽有の状況でまだまだ不安定な日々ですが、本書で自宅時間を少しでも発見のあるものにして頂けたら幸いです。

毎日元気に機嫌よく過ごすためにも、仕事をバリバリこなすにも、新しいことに「へ~」と感動するにも、大事なのは、ぐっすりと眠ることだと思います。「このごろなんだか、いいことないよなあ」とか「どうして私ったらいつもこうなんだろう?」と、マイナスのことばかり考えるようになったら要注意。そんな時には、夕飯を食べ終わったら、早めにお風呂に入り、とっとと寝てしまいます。ぐっすり睡眠を取るだけで、翌朝目覚めたら、縁側から太陽の光が差し込むのを見て「なんてきれいな朝なんだろう!」と思える自分に変身しています。そして「どうして、昨日はあんなにクヨクヨ考えていたんだろう?」と不思議になるのです。睡眠ってすごい!

だからこそ、深く眠れるように工夫を凝らします。まずあれこれ試行錯誤して選んだのが枕。以前、枕が合わず、朝目覚めると肩がバリバリに凝っている……という状態に陥って、インターネットでいろいろな枕をチェックしました。そして、見つけたのが、今使っている「通販生活」の「メディカル枕」です。これは、枕の端は硬くて高さがあり、中央は柔らかくてくぼみになっているというもの。自分がフィットする部分を探して頭をのせれば、首筋や肩をしっかり支えてくれて、安眠ができます。

シーツは、イタリアリネンなど、あれこれ高価なものも試したけれど、今は「無印良品」のコットンシーツと麻のシーツを季節によって使い分けています。布団は、実家からもらってきた羽毛布団。実は、白いカバーはかけていたものの、中身はげんなりするような花柄でした。つい最近、打ち直しに出して真っ白な布団生地に取り替えてもらいました。羽毛も洗って整えてもらったら、フワッフワに。最近では、インターネットでオーダーすれば、布団袋を送ってくれて、それに入れて返送すれば、約1か月で、新品同様に変身した布団が届くので便利です。

もうひとつ、冬になくてはならないのが湯たんぽです。人は、足先や指先が温まらないと眠れないと言います。冷たい足のまま布団に入り、温まるのを待っていたら、冷え性の私は時間がかかる……。だから湯たんぽに助けてもらいます。昔ながらの陶器の湯たんぽにお湯を入れて、毛糸のカバーに入れ、お風呂に入る前にベッドにセットしておきます。お湯は、少しずつ冷めるのがいいところ。寝る前はホコホコですが、眠ってしまうと少しずつ冷めて、布団内が熱くなりすぎず、ちょうどいいのです。それでも朝までなんとなく人肌に温かい……。そんな自然の温度変化が体には合っている気がします。

最後に、ぐっすり眠るための大事なコツがあります。それが、その日あった「いいこと」を思い出すということ……。「暮らしのおへそ」の取材で教えてもらった習慣ですが、当初は「え~、そんなことで何かが変わる?」と半信半疑でした。でも、その日ベッドに入って、「ちょっとやってみるか」と試してみたのです。

それまでは、ベッドに入って眠りに落ちるまで、「ああ、あれはもう少しこうすればよかったな」とか「あの人にあんなこと言われちゃったなあ」とか、ついついマイナスのことばかりをぐるぐる考えていました。でも、無理やり「いいこと」を思い出してみたら……。「今日取材先でいただいたご飯、最高においしかったよな~」「今日のテニスは楽しかったよなあ」。たったそれだけで、なんだか胸があったかくなるような、心の中がひたひたと幸せの波で満たされるような気分になって、その効果にびっくり!

人は「思い方」だけで、人生を変えることができるんじゃないか、と思います。若い頃は「いったいどうやったら幸せになれるんだろう?」とずっと考え続けていました。あの時は、何かと何かの条件が整ったら、幸せになれるんだと信じていた……。でも、歳を重ねた今、人は「幸せと思えば幸せなんだ」ということがだんだんわかってきました。同じことが起こった日にも、「悪いこと」を思い出すと悪い日になり、「いいこと」を思い出せばいい日になる……。できれば「あ~、私って幸せ」と思いながら眠りに落ちたいなあと思います。

関連書籍

一田憲子『暮らしの中に終わりと始まりをつくる』

1日、月ごと、年ごと。自分をリセットしていく人生の習慣41。暮らしも人生も、「一段落」を取り入れると、みずみずしく動き始めていきます。

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暮らしの中に終わりと始まりをつくる

『丁寧に暮らしている暇はないけれど。』『面倒くさい日も、おいしく食べたい!』『大人になってやめたこと』著者・一田憲子さん最新作! 自分をリセットしてくれる「人生の習慣」41。

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一田憲子 編集者・ライター

OLを経て編集プロダクションに転職後、フリーライターとして女性誌、単行本の執筆などを行う。2006年、企画から編集、執筆までを手がける「暮らしのおへそ」、2011年に「大人になったら、着たい服」(共に主婦と生活社)を立ち上げる。自身のウェブサイト「外の音、内の香」(http://ichidanoriko.com/)も運営。著書に『丁寧に暮らしている暇はないけれど。』『面倒くさい日も、おいしく食べたい!』『大人になってやめたこと』『おしゃれの制服化』などがある。

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