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ウイルスにもガンにも 野菜スープの力

2020.04.16 更新 ツイート

ウイルスから肺炎にいたるメカニズム前田浩

病気予防に効果的な野菜スープ。そのレシピから、ウイルス・ガンはもちろん、現代社会が抱える問題まで徹底解説した『ウイルスにもガンにも野菜スープの力』(前田浩著)から、一部を抜粋してお届けします。抗がん剤の世界的研究者による、健康になるための一冊です。

*   *   *

新型コロナやインフルエンザにかかって亡くなったと聞くと、ウイルスが人を攻撃して死にいたらしめたと思いがちですが、実はウイルスはきっかけにすぎないのです。私達は、マウスを使って、このことを証明しました。

実験で明らかになったのは、マウスにインフルエンザウイルスを感染させると、そのマウスは死ぬのですが、マウスの死体からはウイルスが全く見つからないということでした。

なぜなら、ウイルスによって直接マウスが殺されたのではなく、感染後の炎症 反応によって、つまり、宿主であるマウスの持つ防御反応の過剰な流れ弾で、自 身が傷ついて肺炎を発症していたからです。これを私達は「ウイルスなきウイル ス病」と呼んでいます。1989年、世界で初めてこの事実を突きとめ、科学雑誌『サイエンス』に発表しました。

マウスとインフルエンザの実験で分かったことは、マウスがウイルスに感染後、数日で大量の活性酸素が肺に発生し、肺炎が起こったということです。発生した活性酸素量は、非感染のマウスの200~600倍もありました。

ウイルスが侵入すると、免疫を司る白血球から、ウイルスを殺すための活性酸素が猛烈に放出され、ウイルスは全滅したのです。ところが、急激に増えた活性酸素が肺の細胞や組織をも傷つけ、炎症が起こり、発熱や肺炎にいたります。活性酸素はまさに諸刃の剣なのです。

ウイルスは死にいたる病気の引き金ではありますが、直接の病因・死因は増え すぎた活性酸素だったのです。つまりウイルス侵入後でも活性酸素を少なくすることができれば、発症の予防が可能なのです。

(写真:iStock.com/sittithat tangwitthayaphum)

以上は実験室の清浄な雑菌のいない環境でのデータですが、現実の生活環境に はあらゆる細菌、病原菌が多く浮遊しています。それらの菌は、インフルエンザ ウイルス感染で傷ついた上気道の細胞に付着し、容易に血中に入り、複合感染(重感染)し、致命的になるわけです。もうこのときは手遅れになりうる状態です。ウイルスには抗生物質は効かないといわれていますが、こう考えると、細菌や病原菌に対して効く抗生物質の併用も必要だといえます。

新型コロナウイルスやインフルエンザウイルスが猛威をふるっているとき、感染しないためには、室内の換気に気を配る、手洗いやうがい、マスク着用などももちろん大切です。でもさらに活性酸素を除去するために、ファイトケミカルを豊富に含む野菜スープを飲むことも忘れないようにしましょう。

たとえウイルスに感染してしまったとしても、活性酸素を除去する「ファイトケミカル野菜スープ」を習慣的に飲んでいれば、軽症ですむか、早い回復が期待できます。

寒い冬の季節でしたら鍋物や温かいスープは食卓に上りやすく、この時期の食事としては理想的です。また、毎朝の味噌汁も、野菜をたっぷり入れて作ると良いでしょう。「簡単・作りおき」野菜スープのレシピは、第3章でいくつかご紹介いたします。

前田浩『ウイルスにもガンにも野菜スープの力』

病気予防に効果的な野菜スープ。
そのレシピから、ウイルス・ガンはもちろん、現代社会が抱える問題まで徹底解説!
抗がん剤の世界的研究者による、健康になるための一冊。

〈参考文献〉
•W.F. Ganong, Review of Medical Physiology, pp. 1-774, Lange Medical Books., Network, CT, USA,とくにCh. 23, PP. 375-413.
•W. Regelson & C. Colman, The Super-hormone promise-Nature’s Antidote to Aging, pp.11- 346, Simon & Schuster, N.Y, 1996
•W. Pierpaoli, W. Regelson, C. Colman, The Melatonin Miracle: Nature's Age-Reversing, Disease-Fighting, Sex-Enhancing Hormone. Simon & Schuster, N.Y. London……
•堀江重郎「ヤル気が出る! 最強の男性医療」、文春新書、pp. 1-207(2013)
•堀江重郎「対談集 いのち 人はいかに生きるか」、かまくら春秋社(2018)
•産経新聞、読売新聞、中高年ひきこもり61万人、2019年3月30日
•厚生労働省「患者調査」、精神疾患を有する総患者数の推移、精神保健医療福祉のデータと政策(平成29年)http://www.mhlw-houkatsucare-ikou.jp/guide/h30-cccsguideline-p1.pdf
•平成30年中における自殺の状況、厚生労働省社会・援護局総務課自殺対策推進室 警察庁生活安全局生活安全企画課、平成31年3月28日
• Rachel Carson, Silent Spring( 邦 題: 沈 黙 の 春 ), 1962, PP.1-317, Penguin/Geography/environment science, N.Y.
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•前田 浩、化学と生物、vol.55, No.7501-509(2017)
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•奥野修司 2020年3月19日、3月26日号 週刊新潮 •『トマトとイタリア人』内田洋子 シルヴィオ・ピエールサンティ 文藝春秋

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ウイルスにもガンにも 野菜スープの力

病気予防に効果的な野菜スープ。そのレシピから、ウイルス・ガンはもちろん、現代社会が抱える問題まで徹底解説! 抗がん剤の世界的研究者による、健康になるための一冊。

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前田浩

1962年東北大学農学部卒業/1964年カリフォルニア大学 (Davis 校)大学院修了(フルブライト奨学生)/1968年東北大学大学 院博士課程修了(指導:医学部石田名香雄教授)、東北大学医学部細菌 学講座助手、ハーバード大学ダナ・ファーバーガン研究所主任研究員/1971年熊本大学医学部微生物学講座助教授/1981年同教授/ 2005年熊本大学名誉教授(医学)、同年崇城大学薬学部教授、2011年 同特任教授/2016年同栄誉教授、現在、(財)バイオダイナミックス研 究所理事長・所長/大阪大学招聘教授(医学)、東北大学特別招聘プロフェッサー

〈研究テーマと抱負〉高分子型抗癌剤、癌血管の透過性にかかわる現 象の EPR 効果、感染における生体内ラジカルの生成、炎症による生 体内活性酸素と抗酸化食品による癌予防、癌の蛍光ナノプローブに よる検出と光照射療法

〈受賞歴〉日本細菌学会浅川賞、高松宮妃癌研究基金学術賞、ドイツ生 化学会および国際 NO 学会の特別号発刊により顕彰、王立英薬学会 Life Time Achievement Award受賞、日本DDS学会 永井賞、日本癌 学会吉田富三賞、2016年トムソン・ロイター引用栄誉賞(化学部門)、 米国ミシガン州Wayne State Universityより2017 Roland T. Lakey 賞受賞、2018年瑞宝中綬章受章、西日本文化賞、米国サンアントニオ 市名誉市長、米国オクラホマ州名誉州民など多数

〈趣味〉ワイン

 

 

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