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ウイルスにもガンにも 野菜スープの力

2020.04.13 更新 ツイート

活性酸素を中和してウイルスをブロック前田浩

病気予防に効果的な野菜スープ。そのレシピから、ウイルス・ガンはもちろん、現代社会が抱える問題まで徹底解説した『ウイルスにもガンにも野菜スープの力』(前田浩著)から、一部を抜粋してお届けします。抗がん剤の世界的研究者による、健康になるための一冊です。

*   *   *

活性酸素という言葉を聞いたことがある人は多いと思いますが、誤解している 人もまた多く、「活性」という単語から元気で活発なイメージがわき、普通の酸素よりも身体に良さそうだなどと思っている人もいます。

しかし、元の英語は reactive oxygen species であり、これをアクティブ=活性 と訳したのが間違いで、reactive = 反応性のあるという意味ですから、正しくは「反応性の強い酸素」と訳すべきでした。

もっといえば過激= radical な酸素であり、私は活性酸素のことを「酸素ラジカル」とも呼んでいます。 言い換えれば、より強く他の細胞とその構成成分を酸化、攻撃してしまう酸素ということで、多くの場合、酸化反応により標的となる化合物は傷つき、別のものに変化さえするということを認識してください。

この世の中のものは何であれ経年変化をし、多くの場合空気に触れて劣化します。米にしても1年以上貯蔵したものは味が悪くなり、橋の欄干や鉄の手すりは放置すれば自然に錆びていきます。

ヒトも呼吸によって酸素を体内に取り込んでいるのですが、1~5%が活性酸素になるといわれています。

活性酸素は化学反応性の強い酸素分子であって、多くの物質と容易に反応・結合して相手の分子を酸化したり分解したりして変えてしまう。人体の細胞を傷つけ、細胞死さえももたらしてしまうのです。

ヒトの身体も錆びると考えると、ゾッとしませんか。

ウイルスによる肺炎も、ガンも、実はこの活性酸素が大きく影響しています。

私の専門は細菌学、微生物学、ウイルス学です。「微生物感染の分子病理学」「炎症のメカニズム」の研究を、日米両国で長年にわたって行ってきました。

この「炎症のメカニズム」を研究しているときに、活性酸素の生成メカニズムを明らかにすることに成功しましたが、研究の過程で、活性酸素が遺伝子の変異や細胞傷害、細胞死まで引き起こしていることが分かったのです。そして変異した細胞が、ガン細胞の発生に繋がっていたのです。

さらに活性酸素は、発ガンだけでなく、老化、動脈硬化、潰瘍、リュウマチ、アルツハイマー病の発症などにも深く関わっているといわれています。

そこで、活性酸素を中和することが、変異細胞を、ひいてはガン化細胞を作らないこと、つまり、ガンの予防になると確信したのです。ではどうやって中和すれば良いのか、それには活性酸素を中和する食品成分を探し出し、効果的に体内に摂取すれば良いのではないか、と考えました。

そして抗活性酸素力のある成分を含む、野菜に注目したのです。

私は今回の新型コロナウイルス予防に対しても、野菜に含まれる成分の効果的な摂取が、ガンや他の病気と同じく、極めて有効であると考えています。

前田浩『ウイルスにもガンにも野菜スープの力』

病気予防に効果的な野菜スープ。
そのレシピから、ウイルス・ガンはもちろん、現代社会が抱える問題まで徹底解説!
抗がん剤の世界的研究者による、健康になるための一冊。

〈参考文献〉
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•堀江重郎「ヤル気が出る! 最強の男性医療」、文春新書、pp. 1-207(2013)
•堀江重郎「対談集 いのち 人はいかに生きるか」、かまくら春秋社(2018)
•産経新聞、読売新聞、中高年ひきこもり61万人、2019年3月30日
•厚生労働省「患者調査」、精神疾患を有する総患者数の推移、精神保健医療福祉のデータと政策(平成29年)http://www.mhlw-houkatsucare-ikou.jp/guide/h30-cccsguideline-p1.pdf
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•奥野修司 2020年3月19日、3月26日号 週刊新潮 •『トマトとイタリア人』内田洋子 シルヴィオ・ピエールサンティ 文藝春秋

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前田浩

1962年東北大学農学部卒業/1964年カリフォルニア大学 (Davis 校)大学院修了(フルブライト奨学生)/1968年東北大学大学 院博士課程修了(指導:医学部石田名香雄教授)、東北大学医学部細菌 学講座助手、ハーバード大学ダナ・ファーバーガン研究所主任研究員/1971年熊本大学医学部微生物学講座助教授/1981年同教授/ 2005年熊本大学名誉教授(医学)、同年崇城大学薬学部教授、2011年 同特任教授/2016年同栄誉教授、現在、(財)バイオダイナミックス研 究所理事長・所長/大阪大学招聘教授(医学)、東北大学特別招聘プロフェッサー

〈研究テーマと抱負〉高分子型抗癌剤、癌血管の透過性にかかわる現 象の EPR 効果、感染における生体内ラジカルの生成、炎症による生 体内活性酸素と抗酸化食品による癌予防、癌の蛍光ナノプローブに よる検出と光照射療法

〈受賞歴〉日本細菌学会浅川賞、高松宮妃癌研究基金学術賞、ドイツ生 化学会および国際 NO 学会の特別号発刊により顕彰、王立英薬学会 Life Time Achievement Award受賞、日本DDS学会 永井賞、日本癌 学会吉田富三賞、2016年トムソン・ロイター引用栄誉賞(化学部門)、 米国ミシガン州Wayne State Universityより2017 Roland T. Lakey 賞受賞、2018年瑞宝中綬章受章、西日本文化賞、米国サンアントニオ 市名誉市長、米国オクラホマ州名誉州民など多数

〈趣味〉ワイン

 

 

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