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猫は、うれしかったことしか覚えていない

2017.07.19 更新 ツイート

コウハイ、今日のうれしかったこと その4

寝てるふりをした。ねえたんのお役にたった。お部屋に戻れた。 石黒由紀子/ミロコマチコ

『猫は、うれしかったことしか覚えていない』(石黒由紀子・文 ミロコマチコ・絵)発売を記念して、石黒さんちのコウハイ(野良出身・オス・6歳)に、日々の「うれしかったこと」を教えてもらいました。

枕でもなければ、湯たんぽでもニャい。付け加えれば「うれめしニャ~」とやっているわけでもないのです。ボクが寝ている姿を、ゆっちゃんが盗撮しました。「寝ているときの顔、地味だよね」とか気づかないで! 考えてみるとね「こんなふうに手足を伸ばして眠れるって、しあわせ~」なんて思って。しあわせって思えたのがうれしかったこと。

 

これは、午後4時ごろ。センねえたんとごはんを待っているときです。え? ごはんのじかんは5時よ。早過ぎ? ボク、寝ているように見える? じゃーん、寝てないよ! 寝てるふりをしてるだけ。だって、ねえたんが心配そうにボクを見てるから、うれしくて。もって見ててほしいから、寝たふりをしているわーけ! わかる? ボクのきもち。


 

センねえたんがさんぽから帰ってくると、足を拭くとかで少し待たされるわけ、玄関で。おみやげ(中味はねえたんのうんちらしい)を始末をするあいだも待たされるわけなのよ。だから「ねぇ、あれ、にゃに?」なんつって、ボクが話かけたりしてんの。ねえたんのお役にたってる感じがして、うれしいのよね。これって、サービス精神っていうの?

 

 

閉め出されました。ボクがベランダに出てることを気づかなかったらしいのよ。いいの? そんな不注意で。ボクはオトナだから柵から飛び出したりしないけどさ、その気になったらなんでもできちゃうからね? 「ニャ!」と短く鳴いてじーーーっと待ってたの。そしたらやっと開けてくれて。「ごめんねー」だって。お部屋に戻れてうれしかったなー。


 

はーい、しつもんでーす! ボクはどこにいるでしょう? ふっふっふ、わかんないでしょ? 見えないでしょー。隠れるって楽しいよね! だーいすき。ボクが隠れているとね「コウちゃん、どこー? どこにに行っちゃったのかなー」って、ゆっちゃんが探してくれるの。ちょっと棒読みだけど、うれしいの。それにしてもボクって、隠れる天才よね。

 

「猫は、うれしかったことしか覚えていない」出版記念
ミロコマチコの挿し絵原画展開催
【日程】2017年7月16日 ~ 2017年7月30日 まで
【場所】原宿 絵本が読める小さな喫茶店シーモアグラス

 

関連書籍

石黒由紀子『猫は、うれしかったことしか覚えていない』

梅干しの種を飲み込んで、開腹手術を受けた猫のコウハイ。苦しかっただろうに、獣医師によると、「また、誤飲しますよ」。猫には楽しい記憶だけが残るので、種を転がしておもしろかったな、とは覚えているけど、苦しかったことは忘れてしまうそう。うれしかったことだけ積み上げて生きていく。そんな猫たちの、可愛くて笑えて、沁みるはなし。

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石黒由紀子

エッセイスト。栃木県生まれ。日々の暮らしの中にある小さなしあわせを綴るほか、女性誌や愛犬誌、webに、犬猫グッズ、本のリコメンドを執筆。楽しみは、散歩、旅、おいしいお酒とごはん、音楽。著書に『GOOD DOG BOOK ~ゆるゆる犬暮らし』(文藝春秋)、『なにせ好きなものですから』(学研)、『さんぽ、しあわせ。』(マイナビ)など。『豆柴センパイと捨て猫コウハイ』、『犬猫姉弟センパイとコウハイ』(ともに小社刊)は、幅広い支持を受け、ロングテールで人気。

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