
故郷の大阪。
その故郷より長く暮らしている東京。
もしも、次に新しい地で暮らすなら?
と聞かれたら、わたしは盛岡と答えるんだと思う。
盛岡の街の雰囲気が好きだ。
駅から歩いてすぐの北上川にかかる開運橋。その上から見える美しい岩手山。訪れるたびにホッとする。
2026年、夏休みの東北旅。
盛岡に一泊し、その後、秋田の男鹿をめぐるプランである。
さて、盛岡に到着したのは午後3半。大慌てでホテルに荷物を預けて向かった先は、盛岡駅前、焼肉の名店「盛桜閣」。夜は絶対に長蛇の列になるはずなので、ならば中途半端な時間に行くのが得策であろう。
と、行ってみたらそこそこ並んでいたのだった。
午後3時半の焼肉。みんな一体、ナニごはん? え、おやつ? 自分もナニごはんかは不明だが、入り口で名前を書き、待つこと20分。入店。
広々とした店内にはテーブル席と座敷席。テーブル席に通され、さっそく焼肉。わたしはカルビとロースをタレで。昔はタン塩やハラミなども食べていたが、今はもうこの二択。焼肉にバラエティを求めないタイプである。最後はもちろん名物の盛岡冷麺。辛味は別添えで、味へんしながら。懐かしいもちもち麺。盛岡に来たーっと心の中で叫びつつ、淡々と食べ終える。
その後、お気に入りの喫茶店「カプチーノ詩季」で温かいカプチーノ。焼肉のテンションを一旦、沈める。
翌日は早朝から移動なので盛岡観光はほんの束の間。
夏の夕暮れ時。のんびり歩くだけでも、もう十分に楽しい街だった。
しばらく散歩して、今度は新しいカフェに入ってみた。
洋服ブランド「ミナ ペルホネン」が手掛ける カフェ「コータ ヨキ」。フィンランド語でコータは集う、ヨキは川だそうで、その名のとおり2階のテラス席からは中津川が見渡せる。
テラス席でホットコーヒー。8月なのに風にはもう秋の気配がする。
犬と散歩する人々が川沿いをゆったりと歩いている。猫も好きだが犬も好きだ。もし犬を飼ったら、絶対に猫っかわいがりするに決まっている。
けれども、わたしは犬を飼わない人生なのだと思う。そして猫も。気ままに旅に出たいから観葉植物すら家にはない。
閉店間際まで「コータ ヨキ」で過ごし、てくてく歩いて再び開運橋を渡って盛岡駅へ。
駅ナカのお土産屋さんを見て回る楽しいひととき。「チロル」のチーズケーキはテイクアウトで夜のおやつ用。軽く蕎麦を食べてホテルに戻り、やっぱ、盛岡ええなぁとテレビを見ながらケーキを食べた。
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ハレの日も、そうじゃない日も。
イラストレーターの益田ミリさんが、何気ない日常の中にささやかな幸せや発見を見つけて綴る「うかうか手帖」。










