1. Home
  2. 生き方
  3. うかうか手帖
  4. 豊橋カレーうどんの五箇条

うかうか手帖

2026.06.09 公開 ポスト

豊橋カレーうどんの五箇条益田ミリ(イラストレーター)

カレーうどんの下にとろろとごはん

 

 

ってどーゆーこと?

旅の途中で降り立った愛知県の豊橋駅。ちょうどお昼時。どんな名物があるのかな~と検索すると「豊橋カレーうどん」なるものがヒットしたのだった。

 

豊橋カレーうどんとは、

 

1 自家製麺を使用する

2 器の底から、ごはん・とろろ・カレーうどんの順に入れる

3 豊橋産のウズラ卵を使用する

4 福神漬又は壺漬・紅しょうがを添える

5 愛情を持って作る

 

以上の五箇条が決まりのようだ。

めっちゃ食べてみたい!

豊橋カレーうどんが食べられるおすすめの店を観光案内所で何軒か教えてもらい、駅から徒歩10分ほどの勢川本店へ。

10人ほど待っていただろうか。名前を書いて待つこと約15分。

「相席でもいいですか?」

とお店の方。

「いいです!」

一階の座敷席へ通される。店内は座敷の他にテーブル席、二階に案内されている人たちも。

天ぷらうどんや冷やし中華などメニューはいろいろあるが、ここはもちろん、豊橋カレーうどん。

どんなのかな~

というワクワク感はない。なぜなら相席の男性の豊橋カレーうどんがすでに見えてしまっているからだ。紙のエプロンを付け、ハフハフ食べていた。

ほどなくしてわたしの前にも豊橋カレーうどんがやってきた。

昔ながらの黄色いカレー。カレーしみしみの三角の油揚げが見え隠れしていて、食べる前からもうおいしそう。

カレーも好きだが、油揚げも好きなのだった。たいがいのものは油揚げでいけるとすら思っていて、カレーの肉はもちろん、たこやきのたこも、からあげの鶏肉も、うな重のうなぎもわたしは油揚げ代用OKなくらい。今回の二泊三日、愛知県旅では豊橋市のお隣、豊川市にある豊川稲荷も観光したのだけれど、豊川稲荷といえばきつね、きつねといえばお揚げ。参道には名物のいなり寿司もちろん、油揚げをバンズに見立てた「おきつねバーガー」を売る店も(むろん食べた)。カリッと焼いた油揚げにトンカツと野菜がサンドされているという夢のようなB級グルメである。油揚げ好きとしては、油揚げのさらなるコラボ化を願うばかり。モスバーガーあたりでやってくれないだろうか……。

さて、話は戻って豊橋カレーうどん。出汁のきいたカレーは濃い味で、頭にガツンとくるおいしさ。

口に入れる→すぐに何味かわかる

このストレートさが心地いい。

豊橋カレーうどんの食べ方として、「器の底へ箸をさして混ぜないように」とあり、その理由は「楽しみが半減してしまう」かららしい。

確かに、そのとおり。

ごはんにかかったとろろがカレーをガードしているので、ごはんにはカレーが染み込んでおらず白いまま。うどんを食べ終えたあと、第二幕のカレーライス劇場が始まるのである。久しぶりに食べるウズラ卵もほくほく優しくて、豊橋がウズラ卵の生産全国一位ということを豊橋カレーうどんで知るのであった。

{ この記事をシェアする }

うかうか手帖

ハレの日も、そうじゃない日も。

イラストレーターの益田ミリさんが、何気ない日常の中にささやかな幸せや発見を見つけて綴る「うかうか手帖」。

バックナンバー

益田ミリ イラストレーター

1969年大阪府生まれ。イラストレーター。主な著書に、漫画『すーちゃん』『僕の姉ちゃん』『沢村さん家のこんな毎日』『週末、森で』『きみの隣りで』『今日の人生』『泣き虫チエ子さん』『こはる日記』『お茶の時間』『マリコ、うまくいくよ』などがある。また、エッセイに『女という生きもの』『美しいものを見に行くツアーひとり参加』『しあわせしりとり』『永遠のおでかけ』『かわいい見聞録』や、小説に『一度だけ』『五年前の忘れ物』など、ジャンルを超えて活躍する。

幻冬舎plusでできること

  • 日々更新する多彩な連載が読める!

    日々更新する
    多彩な連載が読める!

  • 専用アプリなしで電子書籍が読める!

    専用アプリなしで
    電子書籍が読める!

  • おトクなポイントが貯まる・使える!

    おトクなポイントが
    貯まる・使える!

  • 会員限定イベントに参加できる!

    会員限定イベントに
    参加できる!

  • プレゼント抽選に応募できる!

    プレゼント抽選に
    応募できる!

無料!
会員登録はこちらから
無料会員特典について詳しくはこちら
PAGETOP