もう30年近く前になるが、あるラジオ音楽番組のDJの方が稲垣吾郎さんについて語っていたことがまだ記憶に残っている。「すごいびっくりしたの、全然においがしないの」と、においの「なさ」に驚いていたのを聞いて、今でも覚えているくらいには新鮮に感じた。
その頃の私は、昼休みに校庭で遊んで帰ってきては「なんか泥のにおいがする」と母親に言われ、給食の直後に帰ってきては「あんた今日給食くさいね……」と日々驚かれることが日常だった。私の母は、日々生活する自宅のにおいを「ない」と捉えており、だからこそ私が外からいつもと異なるにおいを持ち込む時に「ある」と認識して驚く。だからこそ、このDJの方が「ない」ことに驚いたのは私にとって新鮮だった。
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これはただの買い物じゃない

「買って応援」「買わずに拒否」の先にある、消費と社会の関係とは何か。気鋭の社会学者が自らの財布をはたいて「買い物」を解体する論考エッセイ。










