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ハイブリッド巡礼記

2026.07.10 公開 ポスト

#1 最強パワースポット、須佐神社、出雲大社を巡るささきかつお(作家)

作家の「ささきかつお」と申します。

児童書を中心に執筆していますが、幻冬舎plusでは「55歳のホッパーケーション」という連載をしていました。(へんてこな放浪記です。よかったらバックナンバーをご覧ください)

また旅に出ることにしました。

「ハイブリッド巡礼記って何よ?」てな声が聞こえてきそうなので説明しますと、神様と仏様をお参りする巡礼記です。日本各地の神社参拝と、四国八十八ヶ所巡礼(お遍路さん)を、足掛け2年くらいかけてボチボチと。連載1回目は、出雲の神社を巡ったお話から。

「で、そもそも何で神社巡り?」ですが、5月に発売された新刊に関係ありまして。

半神さまは修行中』(岩崎書店)

半人前の神様=「半神さま」が子供たちの願いを叶えようと奮闘するも空回り……てなエンタメ本です。天宇受売命(アメノウズメノミコト)、大国主命(オオクニヌシノミコト)、八咫烏(ヤタガラス)てな神話の神様から、道祖神(ドウソジン)といった民間信仰の神様も登場します。

執筆にあたって八百万(やおよろず)の神々を調べているうちに、ズブズブと沼りまして……だったらご挨拶もかねて、本に登場する神様を訪ねてみようと思った次第。今回は出雲に飛んで、そのあと瀬戸内の島経由で四国に渡り、愛媛県からお遍路を始めてみようと。(お遍路は次回ご紹介)

5月某日

朝8時半に出雲縁結び空港着。観光客の多くは出雲大社行のバスに乗っていくが、自分は出雲市駅行に乗る。バスを乗り継いで須佐神社に向かうのだ。10月に発売される拙著『半神さまは修行中』2巻に、御祭神の須佐之男命(スサノヲノミコト)さまが登場されるので、ご挨拶したいと思っていた。

須佐神社前行は一日5~7本出ているが、自分が乗ったのは出雲市駅10時発。市街地をしばらく走り、川沿いの道に入るとグンと緑が濃くなってくる。終着地までは50分弱、カーブ、またカーブのマリオカートみたいな道を、山奥に向かってひたすら走る、走る。

なぜこんな山奥に? とは自分基準の考えで、スサノヲさまにしてみれば「オマエはどうして、そんな遠くからワシを訪ねてくるのだ?」となるだろう。それはあなた様に会いたいから。だからこうしてバスに揺られているのですよ、スサノヲさま。

予定通りの10:48に須佐神社前に到着したが、懸念事項があった。折り返しとなるバスの出発まで20分しかないのだ。次のバスは約3時間後。ゆっくりと参拝して「気」を感じたいところではあるが、旅の3時間はその後の予定に大きく影響してくる。家でゴロゴロすりゃ3時間なんてすぐなのに。

終着近くで運転手さんが「このバスで戻られる方は、お声がけください」とアナウンス。降りるときに「発車まで行って帰ってこれますか」と尋ねると、「だいじょうぶですよ。すぐそこですから、ごゆっくり」と。であれば安心してバスを降り、歩くとすぐに鳥居が現れた。おおお……。

もうね、荘厳(そうごん)という言葉がぴったり。写真はスン、な感じかも知れないけれど、現地で見ると「ドオオオオオン!」みたいな漫画の太文字がのしかかってくる。最強のパワースポットと言われる理由がわかった気がした。20分じゃ足りないな……と思いながらも、参拝して、境内を一回りして、御朱印をいただいて鳥居を出る。「なんだ、もう帰るのか」という声が聞こえた(気がした)。

12時前に出雲市駅に戻る。何食べようかと駅下を歩いていたら「スサノオラーメン」のポスターが目にとまる。そばの店でもあるみたいだけど、何か面白そうな気がして入店して、注文。

スサノヲの剣をカマボコで表現してるんだってw。ビジュアル先行かと思いきや、濃厚な味噌スープがなかなかに滋味で飲み干してしまう。よし、これで午後も頑張れそう。

須佐神社20分参拝で得た3時間をどう使うかプランはあった。出雲大社まで自転車で行こうと考えていたのだ。泊まるホテルで自転車を貸してくれるので、出雲の風を感じてみたくてチャリゴー!

初夏の、カンカン照りの平野をママチャリでキコキコ。走りながら気づいたのは、家の敷地内にお墓があること。「?」と思ってチャピると「屋敷墓」というものらしい。こういうのは、のほけてバスに乗っていたら気づかないから、やはりチャリは楽しい! にしても暑い。なんだこれ、もう夏じゃねえか。コンビニでチョコモナカ買ってバリバリ食べる。

チャリで1時間ほど、目的地の出雲大社に着。

思った以上に人人人……だった。パワースポットだから人が多いのではなく、人が多いからパワースポットになるのかな。みなさん「縁結び」したいんだなと思いながらも自分もその中の一人として参拝。そしてこの日にいただいたのが、これ。

出雲大社&須佐神社ってパワフルな組み合わせでしょ? この手前には、昨年詣でた伊勢神宮(外宮・内宮)の御朱印もあるんです。それにしても出雲大社は都会なみの混雑で人疲れしてしまった。

というわけでハイブリッド巡礼。初日の神様巡りはせわしなかったけど、上々の滑り出しだったかな。夜は出雲の「割子そば」。天丼とのセットをいただく。

今日は午前3時起床だった。いろいろ巡って、サウナ入ってからのビールが染みて、駅前のビジネスホテルにチェックイン後、バタンキュー。翌日、朝7時のバスで広島へ向かう。(続く)

【追記】
拙著新刊『2つの意味の物語 先輩は彼女を狙っていた』が、7月16日ころに発売です。「彼と一緒に野菜を刻んでいるの」「犯人はまだいる」「ぼくはもう君しか見えない」など、一つの文に二つの意味がある2義文で展開されるパラレルストーリーの3巻目。大人も楽しめる内容になってますので、よろしくお願いします!

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ハイブリッド巡礼記

アラ還作家が、自著に登場する八百万(やおよろず)の神々の神社詣でと、四国八十八カ所巡礼(お遍路さん)を足掛け二年で行うことにしました。須佐神社(スサノヲノミコト)などのパワースポットで力をいただき、四国に渡って札所を巡るという「ハイブリッド巡礼」。ご当地の見どころや、グルメ、ちょっと変わったスタイルのお遍路(大変だと思うのですが……)を紹介していければと思います。

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ささきかつお 作家

1967年、東京都生まれ。出版社勤務を経て、2005年頃よりフリー編集者、ライター、書評家として活動を始め、2016年より作家として活動。主な著作に『空き店舗 ( 幽霊つき ) あります』(幻冬舎文庫)、「2つの意味の物語」シリーズ(新星出版社)、『名探偵はナルシスト』(静山社)、『半神さまは修行中』(岩崎書店)。

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