1. Home
  2. 暮らし術
  3. 勝手に!裏ゲーテ 街場の旨いメシとBar
  4. 200インチの男 仕事場ひきこもり編

勝手に!裏ゲーテ 街場の旨いメシとBar

2026.02.18 公開 ポスト

#71

200インチの男 仕事場ひきこもり編相場英雄

使用機材<Tcl A1s,Philips Soundbar>

〈食い意地と物欲は右に出るものがいない作家〉……当欄の冒頭にはG舎の担当さんが付けたキャッチフレーズがある。ここ最近は食い意地ばかりに触れてきたので、今回は久々に物欲に関するお話を。

見出しにある〈200インチ〉とはなんぞや。まず読者の多くがそう感じたに違いない。引っ張っても仕方ないので、種明かし。本稿で触れるインチとは、壁掛けのスクリーンを指す。勘の良い読者はお気づきかもしれない。壁掛け、ロールアップ式のスクリーンだけでは、巨大で邪魔な一旦木綿に過ぎない。これに対を成すブツが必要なのだ。

 

肝心なブツとはなにか(引っ張るな)。

スクリーンに映像を投影させるプロジェクターだ。昨年秋、友人とバーに行った際、カウンターの隅にちょこんと鎮座する小型プロジェクターが目に入った。店の白壁にクリアかつ明るい画像を映し出す最新鋭機に驚き、久々に物欲がザワザワし始めたのだ。

拙宅のリビング。ザワザワした挙句購入した120インチのスクリーン。左隅が55インチのテレビ。もう戻れない体に(生活感アリアリの様子はご容赦)。
持ち運び楽々な中国製プロジェクター(シェア最大手)。画質は文句なし。いつの間にか、日本製から韓国製、そして中国製がシェアをほぼ独占。世の中の変化に驚嘆。

今にして思えば、この手のガジェットに興味を持ち始めたのは四〇年以上前、高校生のときだった。アルバイトで貯めた資金をカセットデッキ(今どきの読者は知らぬまい)やアンプ、スピーカーに投じ、LPレコードをせっせと買い集めた。これがCD、MDデッキ、その後はLD(レーザーディスク)のハード、ソフトまで揃える事態に発展した。

現在の仕事場、自宅リビングにしても、プラズマディスプレーに始まり、有機ELテレビとハード、ソフト面ともに金を溶かし続けた。今、この原稿を書いているパソコンの背後の棚にも、映画やライブ関連のDVD、CDが二〇〇〇タイトル近く詰まっている。

真夜中のライブ大会。暗闇の中だと映画館と同じような感じに。輝度は文句なし。
こちらは仕事場(約8帖)のスクリーン。80インチでライブ音源を楽しむ。こりゃたまらん。

話をプロジェクターに戻そう。かつて大金持ちの友人宅、専用のオーディオルームを訪れた際、天井から吊るされた大型のプロジェクターがあまりにも高価だったことに腰を抜かした。それから二〇年以上経過し、先に触れたバーの小さなブツである。

〈これなら狭い仕事場にも導入可能〉

そんな思いでリサーチを始めると、なんと安価なのだ。大金持ちの大型専用機器並み、いやそれ以上の性能で五万円前後。技術の進歩、コスト改革の恐ろしさ。そしてスクリーンにしても、一万円前後で購入可能となれば、物欲作家が通販サイトのボタンを押すのは時間の問題だ。

蘭製のスピーカー(サウンドバーと呼ぶらしい)。コンパクトなのに映画館みたいな音場を再現、しかも1万円以下。
スピーカーとプレジェクターのリモコン。プロジェクターにGoogleテレビが内蔵されているので、即座に各種配信サービスの利用が可能。こりゃ、テレビが売れなくなるわけだ(独り言)。

複数の連載を抱え、テレビ番組のレギュラーも務めている関係上、プライベートで旅に出るチャンスが激減した。コンサートにも行けない。原稿を書くというアウトプット作業ばかりで、映画を観る、音楽を聴くというインプット作業をせねば、死んでしまう。そんな強い思いもプロジェクターの購入を後押しした(強引な理由だ)。

さて、見出しの200インチである。実は仕事場の壁用に80インチのスクリーンを、リビングには120インチを導入し、ポータブルのプロジェクターをフル稼働させている。

リビングには既に55インチのテレビ、そしてサラウンド用のスピーカーを完備していたが、120インチの迫力には到底敵わない。というか、別次元(新しいスピーカーも購入済み)。

仕事終わりにそれぞれの大スクリーンで、泡盛やシングルモルトのグラス片手に息抜き、否、明日の創作活動に向けた滋養補給を続けている物欲作家なのだ。これで、面白い新作が世に出ること間違いなし。

もちろん、既存のDVDもプラグインで視聴可能。こういうカルト作品がいつでも大画面で楽しめる幸せ。
敬愛してやまないトマス・ハリス氏原作の作品たち。こういうインプットが次なるアイバ作品の栄養になるのだ(ホンマかいな)。

{ この記事をシェアする }

勝手に!裏ゲーテ 街場の旨いメシとBar

食い意地と物欲は右に出るものがいない作家・相場英雄が教える、とっておきの街場メシ&気取らないのに光るBar。高いカネを出さずとも世の中に旨いものはある!

バックナンバー

相場英雄

1967年新潟県生まれ。元時事通信社記者。主な著書に『震える牛』(小学館文庫)、『血の轍』、『KID』(ともに幻冬舎文庫)、『トップリーグ』  『トップリーグ2/アフターアワーズ』(ともにハルキ文庫)。近著は『血の雫』(幻冬舎文庫)、『レッドネック』(ハルキ文庫)、『マンモスの抜け殻』(文藝春秋)、『覇王の轍』(小学館)、『心眼』(実業之日本社)、『サドンデス』(幻冬舎)、『イグジット』(小学館文庫)『ゼロ打ち』(角川春樹事務)、『マンモスの抜け殻』(文春文庫)。『覇王の轍』(小学館文庫)、『浸潤』(別冊文藝春秋連載中)

幻冬舎plusでできること

  • 日々更新する多彩な連載が読める!

    日々更新する
    多彩な連載が読める!

  • 専用アプリなしで電子書籍が読める!

    専用アプリなしで
    電子書籍が読める!

  • おトクなポイントが貯まる・使える!

    おトクなポイントが
    貯まる・使える!

  • 会員限定イベントに参加できる!

    会員限定イベントに
    参加できる!

  • プレゼント抽選に応募できる!

    プレゼント抽選に
    応募できる!

無料!
会員登録はこちらから
無料会員特典について詳しくはこちら
PAGETOP