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避赤地

2025.10.01 公開 ポスト

九月のわだちたちマヒトゥ・ザ・ピーポー

インドネシアでのフェスが終わり、東京で荷物を整理して、すぐにDay31の沖縄に飛ぶ。空港に着いたばかりの我々を出迎えた熱気に驚きはなく、インドネシアの湿度や気温のあいまった空気にはさほど違いがないように思う。タクシーに乗ってホテルに着くとすぐにDJ光が来てくれて街に繰り出す。店先に溢れて飲み食いをする雑多な商店街の2階で彼のDJを聴きながら、沖縄のエネルギーの片鱗を感じ翌日のライブのセトリを考えている。

ライブが始まると今日という時間が波打ち出す。何も決めず、考えず、できるだけ流されていたいと思う。ライブ中のエイサーに反射する沖縄のフロアは心臓の裏に何か蠢いたハレーションを持っていた。客席の作る潮騒の向こうでなんとなく会わなくなった沖縄の友達の顔が浮かんだ。たくさんの可能性と選択の間で居合わせているだけで何一つ当たり前ではない。

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*マヒトゥ・ザ・ピーポー連載『眩しがりやが見た光』バックナンバー(2018年~2019年)

関連書籍

マヒトゥ・ザ・ピーポー『銀河で一番静かな革命』

外国に行ったことのない英会話講師のゆうき。長く新しい曲を作れていないミュージシャンの光太。父親のわからない子を産んだ自 分を責め続ける、ましろ。大事なことを決めるのはいつも自分以外。人生の終わりも、突然の「通達」で決められてしまった。でも最後 くらい「自分」を生きたい ――。単調な日々の景色が鮮烈に変わる、美しく切ない終末小説。

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存在と不在のあいだを漂うGEZANマヒト、その思考の軌跡。

バックナンバー

マヒトゥ・ザ・ピーポー

ミュージシャン。2009年に大阪にて結成されたバンド・GEZANの作詞作曲を行いボーカルとして音楽活動開始。
2014年からは、完全手作りの投げ銭制野外フェス「全感覚祭」も主催。自由に境界をまたぎながらも個であることを貫くスタイルと、幅広い楽曲、独自の世界を打ち出す歌詞への評価は高く、日本のカルチャーシーンを牽引する。
著書『銀河で一番静かな革命』『ひかりぼっち』、絵本『みんなたいぽ』(絵:荒井良二)。映画監督作品『i ai』がある。

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