
定年退職後に長野県安曇野市に移住した、元『装苑』編集長の德田民子さん。初のエッセイ『80歳、私らしいシンプルライフ』では、四季のはっきりした安曇野での暮らしやおしゃれの工夫、毎日をごきげんに過ごす秘訣など、80歳を迎えた德田さんの心豊かな日々をご紹介しています。本書より、一部をお届けします。
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60代で白髪染めをやめてグレイヘアに。ビビッドな原色も気負いなく着こなせるようになりました
ヘアスタイルを変えることを何かのきっかけにすることって女性にはよくありますよね。気分を変えたり、新しいことにチャレンジしたり。ヘアスタイルは女性の生き方と密接な関わりがあるといわれたりもします。ヘアスタイルを変えると、「何かあったの?」なんて聞かれたりして。
ご多分にもれず、私もこれまで、刈り上げ、 ポニーテール、マッシュルームカット、カーリーヘア、 ストレート、 ソバージュ、 ベリーショートなど、 たくさんのヘアスタイルを体験してきました。ただし、このヘアスタイルの数だけ生き方を変えてきたような、波乱の人生があったわけではないのですが。ファッションと同じようにそのときの気分でいろいろと楽しんできました。
今は自然なグレイヘア。
50代の頃から白髪が目立つようになり、 グレイのヘアマニキュアでカバーしていました。理由は、白髪染めで暗く染めると、年を重ねた風情とギャップが出てしまって違和感があるように思ったから。それでも継続していると、ヘアマニキュアをすること自体、本来の髪のつやが隠されてしまう。それが気になってきました。なので、だんだんと白髪の割合が多くなった60代になって、髪を染めること自体をやめたんです。
最近は、素敵なグレイヘアのタレントさんやモデルさんも多く見かけるようになり、年齢を重ねたマチュアな魅力を発信していますよね。私はこのグレイヘアの、ありのままでいられるナチュラルな魅力がとても気に入っています。
髪型は、前髪が短くボーイッシュなショートカット。私の定番です。このカットスタイルは、快活で元気に見えるので気に入っています。カットにはこまめに行かなければなりませんが、何より、日々の髪の手入れがラクなので、それもやめられないポイントです。
手入れの手間だけでなく、グレイヘアの最大のメリットは、装いの幅が広がったということです。黒く染めた髪色だときつく見えた印象も、グレイヘアになってからはニュートラルで優しく明るい印象に。またビビッドな赤やブルーなどの原色を取り入れた服だって、グレイヘアなら軽快に気負いなく着こなすことができるようになりました。
その時々の暮らし方や生き方が表れるヘアスタイル。でも、服と同じように、ありのままの自分らしくいられるように付き合っていきたいと思っています。

80歳、私らしいシンプルライフ

定年退職後に長野県安曇野市に移住した、元『装苑』編集長の德田民子さん。初のエッセイ『80歳、私らしいシンプルライフ』が8月6日に発売となりました。本書より、試し読み記事をお届けします。
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