工場地帯、煙突の炎がゆらめている23時の羽田第三ターミナル。ビルの窓から暮らしの残像が漏れ出していて、地平線にはりつく中を機体はうなりながら進む。
小窓から小さくなっていく光を見て、ウガンダへ向かう長いフライトのはじまりを思った。NYEGE NYEGE FESTIVALというウガンダのジンジャーで行われるフェスにGEZANで出演するためにわたしたちの体は轟音の中、運ばれている。遠く別の機体の飛行が見えた。わたしの出発地を別の誰かは目的地にしている。一つの球体の中でわたしたちは体勢をいれかえる。
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*マヒトゥ・ザ・ピーポー連載『眩しがりやが見た光』バックナンバー(2018年~2019年)