
絵本の中に入り込んだようなかわいらしいオビドスの街。家々の白壁が太陽の光りに反射して、一層白く目に飛び込んでくる。ぐるりと城塞に囲まれたオビドスは「谷間の真珠」と呼ばれており、城壁の中のこの小さな街に今も800人ほどの住人が暮らしているのだそう。
「昔、ポルトガルのディニス王がオビドスの街をとても気に入って、王妃イザベルにこの街を結婚のプレゼントとして贈ったんです。それ以来、オビドスは歴代の王妃に受け継がれていくことになったという歴史があるんですよ」
と、ガイドさん。
街がプレゼントってデカいな、などと思いつつ歩いていると「ポルタ・ダ・ヴィラ」に到着した。
「ポルタというのは門という意味で、ヴィラは村です」
かゆいところに手が届くガイドさんの説明に、一同、ふむふむ。
1380年に完成した街の南側の入り口であるポルタ・ダ・ヴィラ。かまぼこ型のベランダ的空間にびっしりと貼られたアズレージョ(ポルトガルのタイル)には、天使たちの絵が鮮やかな青色で描かれていた。
城塞の中でしばし自由時間。
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うかうか手帖

ハレの日も、そうじゃない日も。
イラストレーターの益田ミリさんが、何気ない日常の中にささやかな幸せや発見を見つけて綴る「うかうか手帖」。