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うかうか手帖

2024.01.09 公開 ツイート

朝焼けのマッターホルン スイス旅4 益田ミリ

マッターホルンである。
映画の始めに出てくる尖った雪山?
それくらいしか知らなかったわたしである。
マッターホルンは標高4478メートルあるらしい。ちなみに富士山は3776メートル。今回は、まず登山列車でゴルナーグラート展望台まで上がってマッターホルンの姿を拝み、その後、マッターホルンを眺めながらの短いハイキングをする予定だった。

 

その前に朝焼けのマッターホルンである。
マッターホルン観光の拠点となるのはツェルマットの街である。目抜き通りは土産物屋やレストランが並びたいそうにぎやか。まるで原宿である。なのに、通りの先にひょっこりとマッターホルンが見えるという不思議な光景が広がっている街だ。
ご来光好きの日本人が朝焼けに染まるマッターホルンを見るために集まる橋があり、通称「日本人橋」と呼ばれているらしい。

夜明け前。
せっかくなので日本人橋に行ってみた。大勢の人がすでに橋の上に集結していた。日本人もたくさんいたが韓国人の観光客も多かった。みな期待に満ちた顔でご来光を待っていた。
午前7時2分。マッターホルンのてっぺんに太陽の光が射した。まるでロウソクに火が灯ったみたい。想像以上に美しくて、みんなで見られたのもなんだか楽しかった。
ツェルマットの街で数日のんびりできるのなら、窓からマッターホルンが見えるホテルを選ぶのもいいと思う。朝夕の美しいマッターホルンをベランダから眺められるなんてステキではないか。わたしのパックツアーは駅近くのホテルで、便利ではあったが窓からマッターホルンは望めなかった。ツェルマットの街は環境保全のためガソリン車の乗り入れが禁止されており、街の中を走りまわっているのは小さな四角い電気自動車。おもちゃの街のようである。

さて、マッターホルンご来光を楽しんだあと、朝食前に登山鉄道の切符を買っておくことに。日中は駅の売り場がものすごく混むらしい。
ゴルナーグラート展望台に行くための登山鉄道はツェルマット駅の向かいにあり「ゴルナーグラート バーン」と英語で書いてある。
早朝から列車は動いているが、まだ係員がいるチケット売り場は開いておらず、数台並んだ券売機でチケットを購入できるようだった。英語のボタンを選び、ゴルナーグラード展望台までの往復チケットのボタンを選び、支払い。クレジットカードはタッチ決済だけで、わたしのクレカはそれができずスイスフランで払う。ゴルナーグラート駅までは片道33分。値段は時期によって変動するらしいが往復で約19000円だった。券売機コーナーで出会った日本の男の子たちは「学生にはきびしいです」と嘆いていた。

つづく

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うかうか手帖

ハレの日も、そうじゃない日も。

イラストレーターの益田ミリさんが、何気ない日常の中にささやかな幸せや発見を見つけて綴る「うかうか手帖」。

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益田ミリ イラストレーター

1969年大阪府生まれ。イラストレーター。主な著書に、漫画『すーちゃん』『僕の姉ちゃん』『沢村さん家のこんな毎日』『週末、森で』『きみの隣りで』『今日の人生』『泣き虫チエ子さん』『こはる日記』『お茶の時間』『マリコ、うまくいくよ』などがある。また、エッセイに『女という生きもの』『美しいものを見に行くツアーひとり参加』『しあわせしりとり』『永遠のおでかけ』『かわいい見聞録』や、小説に『一度だけ』『五年前の忘れ物』など、ジャンルを超えて活躍する。

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